SCP-1169-JP
評価: -6+x

アイテム番号: SCP-1169-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1169-JPは、大学の研究施設と偽装されている二重構造の収容棟内部に、4基のスクラントン現実錨(Scranton Reality Anchor, 以降SRAと略記)を用いて収容されます。収容棟と収容棟の間の気圧を10-5Pa以下に保ち、収容棟内部のヒューム値を3.5Hm、気温を77Kに固定してください。毎日カメラと集音マイクを利用して収容棟内部を監視し、異変が認められた場合サイト管理者に報告してください。収容棟内部への立ち入りは推奨されませんが、機材トラブルなどやむをえない場合はサイト管理者の許可を条件に認められます。
現在SCP-1169-JPの調査は無期限に延期されています。(事案1169-JP-3を参照)



説明: SCP-1169-JPは██県██町の廃屋に存在する、かつて小動物の巣であったと思われる空間に発生した異空間(以下SCP-1169-JP-Aと呼称)に繋がっているトンネルです。その直径は12cmであり、現在未知の易融金属(以降SCP-1169-JP-Bと呼称)により閉じられていました。(事案1169-JP-3を参照)。
SCP-1169-JP-Aは3.0×106m3程度の容積だと推定される異空間です。異空間内の気温は平均して100Kであり、重力や気圧といった環境要素は地球上のそれと大きく異なっています。GPS装置による場所の特定は失敗に終わりました。SCP-1169-JP-A内部には人工的に作られたと思われる物品や建築物が存在しています。また、調査の結果より知的生命体(以降SCP-1169-JP-Cと呼称)が存在すると推測されていますが現在まで観測することはできていません。
SCP-1169-JPは19██年に「夏なのに凍てつくように寒い廃屋がある」という噂が財団の目にとまり、調査の結果SCP-1169-JPを発見したため、廃屋を財団フロント企業が買い取る形で収容されました。噂が小規模だったことからカバーストーリーの適用は行われませんでした。20██年、SRAの設置のためSCP-1169-JP収容棟の改装に対しカバーストーリー「液体窒素貯蔵庫建設」が流布され、書類上の名義は財団傘下の███大学になりました。
 
 

調査記録1169-JP-1 - 日付19██/██/██

対象: SCP-1169-JP並びSCP-1169-JP付近3m以内のSCP-1169-JP-A

実施方法:特殊な内視鏡とGPS装置、温度センサー、集音マイクをSCP-1169-JP-Aに送り込む。

結果: SCP-1169-JPの壁面には異常性が見られませんでした。SCP-1169-JPを出てすぐに複数の羽が生えた回転体が設置されていました。回転体は高速で回転しており、多少の融解が見られました。回転体の周囲は金属により閉じられており、GPS装置による位置の特定は失敗しています。SCP-1169-JP-Aの気温は100Kでした。

分析: 設置されていた物体は人工物であるように見受けられるため、SCP-1169-JP-Aには知的生命体が存在しているかしていたと思われる。GPS装置が正常に作動しなかった原因は金属によって遮蔽されていたためではないか。回転体が融解していたことから耐熱性が低いと思われる。マイクは回転体以外を音源とする音を検出したが、詳細は不明。

備考: 初期調査であったため耐冷性が低い機材を利用しており、調査は4分で終了しました。また、以降の実験ではSCP-1169-JP-Aに与える影響を鑑みて予め機材を冷却することが定められ、この調査の結果から初版の特別収容プロトコルが定められました。

調査記録1169-JP-2 - 日付19██/██/██

対象: SCP-1169-JP-A

実施方法:延長された内視鏡を用いてGPS装置、ソナー、集音マイクをSCP-1169-JP-Aに送り込む。

結果: 回転体の融解は停止していました。回転体の奥の金属壁に溶けて出来たらしい穴が存在しており、そこから外を観測することができました。その結果、複数の家屋のようなものを確認出来ましたが、地面や家屋の素材はすべて同種の金属であるように見えました。。金属壁の外に出たにも関わらず、GPS装置は正常に作動しませんでした。ソナーによりSCP-1169-JP-Aの大まかな体積が判明しました。集音マイクは一定の規則に基づいている音声を検出しました。調査終了時に金属壁の一部を採取しました。金属はSCP-1169-JP-Bと呼称されることになりました。

