SCP-1212-JP
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SCP-1212-JP

観測機によって撮影されたSCP-1212-JP

アイテム番号: SCP-1212-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-1212-JPはSCP-1212-JP目視可能区域内に設置されているカメラやカント計数機を使用した4台の観測機によって、常に監視された状態で収容されています。性質上夜間の観測は必要ありません。
SCP-1212-JP-1群は現在収容状態が確立されていません。性質上監視に留めるとの案もありますが、オブジェクト確保の方針も含め議論が進められています。 現在SCP-1212-JP-1はその出現が確認されていません。

説明: SCP-1212-JPは、██県██町███村付近の山中の高度約2000m付近に発生する現象です。地上からは十字型を形成する雲の様に視認することが可能です。十字の中心から周囲約3000mまでの範囲はSCP-1212-JP目視可能区域とされ、目視可能区域を外れるとSCP-1212-JPを視認することが出来ず、撮影機器のレンズなどでも捉えることが出来なくなります。日出から日没までの間に発生しているとみられ、夜間はどのような手段を使用してもSCP-1212-JPの姿を捉えることは出来ません。SCP-1212-JP目視可能区域は地形上、乱気流の発生地点の一部とされており、調査用の飛翔体を飛ばす実験も失敗に終わりました。航空機の誤った侵入を防ぐため全航空関係諸施設は、財団の働きかけによりSCP-1212-JP目視可能区域内を含めた乱気流発生空域を危険空域に指定しています1。SCP-1212-JP目視可能区域内は、ヒューム値が1.3~1.9Hmの間2で推移していることが確認されています。

SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JP発生時に中心部から出現する鳥型の実体です。体長はおよそ10~20cm程です。羽毛の色は俗に「虹色」と形容でき、赤や緑、青といったように観測者によって見え方が様々です。生物学的には現在確認されているどの鳥類にも一致しません。SCP-1212-JP-1群はSCP-1212-JPから最も近辺にある███村に訪れ、村人と交流する姿が確認できます。なぜSCP-1212-JP-1が███村を訪れるかは不明のままです。SCP-1212-JP-1はSCP-1212-JPが目視出来なくなる日没までにSCP-1212-JP中心部へ飛行し、消滅します。インシデント-1212-JPを受けて、SCP-1212-JP-1は自爆性質を持っていることが判明しました。またインシデント以降、SCP-1212-JP-1の出現は確認されていません。

SCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1は蒐集院によってその存在が知られていました。財団日本支部は発足後、蒐集院により編纂されていたオブジェクトに関する資料を元にSCP-1212-JPの収容を開始しました。資料に関しては補遺1を参照してください。

補遺1: 財団は蒐集院に存在したSCP-1212-JP及びSCP-1212-JP-1に関する資料を回収し、収容の一助としました。以下、その内から幾つかを抜粋しています。

███の山の奥、空に白い印在り。雲の様に見ゆ。之れ地の者3は"さちの扉"と呼ぶ。幸の扉、闇夜は消ゆ。扉は雲の上にある故、雨降りし時も扉は開きたり。

幸の扉より出でるは"幸鳥さちどり"也。其の色、虹の如し。

"幸の扉"はSCP-1212-JPの事を指すと思われ、"幸鳥"はSCP-1212-JP-1群を指すと思われます。

地の者、幸鳥と共に暮らしたり。幸鳥、人に懐き、人に幸を運ぶ者也。鳥ら、陽と共に扉より出で、陽と共に扉へ帰る。風を被らず飛ぶ。

我ら、幸鳥決して捕らえるべからず。地の者の長、幸鳥を捕らえるは不幸を捕らえる事と言いたり。

SCP-1212-JP-1の性質と、SCP-1212-JP-1を捕獲することを固く禁じていることが分かります。

幸の扉を見守るべし。山中、邪気あらん。

蒐集院では現実性のゆらぎを「邪気」や「悪しき風」などと表現することがあります。

以上が判読可能な資料で有用な物です。これらの資料文、また蒐集院元構成員の僅かな証言などから現在の収容体制をとっています。

補遺2: 以下は19██/█/██に行われた、SCP-1212-JP-1についての村人へのインタビューログです。

対象: ███村自治会長 ██ ███氏(インタビュー中では██氏と表記)

