SCP-1125-JP
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アイテム番号: SCP-1125-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1125-JPはサイト-8181内の標準的な人型実体収容房に収容されています。SCP-1125-JPには標準的な設備が与えられますが、その異常性のためテレビ及びインターネットの利用には制限がかかります。SCP-1125-JPは無力化されました。

説明: SCP-1125-JPは10代前半の日本人女性に見える人型実体です。
SCP-1125-JPは、何らかの媒体でハートマークを視認した際に異空間(以下、SCP-1125-JP-A)に移動します。SCP-1125-JP-A内部には草原が広がっており、各所に滑り台などの遊具が存在します。SCP-1125-JPがSCP-1125-JP-Aに移動してからおよそ5分後、「はぁとちゃん」と名乗る実体(以下、SCP-1125-JP-B)が出現します。SCP-1125-JP-BはSCP-1125-JPに対し友好的であり、SCP-1125-JPと「遊び」をしようと提案します。この「遊び」の内容は、基本的に公園に存在する遊具を使ったものや「鬼ごっこ」「隠れんぼ」など児童用の遊びなどが挙げられます。SCP-1125-JPが申し出を受け入れ、SCP-1125-JPと共に「遊び」をしてからおよそ1時間後、SCP-1125-JPは消失地点に再出現します。
SCP-1125-JP-Bは心臓をモチーフとした「子供向けキャラクター」のような外見をしており、SCP-1125-JPからの証言により「はぁとの国」から地球に訪れたと述べていました。「はぁとの国」の詳細は判明していません。

対象: SCP-1125-JP

インタビュアー: ██博士

<録音開始>

██博士: それではまず、自身の異常性に気づいた経緯からお聞かせ願います。

SCP-1125-JP: はい。私がこの力に気づいたのは、3歳の頃でした。その頃、親はいつも外出していて私は家に一人きりだったので、パソコンで動画を見ていたです。そうしたらある日、変なサイトに迷い込んだと思ったら、いきなり異世界に連れていかれて。そこには「はぁとちゃん」っていう子が私の前に現れて「遊ぼうよ!」って言ってきたんです。それから、はぁとちゃんと隠れんぼをしたり、鬼ごっこをしたり、滑り台をしたり……とにかく、たくさん遊びました。今思えば、とても楽しい経験でした。

██博士: なるほど。現在でもそのような事をするのでしょうか?

SCP-1125-JP: 今では、そういうことはしなくなりました。しないというか、できなくなっちゃったんです。親に携帯を没収されてしまって。それからその事は気にせず過ごしていたんです。でもある日偶然街にいるとき広告でハートマークを見てしまって、あの世界に移動したんです。そして帰ってきたら、そちらの方々に捕まって、ここまで運ばれてきました。

██博士: 手荒な方法を取ってしまい申し訳ありません。

SCP-1125-JP: ああ、いえいえ。良いんですよ。むしろ、日常から逃げ出せた、くらいに思っていますから。

██博士: そうですか。

SCP-1125-JP: あの、私これからどうなるんでしょうか?人体実験とかそう言った類のことをされたりとか……。

██博士: いえ。倫理委員会からの申し立てもあり、基本的にはむやみに苦痛を与えることはしません。

SCP-1125-JP: そうですか。[ため息]ようやく、安心できるところに来れました。

██博士: 安心できるところ、ですか?

SCP-1125-JP: ええ。私、辛い子供生活を過ごしていたので。

██博士: そうですか。一応お話いただけますでしょうか?

SCP-1125-JP: 3歳になった頃から、家がだんだん貧乏になってきたんです。だんだんご飯が貧相になってきて、毎年行っていた伊豆旅行ができなくなったり、新しいゲームを買ってくれなくなったり。子供の頃だからよくは覚えていないですが、多分お父さんがクビになったんだと思います。それから、次第に両親も険悪になってきて、私に暴力を振るうこともありました。今思えば、あの時、この能力があったからこそ私は生きていけたんだと思います。あの1時間が、私にとってかけがえのないものでした。

██博士: お話いただきありがとうございます。質問は以上ですね。それでは、インタビューを終了します。

<録音終了>

事件記録: SCP-1125-JP-A内部の映像を記録する実験において、SCP-1125-JPに関する事件が発生しました。以下は、ビデオカメラに内蔵されたチップからの映像記録です。

<録音開始>

SCP-1125-JP: えーっと、こうでいいのかな………それじゃあ、記録開始、と。

SCP-1125-JP: ……周りの風景は、こんな感じですね。

[カメラが周囲の風景を映す]

SCP-1125-JP: 多分、いつも通りなら5分くらいではぁとちゃんが来るので、それまで待機しますね。あ、カメラはテーブルの上あたりに置いておきます。

[8分経過]

(SCP-1125-JP-Bが出現する)

SCP-1125-JP-B: お待たせ〜!

SCP-1125-JP: あっ、はぁとちゃーん!

SCP-1125-JP-B: それじゃあさっそく遊びを始めようか!今日はいっしょに滑り台をしようね!

SCP-1125-JP: はい!

<17:56 SCP-1125-JPとSCP-1125-JP-Bは出現した滑り台を使って遊んでいる。>

[重要度が低いため省略]

<30:00 突如、SCP-1125-JP-Bが消失する。>

SCP-1125-JP: えっ?

[カメラが暗転する。おそらく光源が消失したことによるものと考えられる]

SCP-1125-JP: く、暗い……は、はぁとちゃん、どこ?

SCP-1125-JP: ………こ、こわい………

[SCP-1125-JPはパニック障害を起こし、その場にうずくまる]

[重要度が低いため省略]

<60:00 転移現象が発生し、SCP-1125-JPがSCP-1125-JP-Aから脱出する。>

<録音終了>

補遺1: 再出現した時点でSCP-1125-JPはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の兆候が見られました。SCP-1125-JPは医療用ベッドに移され、財団心理カウンセラーによる治療が行われました。

補遺2: サイト-8181で精神治療を行なっていたSCP-1125-JPが病室内で不審な行動をとりました。即座にエージェントが駆け付けましたが、病室にたどり着いた時点でSCP-1125-JPは消失していました。映像を調査したところ、SCP-1125-JPは自身の爪を剥がし、手の甲に血でハートマークを描いていたことが判明しました。消失から1時間を過ぎた時点で、SCP-1125-JPは死亡した状態で再出現しました。解剖調査の結果、SCP-1125-JPの心臓が消失しており、代わりに以下のメモがおかれていることが判明しました。

はぁとちゃんといっしょ 1時間 750000円

はぁとのくにのはぁとちゃんといっしょに、たのしいじかんをすごそう!

※料金は自動的に回収されます。
※料金が不足している場合、「はぁとちゃんのごはん」を回収する場合がございます。あらかじめご了承ください。

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