SCP-1266-JP
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SCP-1266-JP実例

アイテム番号: SCP-1266-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1266-JPが施された人物は、セクター-81JHの人型実体用冷凍収容室にコールドスリープ状態で収容されます。この人物を利用した実験には、レベル3以上のセキュリティクリアランスを持つ職員の承認を要します。

有村組への襲撃や有村組長を拘束しての尋問は、東栄會周辺の暴力団社会の均衡を崩し、抗争が発生する起因になると予想されているため計画されません。

説明: SCP-1266-JPはGoI-8102「広域指定暴力団東栄會1直系"有村組2"」の構成員複数に施された和彫による意匠です。SCP-1266-JPの意匠は構成員毎に異なるものの、異常性に差異は存在しません。回収された皮膚組織の解析により、SCP-1266-JPの施術は、一般的な和彫の施術プロセスと同一の物と判明しています。財団諜報部の調査により、SCP-1266-JPの施術は有村組のフロント企業である「東京刺青 三代目燈彫」にて行われていた事が判明しており、有村組が意図的にSCP-1266-JPを施術していたと考えられています。

SCP-1266-JPは、施された構成員の体内にトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)を複数発生させ、トキソプラズマ症と類似した症状(以下、SCP-1266-JP-Aと呼称。)に感染させる異常性を持ちます。感染した構成員は初期、中期、末期と大きく分けて3つの症状を段階的に発症します。SCP-1266-JP-Aにおける主たる症状、及び特筆すべき異常性は中期に当たります。
段階 症状
初期 発熱やリンパ節腫脹などのトキソプラズマ症における非特異性を発症します。トキソプラズマが眼球に出現した場合は眼痛や視力障害などの眼トキソプラズマ症における非特異性な症状を発症します。
中期 危険回避能力が大幅に後退し、リスクヘッジに欠けた言動を行う様になります。財団が有村組の構成員を利用し行った実験では、SCP-1266ーJPを施された構成員の多くが素手にも関わらず、武装した財団職員に反乱を起こすなどの行動が確認されました。
末期 全身にトキソプラズマが蔓延し、トキソプラズマ脳炎や脈絡網膜炎などの日和見トキソプラズマ感染症における非特異性な症状を発症します。

SCP-1266-JPは、1982年7月3日に発生した有村組による天兵一家3の事務所襲撃事件が財団の注目を集めた事が起因となり発見されました。事件の主犯である多田 勝男は、事前に行われていた財団による人物調査では「臆病・慎重・逃避癖」と称されており、小危険性人物として報告されていました。この人物評価は、東栄會内部での多田 勝男の人物評価と酷似しており、東栄會内部でも大きな話題となりました。以下財団諜報部による東栄會幹部の臨時会合の盗聴記録と会合以降に確認された事件の報告です。

≪再生≫

増田組長: 天兵一家の件ですが、総長の川田が、我々に対して中立的な組に呼びかける事で"返し"を計画しています。これに関連して天兵一家が、中国人マフィアグループを経由して大量のハジキを仕入れているのが確認されています。

太田組長: おう有村!おどれ、どう始末をつけるつもりじゃ!こんままじゃ戦争はじまるやんけ!

有村組長: いやいや、太田の兄貴。これは飽く迄も多田のヤツが勝手に先走った事ですよ。それに先に仕掛けたのは川田の方ですから。ウチも"返し"をしたまででしょう。

太田組長: ドアホ!まだ川田のところがおどれの組に喧嘩吹っ掛けただのほざいてやがんのか。そんな与太話が通じる訳なかろうが!おどれが時世も読まずに外道な方法で戦争吹っ掛けたせぇで中立派だった組が川田を支援し始め取るんじゃ!

