SCP-1249-JP
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発見時のSCP-1249-JP

アイテム番号: SCP-1249-JP

オブジェクトクラス: Nagi1

特別収容プロトコル: SCP-1249-JPの存在しているノートはサイト-8154の低危険度物品収容ロッカー内に保管されており、現在のところ研究目的以外での持ち出しは禁止されています。

新たなSCP-1249-JPが発見された場合、直ちに2名以上のエージェントが回収に向かい、SCP-1249-JPの周囲に“はこがまえ (匚) ”を書いたうえで確保/収容をしてください。また、SCP-1249-JPの影響を受け消失した人物たちの周辺には、適切なカバーストーリーを流布してください。

説明: SCP-1249-JPは“人”の字が集合したように見える図であり、現在の読みは「なかしんでんたけおとしらかわみなみといとわはるたかとしおいわりゅうじとおうせりんとひきたしょうせいとはぎわらいつか2」であると考えられています。SCP-1249-JPは黒色のインクで描かれているように見えますが、その構成成分は明らかになっていません。また、収容下に無いSCP-1249-JPは、前述の読みを自身を視認した人物に理解させるミーム的異常性を有していたと思われます。

SCP-1249-JPの主な異常性は、オブジェクトが存在するノートの周辺3に約20秒間存在する人物の氏名を、自身の読みに組み込むことです。複数名存在している場合、無作為に1名が選ばれ異常性に曝露するものと思われます。この影響を受けた人物は消失し、その人数だけSCP-1249-JPを構成する“人”が増加します。異常性の影響を受け消失した人物の行方は判明していません。

上述の異常性は補遺1249-JP.2に示される映像記録より推測されたものであり、確定されたものではないことに留意してください。SCP-1249-JPの正確な異常性については現在も研究中です。

補遺1249-JP.1: 発見

SCP-1249-JPは2018/05/19、東京都江戸川区の中新田武生の自宅で発見されました。当初財団は「行方不明になっていた中新田氏の家に入った人が誰も出てこない」という報告を受け、エージェント1名を警察機関に潜入させ調査を行っていました。

発見当初のSCP-1249-JPの読みは「なかしんでんたけおとしらかわみなみといとわはるたかとしおいわりゅうじ」であったことが判明しています。この読みから、中新田氏とその交際相手であった白河美波、初期通報を受け中新田氏の住宅に進入した警察官の糸和春高と潮岩龍二の計4名がSCP-1249-JPの異常性に曝露したものと考えられています。前述した人物たちの捜索は継続中です。

中新田氏は██大学で漢字に関する研究を行っていたこと、並びに“創作漢字”を作ることを趣味としていたことが判明しており、SCP-1249-JPの発生に何らかの関わりがあるとみられています。また、SCP-1249-JPが存在しているノートは非異常性のものであることが確定しています。このノートのいくつかのページには存在しない漢字と思われる図とその読みが鉛筆等を用いて書かれており、中新田氏が自身の創作漢字を書いておくために使用していたものと考えられています。これらは一切の異常性を見せていません。

補遺1249-JP.2: Nagi分類の経緯

以下はSCP-1249-JP発見時の映像記録の転写です。中新田氏の住宅に捜索に入ったのはエージェント・鰆 (当時警察機関に潜入) の他、警察官である逢瀬凛と疋田将星、および萩原一華の計4名でした。

映像記録1249-JP.1


[記録開始]

前略。

逢瀬: ちょっと皆さん、こっちに来てください。

4名全員が居間に集合する。

Agt.鰆: 何かありましたか?

逢瀬: いえ、このノートに書かれてる漢字みたいなのなんですけど、これが──

疋田: 何、なかしんでんたけおとしらかわみなみといとわ──

Agt.鰆: 読める……しかも人名ですね、これは。

萩原: あれ? 逢瀬さんは?

逢瀬凛が消失していることが確認される。

疋田: 待ってくれ、ここ「おうせりん」って読めるぞ。

萩原: 待って、待ってください、何か変ですよこれ!

Agt.鰆: (小声での連絡) SCiPと思われる物品を発見しました。回収します。

疋田: なんだ、なんだ一体、何が起きてるんだ……

萩原: わかりませんけど、人が消えてるみたいです! 早くここから出ましょうよ!

疋田: クソ、落ち着いてられんこれは。外に──

疋田将星が消失し、その瞬間が映像に明確に映る。

Agt.鰆: 疋田さん!

萩原: (地面に座り込みながら) さ、鰆さん、助けて……これは何ですか、何が起きて──

Agt.鰆: 萩原さん、立って! 今はとにかく外にで、出ましょう、急いで!

エージェント・鰆がSCP-1249-JPの存在するノートを手に持ち、萩原一華とともに中新田氏の住宅を後にしようとするも、玄関を出た直後に萩原一華が消失したとみられ、以降映像には映らない。

Agt.鰆: 萩原さ……ああクソ! そんな、こんなのどうしろって!

エージェント・鰆は一度大声で叫び、慌てた様子で独り言を繰り返す。

Agt.鰆: いや、そうか……もしこれが漢字だってんなら。

エージェント・鰆は懐から咄嗟にマーカーペンを取り出し、SCP-1249-JPの周囲に“はこがまえ”を書き足す。

Agt.鰆: クソが、これでどうだ!

[記録終了]

この捜索の後、エージェント・鰆はSCP-1249-JPの影響を受けずサイト-8154へ持ち帰ることに成功しました。これは、周囲に書き足された“はこがまえ”によりSCP-1249-JPが字義的に収容された、あるいは“閉じ込められた状態”になったことが原因と考えられています。また、この状況を受け、SCP-1249-JPが漢字的性質を持っているものと判断されました。加えて、SCP-1249-JPはサイトに持ち運ばれた時点で異常性を発揮しなくなっており、あらゆる方法で異常性を再生させ実験等を行う試みがなされましたが、どれも成功には至らず、SCP-1249-JPはNagiに分類されました。SCP-1249-JPの異常性を再現する試みは現在も進行中です。

字義的には収容出来ているかもしれませんが、見た目的には……心配です。──SCP-1249-JP収容担当██研究員

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現在のSCP-1249-JP


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