SCP-1233-JP
評価: +65+x

警告

現在あなたが利用中の閲覧者IDはゲネシス・プログラムの対象者リストに含まれていません。セキュリティクリアランスとゲネシス・プログラムの対象者リストを再確認してください。

アイテム番号: SCP-1233-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-1233-JPを対象として3台のバックアップ構成を持つメトカーフ非実体反射力場発生装置を設置し、収容担当者は常に状態をモニターしてください。SCP-1233-JPが僅かでも移動した場合、緊急事態レベル4が発令されます。SCP-1233-JPの収容サイト-81██に至る道路はすべて封鎖し、周囲を二重の電流柵で囲み民間人の侵入を防止してください。収容サイト-81██には6名以上の警備員を常駐させます。侵入者が発生した場合は警備員および機動部隊による制圧が行われます。拘束した侵入者はサイト管理者の判断により保護または終了または記憶処理の後に解放してください。SCP-1233-JPの存在は現職の収容担当者以外には秘匿します。収容サイト-81██はサイト-81██に偽装され、担当以外の職員には「比較的安全なオブジェクトの収容が行われている」というカバーストーリーを適用します。SCP-1233-JPの担当職員が解任される場合、SCP-1233-JPに関する全記憶が抹消されます。SCP-1233-JPの担当職員はゲネシス・プログラムの対象者となることが予定されており、プログラムへの反映は日本支部理事の指示により適時行われます。

説明: SCP-1233-JPは滋賀県██村の地下4271mの地点に埋没している半現実実体です。直径約2113m、平均厚さ70mの円盤状の構造物であり、素材は複数種類の金属による合金です。この合金は地球の地殻付近には存在しない元素を多く含んでいます。その組成と規模、作成年代、用いられている科学技術の高さから、人類以外の知性体による被造物であると推測されています。SCP-1233-JPは事案1233-JP-A以降、3重にバックアップされたメトカーフ非実体反射力場発生装置による拘束状態に置かれています。拘束の解除は後述の特別退避プロトコル"ノア"以外のあらゆるケースにおいて禁止されています。

SCP-1233-JPは19██年に蒐集院の残党により引き起こされた事件"青い陽炎"により発見されました。本事件は700名余りの死者を出す事態に発展しましたが、民間には公表されていません。事件の詳細は別添の資料を参照してください。事件"青い陽炎"により村民の大部分は死亡。生存者は財団により保護され、現在も全員が財団による保護下にあります。生存者の解放は予定されていません。██村は公式には火山性有毒ガスの発生というカバーストーリーのもとで19██年に廃村となり、跡地には収容サイト-81██が建設されました。

SCP-1233-JPは現在まで経年劣化の兆候を示していません。これはSCP-1233-JPが半現実存在であり物理的影響の大部分を軽減しているためであると考えられています。またSCP-1233-JPは半ば活性化した状態にあり、メトカーフ非実体反射力場発生装置による拘束がない場合、緩やかに加速しながら地表へ向けて上昇します。上昇とともに SCP-1233-JPの現実度は高まる傾向にあり、深度2339mで完全に実体化するという試算結果が示されています。

SCP-1233-JPの拘束が解除され地下2kmの地点で実体化した場合、SCP-1233-JPは強烈なエネルギー放出により滋賀県と周辺各県を含む半径80kmの近くを確保したまま瞬間的に第二宇宙速度まで加速します。SCP-1233-JPに確保された地殻への加速の衝撃は、SCP-1233-JPの機能により大幅に軽減されます。しかし地球はこの衝撃により、以下に示すような甚大なダメージを負うことが予測されています。

  • 琵琶湖を震源とした、震度7の基準値を大幅に超える広域大地震の発生。
  • 地軸の変動にともなう気候の大変動。
  • 地球の公転軌道からの離脱。太陽への落下の可能性を含む。

大気圏を抜け地球の重力から解放されたSCP-1233-JPは、グリーゼ667Ccへ向けて移動を開始します。この移動には少なくとも████年を要すると試算されています。SCP-1233-JPには若干の環境調整機能が搭載されていますが、地上部分の状態管理の大部分は搭乗者の自己管理に任されています。人類は直径80kmの大地で移動が完了するまで文明を存続させる必要があり、超長期間の人民管理方法については現在も検討が行われています。

なお上記の情報の根拠となる資料の閲覧にはレベル5セキュリティクリアランスまたはレベル4/ゲネシス-1233-JP権限が必要です。

特別退避プロトコル"ノア": 特別退避プロトコル"ノア"はSCP-1233-JPを用いた地球脱出の手順を定めた規格です。緊急事態レベル5発令時かつ3名以上のO5による命令を受けた場合、特別退避プロトコル"ノア"が開始されます。プロトコルの詳細は別紙を参照してください。次に概略を示します。

  1. ゲネシス・プログラムに従い、特殊指定エリアの人員移動を実施。
  2. SCP-1233-JPの拘束を解放。
  3. SCP-1233-JPおよび特殊指定エリアの射出を待機。
  4. ゲネシス・プログラムの対象者はグリーゼ667Ccへ移住し人類文明の再構築を行う。