有村組長: 外道な方法?外道は川田でしょうが。

大城組長: 有村の兄貴。太田の兄貴が言ってるのはそういう事違います。

有村組長: あぁ?どういう事だ?大城。

大城組長: 太田の兄貴や中立派の組長たちは、有村の兄貴が多田にシャブ食わせて鉄砲玉にしたと思ってます。あの臆病者で有名な多田が勝手に先走って1人で8人もぶっ殺しちまうなんて。随分と親思いの子ですねぇ多田のヤツ。

有村組長: [舌打ち]俺はな。シャブにだけは手ぇださねぇって決めてんだ。それをテメェ、俺に舐めた口ききやがった上に、子分を臆病者呼ばわりとはいい度胸だな。

太田組長: 白々しいな有村。パクられた多田がどうなってるか知ってるか?痙攣しながら「虫が飛んでる~」とかラリってるらしいじゃねぇか。多田にどんな安物食わせたんだ?コラ。

有村組長: 兄貴いい加減にしてくれや。シャブなんか食わせてねーってんだろ。調べてみるか?なんも出てこんかったらどうしてくれんだ?あ?

増田組長: やめてください。会長の御前ですよ。

有村組長: [数秒沈黙]そもそも、天兵一家がウチに嫌がらせしてるっていうのも本当の事なんですよ。ウチの若い衆が連中に拉致られてんです。天兵一家の連中がウチの若い衆を奥多摩の山中に連れ去ったのを見たっていう方がいるんですよ。多田が義憤を募らせてもおかしくはないじゃないですか。

太田組長: ほーん。そいつは大変な事やのー。ほんまにそんな見た言うヤツがおるんか?直接聞いてみたいのー。

有村組長: [ため息]ともかく、皆さんにはご迷惑をお掛けしません。多田のヤツにはきっちり落とし前つけさせますし、中立派の組長たちには川田から仕掛けた戦争である、と私からしっかり説明させていただきますから。この件はそれでいいですかね?

≪終了≫

報告: 東京拘置所に身柄を拘束されていた多田 勝男が遺体で発見されました。遺体は右腕のみが残されており、体内からは大量のトキソプラズマが検出されました。また、遺体にはイエネコ(Felis catus)の物と思われる唾液と体毛が付着していた事が確認されています。特筆すべき点として、発見された体毛は約50cm程の長さであり、通常の物と比べて遥かに長い点が挙げられます。財団は多田 勝男の不審死と、上記盗聴記録で示唆された多田 勝男が負う責任には何らかの因果関係があるとして調査を行っています。

事件報告: 東京都奥多摩町の山中にて、有村組の構成員の遺体と血痕が複数発見され、有村組はこれを警察に通報しました。有村組は報復として天兵一家を襲撃し、天兵一家全員の死亡が確認されました。中立派であった暴力団グループは特に行動を起こさなかった為、結果的に大規模な抗争は回避されました。

財団諜報部の調査では、死亡した有村組の構成員が天兵一家の構成員に拉致されたという事実を裏付ける証拠が発見できず、奥多摩町周辺のコンビニエンスストアに設置された監視カメラでは、1人で来店する有村組の構成員が確認されています。この事から天兵一家は今回の事件に関与していないと結論付けられています。

有村組の構成員遺体からは大量のトキソプラズマが検出された他、遺体表面にはイエネコの唾液と体毛が付着しており、多田 勝男の不審死との共通性が指摘されています。また、多田 勝男を含める不審死を遂げた構成員達の共通点として、有村組の運営する「東京刺青 三代目燈彫」で半年以内に和彫による施術を受けていたことが確認されました。

これらの遺体が発見された土地は有村組の所有地である事が判明しました。土地の名義には偽名が用いられており、財団の調査により初めて発覚しました。これらの要素からこの事件は有村組による自作自演であると考えられています。

補遺: 1992年2月以降、SCP-1266-JPが起因と思われる不審死は確認されていません。「東京刺青 三代目燈彫」は閉店しておらず、有村組も健在にも関わらず不審死が突如として途絶えた経緯には複数の仮説が提唱されましたが結論には至っていません。

1992年頃、有村組長は「飼猫が死亡した。」と周囲の人物に話していた事が報告されています。財団による有村組長の人物調査では、猫を飼っているという事実は確認されていません。上記不審死が途絶えた時期と合う事から、財団は何らかの関連性があるとして更なる調査を行っています。

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