分析: SCP-1169-JP-Aは生命が存在するために必要な条件の殆どを満たしていないが、そこに知的生命体が存在しているかしていた事は確実だろう。GPS装置が正常に作動しなかった原因は判明しなかったが、ソナーで判明した「壁」を調査するには内視鏡の限界があるためにこれ以上GPS装置を用いても効果はないと思われる。SCP-1169-JP出口の建物とそれに隣接した建物は、その建材を除けば一般的な現代家屋のような形をしているのに対し、他の家屋は金属製の竪穴式住居と形容するのが一番正確だろう。かなりちぐはぐな印象を受ける。

備考: 調査は30分で終了しました。また、研究の結果SCP-1169-JP-Bの融点は150K程度であることが判明しました。存在すると推測される知的生命体はSCP-1169-JP-Cと呼称されることになりました。

 
事案記録1169-JP-3: SCP-1169-JPの定期調査の際、SCP-1169-JPに金属が詰められていることが確認されました。調査の結果この金属はSCP-1169-JP-A内部に存在していたSCP-1169-JP-Bと同じであることが判明し、SCP-1169-JPが閉じた理由が不明であることから、以降SCP-1169-JP-A内にSCP-1169-JP-Cが存在すると仮定され、一時的に通常の調査を延期することに決定しました。しばらくの間は集音マイクを利用した継続的監視に留める方針になりました。今回の事案によりSCP-1169-JPのオブジェクトクラスがEuclidに変更されました。
 

調査記録1169-JP-4 - 日付19██/██/██

対象: SCP-1169-JP

実施方法: 集音マイクによる長期調査を行う。

結果: SCP-1169-JP-Bに阻まれているため正確ではありませんが、複数の声質による会話や叫び声と思われる音などが観測されました。調査中に音の発生頻度が低下しており、また研究より判明した融点よりも低い温度で保っているにも関わらずSCP-1169-JPを閉じているSCP-1169-JP-Bが融解していることが判明しました。

分析: 融解した原因は分からないが、音の発生頻度が低下したのはSCP-1169-JP-CがSCP-1169-JPから離れた結果ではないか?SCP-1169-JP-A内部は狭いとはいえ遠くに移動すれば検出される音も少なくなるだろう。SCP-1169-JP-CがSCP-1169-JPを作ったのかどうかは分かっていないが、SCP-1169-JPは彼らにとって良いものではないのだろう。

備考: 調査は██年間行われていました。最後に音が検出されたのは20██/██/██、です。この調査の結果からSCP-1169-JPの収容棟内の気温は100Kから77Kに変更されました。結果、SCP-1169-JP-Bの融解速度は減速しましたが融解自体は停止できず、20██/██/██にSCP-1169-JPを閉じていたすべてのSCP-1169-JP-Bが融解しました。現在SCP-1169-JP-A内の調査計画がなされています。

事案記録1169-JP-5: 財団へのカント計数機導入の際、██町一帯でカント計数機が異常な値を示しました。当初は未知のオブジェクトによるものと思われましたが、異常の中心地がSCP-1169-JPであったため調査がされました。その結果、この異常はSCP-1169-JP-Aから現実性がこちらに流出したことで発生したことだと判明しました。特別収容プロトコルは直ちにヒューム値を現在値に固定することを含めた新たな特別収容プロトコルに変更されました。
 
 
補遺1: SCP-1169-JPの推定発生日時及び事案記録1169-JP-5時点における現実性の流出速度からの逆算によりSCP-1169-JPはその発見時に約███Hmであったと推測されています。

補遺2: SCP-1169-JP-Bに対しSRAを利用した再調査が行なわれました。その結果、SCP-1169-JP-Bには周囲の現実性を蓄積し、その強度により融点を変化させるという特性があることが判明しました。このことから20██/██/██にはSCP-1169-JP-A内のすべてのSCP-1169-JP-Bは融解したと推測されています。

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