SCP-123-JP
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SCP-123-JPの側面に貼られていた注意書き

アイテム番号: SCP-123-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-123-JPのユニット一式を二階建てのプレハブに敷設し、カバーをかけた状態でセクター-8192の大型倉庫に保管して下さい。プレハブ上階への出入りには梯子が利用されます。実験時を除いてSCP-123-JPに電源を投入することは許可されません。

説明: SCP-123-JPは████社製のエスカレーターユニットです。施工時の書類によると製品番号は[編集済]、製造年は1987年とされています。同型製品との外見的、構造的な差異は見受けられません。SCP-123-JPの操作盤には通常のエスカレーターと同様に昇降の切り替えを行うスイッチが存在しますが、SCP-123-JPは「上昇」にスイッチが入った状態でのみ稼働することが確認されています。

SCP-123-JPの特異性は、オブジェクトの稼働中にその踏台部を何者かが走って昇降した際に発揮されます。1稼働中のSCP-123-JPに被験者が進入し上昇方向へ駆け上がると、出口となる地点で被験者の姿が消失し、即座に別の地点へと現れます。出現地点の正確な選定基準は不明ですが、実験の結果からおおよそ以下のような条件ではないかと考えられています。

  • SCP-123-JPを中心とした半径およそ500mの空間内であること
  • 階段か、段差の形を備えた地形であること
  • 上記条件に当てはまる地点のうち、被験者の生命が脅かされる可能性のある場所

複数の地点が条件に該当する場合、いずれかの地点が無作為に選択されると考えられています。セクター-8192内の実験においては屋上の段差部、SCP-███-JPの上部投入口、廃棄物焼却炉の投入口、また単に十分な高さを持つ階段の最上段などが複数回選択されました。被験者は再出現後も慣性を保持しており、即座にその場に留まることは非常に困難です。多くの被験者はそのまま危険域へ踏み出し、負傷ないし死亡という結果に至ります。

稼働中のSCP-123-JPの上部から被験者を進入させて逆走させた場合、上記と同様に出口となる地点で被験者は消失しますが、被験者の再出現が確認されません。現時点で消失した被験者が後から再出現したという報告はありません。再出現の可能性を示唆する事例に関しては追記1及び2を参照してください。発信機や通信機器を被験者に持たせた場合、消失現象と同時にその機能が失われることが確認されています。

発見当時、SCP-123-JPは東京都██区内の複合商業施設██████に上昇用エスカレーターとして敷設されていました。1991年5月、同施設において屋上からの飛び降り事件が発生しました。この事件にまつわる聴取において「エスカレーター付近にいた人物が突然消失した」旨の目撃談が確認されたため、調査は直ちに財団へと引き継がれました。実地調査によって施設内のエスカレーター1基に異常な性質が確認されたため、該当するエスカレーターは即座に交換され、取り外されたユニット一式はSCP-123-JPとして収容されました。異常現象の目撃者には軽度の記憶処理が施されました。

追記1: 2010年に商業施設██████の建て替えのため解体工事が行われた際、地中から細かく破断された人間の骨片が発見されました。DNA検査により、この骨片は4人分のものであることが判明しています。全ての骨片の表面には一定間隔の溝が刻まれており、その幅はSCP-123-JPの踏板部の溝を凹凸反転したものと一致しました。回収前のSCP-123-JPがなんらかの効果を発揮していた可能性を踏まえ、引き続き調査が行われています。

追記2: 追記1の結果を受け、セクター-8192の最下部から地中へ向けた簡易調査が行われました。超音波による高精細探知の結果、地下およそ3m~6mの位置に規則的な溝らしきものが刻まれた固形物の存在が複数確認されました。これまで確認された固形物はおよそ4m四方の範囲内に分布しており、その位置はSCP-123-JPが安置されている倉庫の直下とおおむね一致しています。セクターの床の一部を破壊して試料を手に入れる計画が申請されましたが、施設の保安上の理由から現時点で認可は見合わせとなっています。

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