SCP-117-JP
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SCP-117-JP

アイテム番号: SCP-117-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-117-JPは外からの光が入らない密室で、遮光性のあるシートで全体を包み、専用の金庫に入れて保管してください。非常時を除き、収容室外への持ち出しは禁止されています。収容室内には照明兼実験用として大型のスタンドライトが設置されています。実験はこのスタンドライトと指定された懐中電灯1本を用いて行ってください。現在SCP-117-JPを用いた実験は禁止されています。事故防止のため、収容室への鏡またはそれに準ずる反射性の高い物品の持ち込みは禁止されています。

説明: SCP-117-JPは青銅製の祭器のような外見をしています。██県の遺跡発掘現場から出土し、発見時は土で内部を満たした蓋付きの青銅製の壺の中で、不規則な黒い模様のついた麻の布で包まれた状態でした。

SCP-117-JPの特異な性質は、自然光・人工光問わず、光を浴びて影が出来た際に発現します。影が落ちた地点に存在する物体の表面は、即座にその影が張り付いたように光の反射を失います。この現象を以降“定着”と表記します。ただし、ガラス等の遮光性がない物体にはこの定着は起きません。また、SCP-117-JPに自身の影が定着することはないようです。

さらに、この性質は他の物体との直接の接触中“感染”することが確認されています。感染による他の物体の影の定着は即座には起こらず、SCP-117-JPの影、または“遮るものがなければ影が落ちるであろう地点”を中心として円が広がるように侵食が起こり、中心から遠ざかるほど侵食の速度は落ちます。詳細は実験記録-117-JPを参照して下さい。

影の定着までの所要時間は概ね落ちている影の面積に比例するようですが、接触している物体の性質や構造によって変動する可能性があります。接触を中止すると即座に侵食は止まり、物体は特異な性質を持たない状態に戻ります。

SCP-117-JPは影を定着させることで、まるで“色を食べた”かのように自身の影を肥大化し成長させます。成長した影を元の大きさに戻す方法は現在のところ不明です。また、成長が止まる気配も見られません。実験-117-JP-13を終えた時点でSCP-117-JPの影の大きさは収容当初の2倍ほどになり、実験継続を危険視した███博士の報告を受け以降の実験は中止となりました。

補遺: 実験記録117-JP

SCP-117-JPについて気がかりなのは、これが地面に置かれた時の影響だ。砂利と接触していると捉えてくれるといいが、着衣したDクラス職員での実験結果を見る限り……、いや、考えるのはよそう。 - ███博士

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