SCP-113-JP
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アイテム番号: SCP-113-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-113-JPとその卵は、無菌培養した上で湿らせた脱脂綿と共に強化アクリル容器に入れ、低温保管庫に置かれます。収容室には二重エアロック・微粒子濾過フィルター・加湿器を備えています。濾過フィルターは定期的に交換して下さい。SCP-113-JPと直接関わる職員は、レベル4バイオハザードスーツを着用する必要があります。
財団情報部は一般社会でのSCP-113-JP感染事例を監視し、事案発生時は機動部隊-ゆ-16”キツツキ”がSCP-113-JPとSCP-113-JP-1を確保して下さい。その後該当区域への殺虫剤散布と、下水処理施設での濾過作業、及び電流処置を行います。該当区域の監視は、最低でも8か月間は維持されます。
SCP-113-JP-1は全てセクター-8126の感染者対策病棟で治療し、失敗した場合はタイマー式電流装置により終了した後、レベル4汚染物質として焼却して下さい。

説明: SCP-113-JPは、独自の自己防衛能力を持つ、15㎝程のカイチュウに似た寄生生物です。SCP-113-JPの卵は乾燥すると微粒子として大気中に散り、呼吸か食物を介して体内へ侵入します。その後主に腸内で孵化・成長し、成体となると単為生殖で大量の卵を産むでしょう。宿主はこの過程で激しい下痢・腸の広範な炎症・疼痛で寝たきりとなり、最終的に全身の機能不全を起こし死亡します。ごく稀に皮膚表面で孵化する場合もあり、その場合は非常に激しい疥癬とリウマチに似た症状を起こし行動不能になりますが、死亡には至りません。但し下記で述べる異常性は腸・皮膚どちらに接触した場合でも発現します。

SCP-113-JPの異常性は、自身が寄生した対象者(以下SCP-113-JP-1)を救助しようとする治療者(助言、祈祷、安楽死を行う者を含む)に対し、精神干渉を行う点にあります。SCP-113-JP-1は大抵、初期の易疲労性と熱感を理由に病院を受診しますが、対面した治療者は強い恐怖・嫌悪あるいは無関心を示し、治療を拒否します。これはそのSCP-113-JPの症状の程度について理解する程深刻になります。この為SCP-113-JP-1は未治療のまま放置され、末期状態まで容易に移行するでしょう:また、SCP-113-JP-1は他の傷病の治療でも拒否される事例があります。財団が確認した事例の45%が、他の原因による死亡でした(例:穴に転落した後、救助されず11日後に死亡した男性など)。SCP-113-JP-1自体はこの精神干渉に影響されず、服薬や病院巡りが可能です。

SCP-113-JPの卵及び成虫は驚異的な薬剤耐性を持ち、また症状を和らげる方法も現在ありません。その為初期の治療課題として、SCP-113-JP-1自身が外科手術によって患部を取り除く方法しか無い事が挙げられます。しかし、大抵のSCP-113-JP-1はその決意を固めた時、実行するだけの体力と技術がありません。財団は様々な方法で治療を行おうとしましたが、これまで実現出来たのはSCP-113-JP-1の収容と搬送のみです。唯一自己手術に成功したのは財団医師で、重症化する前に症状から原因を突き止め、尚且つ生まれつき痛覚が麻痺していたという特殊な事例のみです。倫理的な配慮から、3人目のSCP-113-JP-1実例以降、自己終了用にセンサー式電流装置を導入しています。

SCP-113-JPは█████市近辺で突如発生した医療機関の不祥事を調査した際に発見されました。当初SCP-113-JPは蚊を媒介にし感染していた為、殺虫剤の噴霧は間接的ながら感染例を減らす事に成功しました。但し蚊に感染する以前の具体的な起源は全く不明の為、現在の収容手順に関わらず今後大きく流行する可能性はあります。

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