SCP-NULL-JP
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アイテム番号: SCP-NULL-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 当報告書のナンバリングは「SCP-NULL-JP」とし、通常の財団データベースには保存されません。当報告書の閲覧は財団日本支部反ミーム部門職員にのみ許可されます。

日本支部反ミーム部門以外の財団日本支部のあらゆるデータベースでは、未指定のオブジェクトナンバーが「SCP-NULL-JP」と表記されます。

説明: SCP-NULL-JPは「SCP-1253-JP」の概念的枠組みです。現在その具体的内容は喪失しています。SCP-NULL-JPはミーム上「ダイラタントに」振る舞う性質を持ちます。すなわち、SCP-NULL-JPは外部の情報ダイナミクスに応じて転移する2相を持ち、自身を拡散、変化させる強い作用が働いている間はそれに逆行する形で自己隠蔽作用を持つ反ミーム相を、自身の情報が比較的制限され定着している場合は、自己伝達、変異作用を持つミーム相を呈します。

この性質のために、「財団によるSCP-NULL-JPの隔離」はSCP-NULL-JPのミーム相を励起し、その上で「SCP-NULL-JPを限られた人員により研究し定義付けする」というプロセスは、SCP-NULL-JPを容易に変容させます。このため上記の収容プロトコルは、SCP-NULL-JPを収容して研究を進めつつ、できる限りその概念的枠組みに新たな定義を与えないことに重点が置かれています。これは、後述の「SCP-1253-JP-W-1」の性質を参考として策定されました。

SCP-NULL-JPの上記の性質は財団日本支部反ミーム部門によって解明されました。SCP-NULL-JPと同様の相転移するミーム、いわゆる「ダイラタント・ミーム」については、現在基礎研究が進められています。

下記の文書は、2███年に「再編成」された財団日本支部反ミーム部門によって財団データベースより発見された、かつて日本支部が「SCP-1253-JP」と指定していたオブジェクト報告書の抜粋です。文書が概念的欠落を複数含むことから、閲覧は現在SCP-NULL-JP概念に干渉せず、相転移を引き起こしません。

文書内に記述のある「SCP-1253-JP-W-1」は「SCP-NULL-JPを表す強いミーム性を持った文字列でありながら、SCP-NULL-JPの認知を励起しない」という非異常なミーム性質を持っていたようです。これにより収容以前のSCP-NULL-JPは、反ミーム相を呈すると同時にその反ミーム性が認知者に影響しない、という一種の平衡状態にあり自己収容に近い状態だったとされています。財団による当時のSCP-NULL-JP収容及び初期研究はこの平衡を崩し、結果SCP-NULL-JPは以下の経緯で喪失したと考えられます。

・社会からの隔離によりSCP-NULL-JPのミーム相が強調される

・財団がSCP-NULL-JPを反ミーム性質を持ったオブジェクトだと定義したことで、ミーム相が財団の定義に従いSCP-NULL-JPを反ミームとして変容させる

・SCP-1253-JP-W-2開発がSCP-NULL-JPの認知性を飛躍的に増大させたことで反ミーム相が励起される

・反ミーム相は「財団のSCP-NULL-JP研究」を含む全SCP-NULL-JP概念を包括的に隠蔽する

その後再発見に至るまで、SCP-NULL-JPはその認知者が全く存在しない、すなわちミーム相のみが極端に顕在化した、情報として極めて不安定な状態にあったと見られます。これは現在のSCP-NULL-JPがほぼ具体性を喪失した「空の」概念的枠組みとなる原因になったとされます。

文書SCP-1253-JP(抜粋版) 最終更新19██/█/█

説明: SCP-1253-JPは「仏前に供えられた██堂の水羊羹」に類似した概念的枠組みです。(中略) SCP-1253-JPは反ミーム性を持ちます。

SCP-1253-JP-WはSCP-1253-JPを表現可能な語句です。現在のところ、製菓会社「██堂」による自社の水羊羹のキャッチコピーである語句(SCP-1253-JP‐W-1)のみが発見されています。SCP-1253-JP-W-1は現代ではマイナーな方言による言い回しを複数含むため、 SCP-1253-JPの前述の特性にもかかわらず、SCP-1253-JP-W-1の内容を知ることが即座にSCP-1253-JPの正確な想起、反ミーム性の発揮に繋がることは極めて稀です。

SCP-1253-JP-W-1はキャッチコピーとしての性質上、「それを認識した者にSCP-1253-JP実例を作成させる」という非異常ながら強力なミーム性質を持ちます。

なお、██堂は現在日本国内で有数の和菓子メーカーであり、水羊羹は同社の主力商品であることから、SCP-1253-JP-W-1の隠蔽措置は保留されていますいました。(補遺1を参照)

補遺1: 開発中の試製記憶補強剤を用いたSCP-1253-JP実例の調査が行われました。(中略) 実例は██堂本社の位置する長崎県にて大量に発見され、一般的な民家の仏壇に、1基あたり█kgの水羊羹が供えられていました。「SCP-1253-JP実例は自身の反ミーム性でもって微生物による腐朽を免れている」という事前の予測に反し、それら実例の大部分には未確認の真菌類1が繁殖していました。

この調査結果を受け追加検証を行ったところ、長崎県において、仏壇を持つ家の住人の平均寿命は微小ながら有意に短いということが判明しました。これは繁殖した真菌の胞子によるものと思われ、これ以上の放置は住民に看過できない影響を及ぼす恐れがあるとして、SCP-1253-JP実例を回収するとともにSCP-1253-JP-W-1の隠蔽措置が承認、実行されました。

補遺2: SCP-1253-JP-W-1の分析によって、現代日本の標準語により表現されたSCP-1253-JP-Wが開発されました。この文字列は試製記憶補強剤なくして認識不可能ですが、SCP-1253-JP-W-2と指定され、更なる研究が進められています。

なお、上記報告書にて記述のある「██堂」、「SCP-1253-JP-W」は現在および過去に渡って存在が記録されていません。現在日本支部反ミーム部門による対応概念の研究が進められていますが、未だ有効な成果はありません。

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