インタビュアー: ██研究員

付記: 方言による地域の特定を防ぐため、音声記録を標準語に置き換え、文章に書き起こしたものを掲載している。

<録音開始>

██研究員: では改めまして、幸鳥について、知っていることをお聞かせください。

██氏: そうですね…。幸鳥は私たちの友達だったり、家族だったり…。祖父が子供の時よりもずっと前に、いつも扉からやって来て、私たちと過ごしていました。

██研究員: 扉というのは、空にある…。

██氏: はい、あの山の中の(SCP-1212-JPのある方角を指差す)。あの山の向こうの扉から幸鳥がやってくると、よく親から聞かされていました。

██研究員: なるほど、幸鳥はどういう風に村人達の生活に関わっているのですか?

██氏: 朝起きて飯を食べていたら、庭の塀に止まっていることがあって、その姿を見て「今日も1日頑張るか」という気持ちになったりします。散歩をしながら、飛び回ってじゃれる綺麗な幸鳥を眺めて幸せになれます。子供たちも幸鳥と遊びます。彼らは遊び好きなんです。最も、村の外には出たがらないんですがね。

██研究員: なぜ幸鳥はこの村を訪れるかご存知ですか?

██氏: いえ、良くわかりません。よく言われているのは人と触れ合いたいからだ、という理由です。山の奥にいてはつまらないでしょうし。

██研究員: …なるほど。人に害を与えたという話は聞いたことはありませんか?

██氏: …ありませんね。子供たちは小さい時から「幸鳥は捕まえてはいけない」とよく言い聞かされます。こんな田舎な村ですから、人と人の関係が狭く深いもので。子供の頃、幸鳥と遊んでたら良く言われました。「幸鳥にイタズラするんじゃないよ」と。

██研究員: 分かりました。ご協力ありがとうございました。

<録音終了>

終了報告: 他にも村民に短いインタビューを行いましたが、SCP-1212-JP-1が住民に害を与えたという事実はないようです。ここまで生活に溶け込んだオブジェクトを隔離することは難しいと思われます。-██研究員

補遺3: 当時の財団日本支部では、蒐集院から引き継いだ収容体制を疑問視する声が挙がり、SCP-1212-JP目視可能区域の立入禁止柵の設置や、オブジェクトの性質解明のためのSCP-1212-JP-1確保作戦が立案されました。しかし、オブジェクトが住人に広く認知されていること、蒐集院の資料にSCP-1212-JP-1の確保を禁ずる旨の記述がされていることもあり、反対意見も多く挙がりました。議論の結果、万一の事故を想定した住民の一時避難の徹底、住宅密集地外での確保、全個体ではなく少数のSCP-1212-JP-1個体を確保することなどの条件付きで、SCP-1212-JP-1の確保作戦は1212-β会議で承認されました。

19██年██月██日、███村近辺に滞在していた財団部隊は、SCP-1212-JP-1の確保作戦を決行しました。███村村民には、カバーストーリー「不発弾」を適用し、一時的な立ち退きを要請しました。万一の事態に備え、財団部隊は集落から離れた山中で3体のSCP-1212-JP-1を一時的に確保しましたが、確保した直後、村内にいた未確保のSCP-1212-JP-1個体を含めた全てのSCP-1212-JP-1が突如爆発を起こし消滅しました4。この爆発で███村の家屋██棟が損壊(内4棟は全焼)した他、財団車両3台が損傷(内2台は全焼)し、財団部隊█人が死亡、██人が重軽傷を負いました。事後処理内で村民には記憶処理が施されました。このインシデント以降、SCP-1212-JP目視可能区域のヒューム値は平均2.9Hmから平均1.6Hmにまで減少し、SCP-1212-JP-1は現在に至るまで出現していません。これを受けて、SCP-1212-JPのオブジェクトクラスの再割り当てが提案され、19██年█月██日付でSCP-1212-JPはSafeへと再分類されました。このインシデントは財団日本支部発足後では初めての大規模な収容失敗事案となりました。

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