特殊指定エリアとは、SCP-1233-JPにより射出される琵琶湖を中心とした直径80kmの地域を指します。特殊指定エリアはプロトコル"ノア"開始以降超長期間の隔離状態となるため、エリア内には完結型供給システムを構築する必要があります。エリア内を居住可能な状態に維持するためには人口に制限をかける必要があるため、退避人数および退避対象者はゲネシス・プログラムにより厳密に制限されます。

ゲネシス・プログラム: ゲネシス・プログラムはプロトコル"ノア"発令時に特殊指定エリアへの立ち入りが許可される人物を選定する一連の手順の総称です。ゲネシス・プログラムによる選考基準と現時点での対象者リストを次に示します。ただし閲覧にはレベル5セキュリティクリアランスまたはレベル4/ゲネシス-1233-JP権限が必要です。

閲覧制限: レベル4/ゲネシス-1233-JP権限が必要です。

SCP-1233-JPに貼り付けられていた手記: SCP-1233-JP発見時、密封された容器に封入された状態で次の手記が発見されました。容器および紙の年代測定の結果、およそ███年前に製造されたものであると判明しています。しかし容器および紙の製法が発明されたのは製造年代よりも数百年の後であり、詳細分析が進められています。

本手記にはSCP-1233-JPの起動後の動作内容、操作方法、民衆の管理手順、植民の注意点が仔細に記載されており、一部に未来の情報を含んでいます。併せてSCP-1233-JPの起動方法も記載されていますが、SCP-1233-JPは事案-1233-JP-Aの結果としてすでに起動済みであるため、現在のタイムラインとは別のタイムラインで記載されたものと推測されています。あらゆるシミュレーション結果(SCP-███-JPを利用した結果を含む)は手記の内容に一定の信頼性があることを示しており、プロトコル"ノア"はこの手記の内容を参考に構成されています。手記の全文の閲覧にはレベル5セキュリティクリアランスまたはレベル4/ゲネシス-1233-JP権限が必要です。

親愛なる財団諸君

ようやくここへたどり着いてくれたようだね。まずは、おめでとう。そして、ありがとう。本当は直接会って話をしたいのだが、何度やってもうまくいかなくてね。仕方なくこうして回りくどい方法を取らせてもらった。この方法に辿り着くまでの旅は、本当に、本当に長かったよ。

もうこの船について、少しは調べてみたかな? 君たちも察している通り、これは宇宙船だ。琵琶湖を水源とする半径80kmの地表を丸ごと積み込んで宇宙へ飛び立つ、巨大な宇宙ステーションだ。巨大とは言っても、地球全体からしたらクズみたいなものだが、それでも、君たちにとっては最後の希望となるものだろう。

この宇宙ステーションについていくつか説明をさせてもらう。無論、優秀な君たちは私の言葉を鵜呑みにしたりはしないだろう。疑問があれば存分に調べてくれ。あらゆる調査結果は私の言葉が真実だということを示すだろう。この船を誰が作ったのかは人知及ばぬところだが、どうすれば動くのか、どう暮らすべきなのか、私は幾度も見てきた。それを、君のために記す。

閲覧制限: レベル4/ゲネシス-1233-JP権限が必要です。

私の旅はまだ続くが、これで、一つ肩の荷が下りた。私はいくつもの世界の君たちを見てきたが、どの世界でも、君たちはこれを発見できなかった。因果律の意思か、何者かの悪意か、運命はこれを避けるようにプログラムされていた。私はそれを少しずつ少しずつ欺いた。私は、君たちが自らここに辿り着けるように、不本意ながら日本中に異常の種をばら蒔いた。そして、君たちがそのか細い糸を紡ぎ、ここに至る時を待った。異常生物研究組織、異常工学研究企業、異常不動産会社、異常化粧品会社、異常観光ガイド、不死兵団、デリンジャー、etc、etc…なぜ日本国内にひしめき合うようにしてこんなにも多くの異常組織があったのか、疑問に思わなかったか? なぜこんな極東の小さな島国に、財団というワールドワイドな組織がわざわざ"支部"を置く必要があったのか? "日本支部理事"は本当に存在するのか? カモノハシの真なる存在理由とは何か? 君たちはそうした疑問を見事に見逃し、ここへ辿り着いた。私と、私たちと、私の友は、いつでも君たちのすぐそばにいた。そして今、皆が手を取り合って、人類の未来を切り開いたんだ。おめでとう。

念のために言っておくと、この宇宙ステーションに乗れるのはせいぜい数十万人程度だろう。しかし放っておいたら全てが滅びる人類を一部でも救うのだから、その礎として80億人余を凍え死にさせることに、君たちが罪の意識を感じる必要はない。やったのは私であり、私たちだ。そう思ってくれていい。長野の大ウツロが(時間に囚われた君たちに説明しても理解できないだろうが)過去を喰らい尽くす前に、人類を、宇宙を救ってくれ。

さあ、あとは引き金を引くだけだ。

頼むよ。

犀賀

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。