SCP-1198-JP
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SCP-1198-JP

アイテム番号: SCP-1198-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: ビニール袋に詰めた上で、サイト-81██の標準収容ロッカーにて保管してください。実験など特段の理由がない限り、取り扱いの際にはゴム手袋の着用を義務とします。

説明: SCP-1198-JPは、綿100 %、約25×25 cmのハンドタオルです。黄色い染みや毛羽立ちなど経年劣化が認められます。組成は一般的なタオルと同じであり、異常は確認できませんでした。

SCP-1198-JPは、これが乾燥状態にあっても、皮膚に直接触れた者に『生乾きの状態である』と誤った認識をさせる認識災害をもたらします。また、この認識災害を被った者は、以後、乾燥状態にある他のタオルに触れた際にも『生乾きの状態である』と認識します1。長期観察の結果、この影響は永続的なものであり、記憶処理を施しても影響を取り除くことが出来ないことがわかりました。
 
インタビュー記録1198-1 - 日付20██/█/██

インタビュアー: ██研究員
インタビュー対象: D-1198-JP
 
(インタビューは当初予定されていたものではなかった。SCP-1198-JPへの暴露および影響範囲を調べる実験の終了直後、被験者であったD-1198-JPからの疑問に答える形で突発的に始まった)
 
██研究員: ……はい。では、これで本日の実験を終了します。
 
D-1198-JP: 今日の実験は、何が目的だったんだい?
 
██研究員: あなたが知る必要はありません。
 
D-1198-JP: 君らはいつもそれだな。まあ、どうやら危険な実験ではなかったようだ。君も退屈そうだったしね。
 
██研究員: (溜息)事前の予想通りの結果ばかりだったんでね。
 
D-1198-JP: どう予想していたんだい?
 
██研究員: どうって……つまり、君は乾燥したタオルに触れても、生乾きだと感じるだろうということさ。
 
D-1198-JP: 乾燥したタオル? 今日のタオルは、どれも少し濡れていたじゃないか。これも、これも、これも。
 
(テーブルに並べられたままになっていた、実験で使用した乾燥状態のハンドタオル・バスタオル・ペーパータオルを順番に、D-1198-JPは躊躇なく口に含む)
 
D-1198-JP: ほら、吸えばまだ水が飲める。
 
██研究員: ……なるほど。そういう認識までもたらすのか。ありがとう、新しい知見が得られたよ。

補遺: SCP-1198-JPは、神奈川県横浜市██区████████にある██倉庫にて、重度の脱水症にて死亡していた男性、██ ██氏の口中に一部が含まれている状態で発見されました。██氏の所持品であったとみられます。

██氏は誘拐事件の被害者であり██倉庫に監禁されていました。警察によって発見された際には、すでに上記の状態で死亡していました。検死の結果、監禁中は水・食料を一切与えられていなかったとみられます。

現場の状況などからみて、渇きに苦しんだ██氏は、自らが排泄した尿を、所持していたハンドタオルに含ませ、それを口中に含むことで対処していたと考えられます。

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