SCP-1235-JP
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アイテム番号: SCP-1235-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1235-JPのIPアドレスは財団の働きかけにより全ての公共プロバイダからブロックされます。財団のwebクローラーがSCP-1235-JPへのリンクを発見した場合、サービスを終了したとの旨を伝える偽装ページへのリンクに置き換えます。偽装ページにアクセスした人物は速やかに特定してインタビューを行ってください。SCP-1235-JP-1は必要に応じて財団の管轄下にある病院に移送します。所持品が2つ以上あるSCP-1235-JP-1が発見された場合、プロトコル"死神"が実行されます。現在、プロトコル"死神"実行時以外でのSCP-1235-JPの利用は禁止されています。

説明: SCP-1235-JPはオンライン上にてフリーマーケットを行うwebサイトです。トップページには「生き方を自由に選べるように、死に方も自由に選んでみませんか?」と表示されています。サイトを運営していた個人または組織の特定はできていません。

利用者はユーザーネームとパスワード、使用言語を設定することでアカウント登録が可能です。複数のアカウントを持つ試みは失敗しました。登録を行った時点で利用者はSCP-1235-JP-1に変化します。この時、SCP-1235-JP-1個人のみが閲覧できる、いわゆるマイページの「所持品一覧」には死因が1つ表示されています。所持品一覧に表示されている死因以外でSCP-1235-JP-1が死亡することはありません。SCP-1235-JPでは通常のフリーマーケットと同様に、死因を商品として出品及び購入が可能です。商品の値段は死因によって決まっており、一般的に苦しみが少ないものほど高価な値段が付くと考えられています。出品した時点で所持品一覧から出品した死因が消滅します。商品を購入した場合、所持品一覧に購入した死因が追加されます。金銭の取引は口座間で自動的に行われます。また、マイページには「お知らせ機能」の説明が存在します。説明によると、所持品が複数あるSCP-1235-JP-1が所持している死因で死亡する直前、その死因を消費するかどうかの質問がSCP-1235-JP-1にのみ聞こえる声によって行われます。この質問に答えるまでSCP-1235-JP-1の体感時間は無限に延長され、肯定した場合そのまま死亡し否定した場合は死亡しないとされています。少なくとも死亡しなかったSCP-1235-JP-1は質問に否定していることが実験とインタビューによって確認されています。

SCP-1235-JPは██研究員によって偶然発見されました。この時██研究員はSCP-1235-JP-1になっており、自身の死因を出品してそれが購入されていました。██研究員はEクラス職員としていくつかの実験に参加した後、SCP-1235-JPを使用して[編集済み]。記憶処理が施され通常の業務に戻りました。

補遺1: 20██/██/██、偽装サイトにアクセスした██氏にインタビューが行われました。██氏は既にSCP-1235-JP-1に変化しており、当時入院していた病院から財団管轄下の病院に移送されました。以下がインタビュー記録です。

対象: ██氏

インタビュアー: ███博士

<記録開始>

███博士: こんにちは、今日はよろしくお願いします。

██氏: よろしくお願いします。

███博士: 早速ですが、あなたが初めてあのwebサイトを利用した時のことを教えてください。

██氏: はい。30年くらい前、ネットサーフィンなんて言葉が聞かれ始めたころです。自分もそれをやっていて偶然見つけました。手の込んだいたずらだと思いましたが、個人情報がいらなかったので興味本位で登録してみたんです。

███博士: 表示されていた死因は何でしたか?

██氏: …圧死です。あの時売らなければ…!

███博士: 落ち着いてください。

██氏: ああ…すみません…。えっと、続きを話します。圧死はすぐに売れて、口座には[編集済み]円が振り込まれていました。この時は死を売ったなんてまだ信じていなくて、新手の詐欺か何かだと思ってお金には手を付けませんでした。

███博士: では、信じるようになったきっかけは何ですか?

██氏: それは…。

[██氏は自身の身体に目を向ける]

███博士: すみません、無神経な質問でした。

██氏: …いえ、大丈夫です。10年くらい前、私は交通事故を起こしました。車同士の正面衝突…。助手席に座っていた妻と相手の運転手は即死だったそうです…。圧死だったと…。私だけが…私だけが生き残った。左腕と右脚を失って、内臓がいくつかつぶれても死ななかった…。医者や周りの人に奇跡的な生還だと言われて気づいたんです、あの時圧死を売ったから自分は死ななかったのだと。

███博士: それであなたは再びアクセスするようになったのですね。

██氏: はい。商品が出品されていないかずっと確認するようになりました。でも全然出品されないうえ、出品されてもすぐ他の人に買われてしまうんです…。老衰は長い間出品されていたんですが…。

███博士: 購入なさらなかったんですか?。

██氏: お金が全然足りなかったんです。[編集済み]円なんて到底払えませんでした。

███博士: なるほど。本日はありがとうございました。これでインタビューを…

██氏: あの、███さん…。

███博士: 何でしょうか。

██氏: 老衰が商品になっているということは…今の私には寿命も存在しないんですよね?

███博士: それは…。

██氏: …最近、物忘れがひどくなってきたんです。このまま自分のことも分からなくなって永遠に生き続けるなんて考えられません…!お願いです…どうか、私に死を売ってください…!お願いします…

███博士: …インタビューを終了します。

<記録終了>

補遺2: 20██/██/██、担当研究員により商品の登録履歴が解析されました。それにより、所持品が無いSCP-1235-JP-1は███人存在することが判明しました。

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