SCP-1117-JP
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以下は英国王立魔法院の記録保管所にて保管されている文書のコピーです。本文書は1675年3月19日に、当時イングランド王国の植民地1であったアイルランドにてアノマリーの管理を担当していた正統信仰守護会2に所属していた異端審問官たちによって製作されました。現在この記録は保管のみを目的として残されています。なお本文書の公開は13月協定に基づくものであることに留意してください。


妖精1.jpg

MDCCXCVII/I

MDCCXCVII
 

分類: 妖精族

優先度:
 
MDCCXCVIIはイングランド王国領アイルランドのウォーターフォードにて「取り替え子」を引き起こせし者及びそれに加担せし者の総称である。

Ⅰ. 邪悪なる妖精(MDCCXCVII/I)

概要: 平常は森林にて獣を食らいながら生活している。見た者が少ないがために正確なことは分かっていない。しかしながら司祭や教師と言った信頼出来る者の証言から、身の丈6フィート3インチの全身を毛に覆われたゴブリン種であることが判明している。知能が低く教え3を理解せぬ野蛮な存在ではあるが、邪悪な思念を巡らすこと、及び邪法4を使うことに関しては秀でている。MDCCXCVII/Iは醜い存在であるが故に人間を妬むと共に恨んでいる。MDCCXCVII/Iが人間に対して悪事を働くのはその為である。最大の弱点は聖なるものであり、正しき信仰を授けられし者5に対しては手を出すことが出来ない。

管理手順: 目下捜索中である。捕縛した者は直ちに名乗り出よ。

II. 邪法によって作られし肉人形(MDCCXCVII/II)

概要: MDCCXCVII/Iは人間の子供を攫うことを好む。当然ながらこれはMDCCXCVII/Iが人間の子供を欲するが為である。MDCCXCVII/Iは自分たちの血と人間の血を掛け合わせることで人間に近づけると愚かにも考えているのだ。MDCCXCVII/Iは子供を攫ったことが気付かれぬように狼の如き狡猾な知恵を巡らす。故に取り替えは多くの場合、揺り籠の中の洗礼6を受ける前の赤子とMDCCXCVII/IIを邪法によって瞬時に入れ替えると言う形で行われる。取り換えの瞬間が観察されぬのはこの為である。なお一度奪われた子供が再び発見される事例は今までに確認されていない。主に獣の血肉と泥と邪悪な生物から邪法を用いて作られたMDCCXCVII/IIは人間に似せられており、赤子である間は人間の赤子と見分けることは難しい。だがこれは所詮は猿真似に過ぎず、成長するにつれてMDCCXCVII/IIは知恵の遅れや奇形などと言った特徴が明確になるために判別は容易である。また一部のMDCCXCVII/IIの頭の中身は蛆であることから、頭を割ることによっても判別できる場合がある。正しく清められなかったMDCCXCVII/IIは魔力が満ちた夜に肉を脱ぎ捨て数多の羽虫の姿となる。MDCCXCVII/Iの元へと自身が見聞きしたことを伝えに帰るためである。MDCCXCVII/IはMDCCXCVII/IIにそうさせることで、より人間に似た肉人形を生み出すための知恵を得ようとしているのだ。

管理手順:発見せし場合は捕縛せよ。捕縛したMDCCXCVII/Ⅱは正式な手順に従い神の名の下に火刑に処す。

III. 邪悪なる存在に魅入られし異端者7(MDCCXCVII/III)

概要: 時としてMDCCXCVII/IIの捕縛を不当に拒む者や、それどころかMDCCXCVII/IIの捕縛を暴力的な手段を以って妨害せんとする者たちがいる。どれほど道理を説こうとも彼らが聞き入れることは決してない。何故なら彼らは邪悪なる存在の僕となることを選んだ者たちだからだ。MDCCXCVII/IIIは多くの場合、MDCCXCVII/IIが彼らの子であると主張し続けることによって捕縛を拒まんとする。例えMDCCXCVII/IIが酷く醜く人間の子ではないことが明白であろうともその主張を曲げようとすることはない。しかしながら異端審問を行うことで、MDCCXCVII/IIIはほぼ必ず彼らが嘘偽りを述べていたこと、及び我々の正しさを認める。この際は特に水責めや鞭打ちが効果的である。

管理手順: 発見せし場合は捕縛せよ。捕縛したMDCCXCVII/Ⅲに対しては異端審問を行い、裁きが下された後に正式な手順に従い神の名の下に火刑に処す。

IV. 邪教を信仰せし異端の村(MDCCXCVII/IV)

概要: ウォーターフォードの村の中には、村全体で邪悪なる存在を信仰している村も存在する。MDCCXCVII/IVの住人たちは日夜邪悪なる存在に祈りを捧げると共に邪教の儀式を行っている異端の者たちである。故にMDCCXCVII/IVの住人たちは決してMDCCXCVII/IIやMDCCXCVII/IIIの引き渡しには応じず、我らの言葉に耳を傾けようとすることもない。また、殆どのMDCCXCVII/IVは暴力的な手段を以って我らに刃向かわんとするのが常である。これらのことからも分かるようにMDCCXCVII/IVは人や村、土地だけでなく水や大気に至るまでが異端審問によって雪ぐことが出来ぬ程に罪と邪悪なる気によって穢れきってしまっている存在である。故にMDCCXCVII/IVは聖なる炎によって全てを清めることでしか浄化することが出来ない。

管理手順: 異端審問は不要である。関わりある物は全て炎により清めよ。

イングランド王国の国土は全て神が我らに授けてくださったものである。しかしながらMDCCXCVIIはこうしている間にもアイルランドを蝕み続けている。故に我々は速やかにこれらを駆逐せねばならない。イングランド王国の臣民として、そして無知蒙昧なるアイルランド人たちを教化8する義務を持った神の子として。 — ウォーターフォード教区主教 ジョージ・E・マイヤーズコフ


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