SCP-1172-JP
評価: +16+x

アイテム番号: SCP-1172-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1172-JPはサイト-8122の標準的小型アイテム収容ロッカーに保管します。実験の際、落花生に対するアレルギーテストの結果がクラス1以下のDクラス職員を使用してください。

説明: SCP-1172-JPは高さ0.25m×横幅0.2m×奥行0.2mの紙製の箱です。外部には「ハッピー&ピーナッツ」という文字が印字されており、その下部には「落花生アレルギーの方は摂取しないで下さい」という注意書きが記載されています。内部にはローストされた状態のピーナッツ(Arachis hypogaea)(以下、SCP-1172-JP-1)が約30個程存在しています。特筆すべき点として、SCP-1172-JP-1は常に30℃前後の温度を保っており腐敗の兆候を示しません。

人間やその他生物(以下対象)がSCP-1172-JP-1を摂取した場合、数秒から十数秒の後「くしゃみ」又はそれに近い行動を行います。同時に対象の両耳からはピーナッツの殻が割れた状態で排出され、口からはピーナッツ又はその破片が吐き出されます。吐き出された直後のピーナッツは通常では破壊不能な硬度を有しており、更に瞬間的に時速1400km程に達して付近に衝突し、大半の場合周囲に物理的被害を及ぼします。実験の結果では約40m前後が吐き出されたピーナッツに対する異常性の有効範囲であると確認されています。上記の過程で消費したSCP-1172-JP-1は、消費から24時間以内に未知の原理で消費前の個数へ補充される事が判明しています。この補充プロセスは未だ不明です。

補遺1: SCP-1172-JPの実験は厳重な監視の下、全て屋外で実施された。

実験記録 1172-JP-1

実験対象: D-11674

実施方法:SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。落花生に対するアレルギーテストはクラス0。

結果: 被験者は摂取後くしゃみを数回発生、その都度ピーナッツの破片を吐き出した。前面に実験用のコンクリート壁を用意していたが、ピーナッツ片はコンクリート壁に数十個前後の破砕痕を残した。ピーナッツの殻は、くしゃみの回数分被験者の両耳から排出された。

実験記録 1172-JP-2

実験対象: D-11674

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させ、くしゃみを手で抑えさせる。

結果: 被験者は摂取後くしゃみを発生。吐き出されたピーナッツ片は口を抑えていた手を貫通、被験者は悲鳴と同時にくしゃみを継続し更に幾つかの破片が身体を貫通した。その後被験者は痛みの為意識を失い、治療に回された。

実験記録 1172-JP-5

実験対象: D-11483

実施方法: SCP-1172-JP-1を3個摂取させる。落花生に対するアレルギーテストはクラス0。

結果: 被験者は摂取後、実験記録1172-JP-1と同様にくしゃみを発生。しかし以前よりも長時間発生させていた。その間D-11483の顔面が徐々に赤熱し、顔面の体温は約500℃前後にまで達していたにも関わらず、被験者への被害は鼻腔と口腔内の軽度の火傷に止まった。

実験記録 1172-JP-8

実験対象: D-16410

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。落花生に対するアレルギーテストはクラス1。

結果: 被験者は摂取後即くしゃみの動作に入った。しかしくしゃみの直前で中断する行動を数回繰り返した後、被験者は左耳への激痛を訴え始め左耳から血を流し意識を失った。被験者の左耳内からは大量のピーナッツの殻とピーナッツが摘出された。

備考:「弾詰まり」を起こしたと考える。

実験記録 1172-JP-10

実験対象: D-18400

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。落花生に対するアレルギーテストはクラス2。

結果: 被験者は摂取直後、アナフィラキシーショック症状を引き起こした。被験者は今日まで落花生に対してのアレルギー症状を一切発症していなかった。

備考: その後のアレルギーテストクラスが2以上の実験ケースにおいて、全て同じ結果となった。以後、収容プロトコルに実験時の注意事項を明記する。

実験記録 1172-JP-27

実験対象: D-19433

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。落花生に対するアレルギーテストはクラス1。

結果: 被験者は摂取直後、実験記録1172-JP-8と同様の状態を引き起こしかけた。その後大音量のくしゃみを1回実施、通常より広範囲に渡りピーナッツ片を飛散させた。ピーナッツ片の飛距離はおよそ80mにまで達し、実験に対する想定安全域に設置していた幾つかの機器を損傷、数人の研究員及び警備員がピーナッツ片により負傷した。

実験記録 1172-JP-32

実験対象: 非異常性のハト

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。人間以外に対する異常性の確認。

結果: 摂取と同時にその場から動かなくなり頭を上に向けた。咳のような動作と同時に1個のピーナッツの塊が口から発射され10m程上空を飛翔、山なりに地表へ衝突した。衝突時、小規模の爆発と共に非異常性のピーナッツの破片が飛散した。ハトはその後ピーナッツへの嫌悪感を示した。

実験記録 1172-JP-42

実験対象: 非異常性のブタ

実施方法: SCP-1172-JP-1を1個摂取させる。人間以外に対する異常性の確認。

結果: 本来1個のみを摂取させる予定だったが、Dクラスへの指示伝達不足により十数個を1度に摂取させた。ブタはその場で数秒の痙攣を引き起こした後、口を体高と同程度まで広げ巨大なピーナッツの塊を発射した1。ピーナッツはおよそ30m程低空を飛翔して地表へ着弾し、中規模の爆発と大量のピーナッツの破片を発生させた。摂取させたDクラスはブタの後部へ避難していたが、発射時臀部からの熱風と衝撃により吹き飛ばされ全身への打撲と火傷を被った。ブタの存在した地点には発射時の姿勢を維持し、内部がピーナッツの殻で満たされたブタの皮膚が残されていた。

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