SCP-1194
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アイテム番号: SCP-1194

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 使用していない時のSCP-1194-1は研究セクター-12の安全な保管ロッカーに収容します。SCP-1194の不活性化はアクティブなSCP-1194-2-T被験者、もしくはより簡便な場合SCP-1194-2個体を終了することによって行われます。

実験チャンバー13-A(標準的なヒト型生物収容ユニット)と13-B(馬小屋に改装済)は、SCP-1194に関わる実験目的で維持されます。標準的な実験手順の詳細は文書1194-Cを参照してください。

説明: SCP-1194は、SCP-1194-1とSCP-1194-2という2種類の構成要素から成ります。

SCP-1194-1は、引っ張り紐(活性化していない時も約6cmが露出しており、実際の長さは約11cm)が付随するスピーカーとプラスチックケースで構成されている小型装置(約3cm×1cm×4cm)です。しかしながらスピーカーの分析結果は、他のメカニズムが機能しているにも拘らず、ある時点から作動しなくなっていることを示します。伸ばされた紐は、引き出された長さに比例する速度で徐々に元の長さまで後退します。追加3cmが露出するまで女性が紐を引くと、SCP-1194は活性化し、1頭のSCP-1194-2個体を出現させます1。部分的にしか紐が引き出されなかった場合、または男性による紐の引き出しはこの効果を齎しません。

SCP-1194-2は、生理学および形態学においてEquus ferus caballus(ウマ)の成獣とほぼ一致する、平均体高139cmの生命体です。SCP-1194が活性化すると、SCP-1194-2は最も近くにある適切かつ平坦な面2に出現します — これは機器の30m以内に該当する空間が存在することが前提となります。条件が満たされない場合、活性化は起こりません。SCP-1194-2個体は大きさや品種が様々で、雄雌両方の性別が確認されており、多様な生物学的変則性を帯びている点で特筆に値します — 例として、哺乳類には通常見られないベータシアニンやパラローズアニリンなどの色素が表皮に存在しているため、典型的には淡い紫またはピンクの色合いを帯びています。個体はこれらの化学物質を合成・生成せず、時間の経過とともにこの色合いは薄れていきます。

SCP-1194-2個体または関連するSCP-1194-2-T被験者の死亡、もしくは活性化中にSCP-1194-1の紐を引き直す行為は、現在のSCP-1194-2個体が消失する結果を招きます。後者の場合、場所的条件が満たされてさえいれば新しい個体が出現します。消失に際して、その個体が占めていた体積は、組成・密度が標準的な対流圏の空気と一致する気体に置き換えられます。

以下はSCP-1194-1と共に、破れた状態で回収された文書のコピーです(下記参照)。文書の一部は判読が不可能になっています。その後の調査で当該オブジェクトと要注意団体“ワンダーテインメント博士”の関連性に係る情報は得られていません。

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[…]ニー!TMはワンダーテインメント博士の知的財産です。ワンダーテインメント博士は、分解その他の損傷を被ったワンダーテインメント博士のワンダー・ポニー!TMの誤用によって生じる肉体的・精神的・感情的被害に関しての責任を負いかねます。ワンダーテインメント博士は、ワンダーテインメント博士によって創造された生命の破壊や、その生命によって創造後に引き起こされた被害の責任を負いません。詳しくは現在ワンダーテインメント博士と提携している広報部門までお問い合わせください。

SCP-1194-2個体は外見的に推定される年齢のウマとして正常な振舞いを見せます(通常は4~5歳。例外は本稿執筆現在までに3件が知られています。SCP-1194-2-5、-9、-13についての文書を参照。これら3個体は全て他個体の平均年齢を有意に下回っています)。しかしながら、幾つかの特筆すべき解剖学的・生理学的相違点が存在します。

  • 第一に、個体は事実上、声を出すことが不可能です。関連する組織や口器はいずれも予防的に機能していないようであり、直接的な原因は明らかになっていません。苦痛を引き起こすような環境に個体を配置する実験は、通常のウマの場合は成功したにも拘らず、個体から発声による反応を一切引き出すことができませんでした。
  • 個体は普通に食物を摂取・消化するにも拘らず、糞や尿を排泄しません。しかし、個体は十分な栄養を与えられていれば比較的一定の質量を保ち、食物を与えなければ質量を失います。これがどのように調節されているかは現在不明です。
  • 関連するSCP-1194-2-T被験者との接触が長期間にわたって行われない場合、例外なくSCP-1194-2個体は幾つかの重度の病変を示し始めます。通常これは身体接触が4日間無かった後に顕著なものとなり、7~8日後には実質的に行動への影響を及ぼします。症状は全ての事例において同じ進行段階を辿ります — 最初に心拍数が一定の割合で減少し、続いて長期間にわたる栄養素欠落の症状が示され、個体は病気または飢餓状態のウマと一致する振舞いを見せます。そして14日目に死亡します — 死亡時にSCP-1194-2が消失するため、正確な死因は分かりません。
  • 個体の表皮に存在する特異な色素は、定期的に(3~12ヶ月に1回)緑色のカドミウム染料に置換され、体内に吸収されて数日間続く急性中毒を引き起こします。このプロセスは段階的であり、元々の着色度の減少で特徴付けられます — 即ち、以前の着色濃度が低下してカドミウムのそれが増加します。通常、完全な置換には2~3日かかります。これは滅多に致命的な結果を招きませんが、典型的に毒素への暴露に伴う症状が、カドミウム染料の濃度が上昇しなくなるまで表出し続けます。SCP-1194-2-Tとの継続的な接触は症状の重症度を和らげるようであり、染料は最初に現れてから1週間が経過すると数分かけて消失します。これに際して、除去されていた本来の色素が、しばしば個体の出現当時と同じ濃度で戻ってきます。この現象の全事例において、個体は適切な処置を施せば完全に快復します。

SCP-1194-1は元々、イギリスの███████にある家から、████████ ██████という人物の自殺に関する地元警察ファイルの自動検索に続いて回収されました。おそらく高所からの落下によって破損したと見られる、品種の判別が不可能なウマを象ったセラミックおよびプラスチックのケースの残骸が当該オブジェクトの1m以内から見つかりました。問題のケースの中身は引っ張り紐式のスピーカーを内蔵するように設計された玩具との類似性を示していました。ケースの約20%は発見されず、標準的な回収後プロトコルが後日完了しました。

補遺(内視鏡検査報告書1194-█~█に関連): 広範な分析により、SCP-1194-2標本の声帯に一貫性のある構造異常が示されました。 研究は進行中です。

  • 更新 20██-██-██: SCP-1194-2-█6、-█7、-█8の生体解剖の結果、これらの個体の発声器は — SCP-1194-2-█6と-█8はどちらも雄であったにも拘らず — 思春期の人間女性のそれと著しい類似を帯びていることが判明しました。これがSCP-1194によって生成される生命体の全てに共通するか否かは不明です。徹底的な試験が現在計画されています。
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