SCP-1137-JP
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実験記録1137-JP-007内で撮影されたSCP-1137-JP-E

アイテム番号: SCP-1137-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1137-JPの周辺は工事現場に偽装する形でフェンスで囲い、近隣の家屋には最低2名の財団職員が常時居住してください。一般人がSCP-1137-JP及びその周辺に侵入しようとした場合は建物の老朽化に伴う周辺工事を名目に退去させてください。必要な場合は拘束し、記憶処理を行ってください。

説明: SCP-1137-JPは██県███市の市営住宅街に存在する2階建ての一軒家とその内部に点在する6体の人形です。外観からおよそ築20年ほどの建物であると推測がされていましたが、近隣住民の証言により少なくとも87年前から現在の場所に存在していたことが発覚しています。窓はすべてカーテンで閉められており、外部から内部を確認することはできません。しかし、実験で内部に侵入したDクラス職員から内部から窓を見るとカーテンは開いているように見え、また窓から見える景色は実際の天候とは異なり、晴天時における光が差し込んでいたとの報告が上がっています。

SCP-1137-JPの内部に侵入した人間が内部に点在する人形を最低1体視認した場合、計6種類の人間の声がランダムに聞こえます(以降SCP-1137-JPの内部に侵入した人間を「対象者」と表記)。この声は対象者のみならず、通信機器等を通した際にも確認することができます。聞こえる声の種類は対象者が最初に視認した人形、および対象者の付近に存在する人形によって変動するため、現在ではこの声の発生源は内部に存在する人形であると結論付けられています。実験内の記録から当該実体は互いを「家族」として認識しており、またそれぞれ家族としての役割を持っていると推測されています。以下は現在内部に存在する人形とそれに該当すると思われる声・役割の一覧です。

ナンバー 外見 該当すると思われる声・役割
SCP-1137-JP-A 約150cm程のテディベア。リビング内に設置された座椅子に寄り掛かる形で存在している 40~50代と思われる男性の声。父親役と思われる
SCP-1137-JP-B 金髪の女児の外見をした約5cm程の指人形。ダイニング脇のラック上に存在している SCP-1137-JP-Aと同年代と思われる女性の声。母親役と思われる
SCP-1137-JP-C 約20cm程のフェルトで構成されたうさぎのぬいぐるみ。リビング内のソファに存在している 10代後半もしくは20代前半と思われる女性の声。長女役と思われる。
SCP-1137-JP-D 約40cm程のブリキと思われるロボット。SCP-1137-JP-Cと同じくリビング内のソファに存在している 10代前半と思われる男児の声。長男役と思われる。
SCP-1137-JP-E 千代紙で構成された約15cm程の紙人形。2階に続く階段前の床に存在している 6~10歳頃と思われる女児の声。三女役と思われる。
SCP-1137-JP-F 約70cm程の男児の姿をした市松人形。ダイニングテーブルの上に存在している 70代と思われる男性の声。祖父役と思われる。

対象者が内部への継続的な滞在を試みた場合、対象者はSCP-1137-JP-A~SCP-1137-JP-Fから実際の性別年齢関係なく「しおり」と呼ばれる次女に当たる存在として扱いを受け、家族の一員であるとして歓迎されます。対象者は当該実体との会話を開始すると同時に徐々に人格が変化し始め、約20分後自身を「しおり」であると認識するようになります。この際会話を拒否、または会話を中断すると人格の変化は中断されます。ただし、対象者が内部に存在する限り声が止むことはありません。

変化後対象者はSCP-1137-JP外部への脱出を拒否するようになり、自主的にSCP-1137-JP-A~SCP-1137-JP-Fとの会話を試みるようになります。この際対象者は食事や睡眠などの生理的欲求が一切消失したかのように振る舞います。その後対象者は数日間SCP-1137-JP内部で過ごしたのち、栄養失調などが原因で死亡します。

対象者の死亡後、SCP-1137-JP内部からは対象者が過ごした形跡が全て消失します。その際、対象者の遺体は未知の方法で消失します。補遺を参照してください。その後新たな対象者が内部に侵入するとSCP-1137-JP-A~SCP-1137-JP-Fは再び一連の行動を繰り返します。

SCP-1137-JP内部では対象者が直接所持している物以外の記録機器・通信機器・ドローン等は機能を停止します。そのためSCP-1137-JP内部の実験外での監視は不可能ですが、対象者が所持した機器は充電残量が無くなるまでその内部を映し続けます。ただし対象者が充電残量が無くなるのを待たずして死亡した場合、機器は即座に機能を停止します。これらの現象の理由については不明です。

補遺: Dクラス職員を用いた実験の最中、複数人が同時に侵入することで内部を詳細に記録することに成功しました。以下はその際の探査ログです。

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