SCP-1270-JP
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アイテム番号: SCP-1270-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: その異常性からSCP-1270-JPを収容することは不可能であるため、特別収容プロトコルはSCP-1270-JP出現後の対処を目的とします。SCP-1270-JPの出現事例が確認された場合、機動部隊こ-7(”砂煙”)は周辺地区を封鎖し、関係者の確保を行った上でカバーストーリーの作製、流布を行ってください。関係者は聴取を行った後記憶処理を行って解放し、映像記録が存在した場合はその回収を行ってください。

説明: SCP-1270-JPは、30~40代のモンゴロイド系男性の外見を有する人型実体です。身長は約165 cm、体重は約90 kgであり、軽度の男性型脱毛症や単純性肥満の傾向が見られます。また、首元がやや伸びた白地のタンクトップと深青色のハーフパンツを常に着用しています。特筆すべき点として、SCP-1270-JPは瞬間的に出現および消失する異常性を有しています。この異常性のため、SCP-1270-JPの安定した収容や体組織などのサンプル採取には成功していません。SCP-1270-JPの出現および消失は後述する一定の規則に従って発生していると考えられますが、このプロセスの原理は解明されておらず、SCP-1270-JPとの意思疎通に成功した例が報告されていないことからも、必ずしも正確な情報ではない点に留意してください。

SCP-1270-JPは、通り抜け可能な大きさで内側から施錠できる扉に正対しており、かつその扉を施錠および開錠する手段を有する人間1名(以下、対象)から約80 m離れた地点に出現します。この際、SCP-1270-JPは両手の指を地面につき、前足側の膝を立てて腰を浮かせた体勢をとり、不明な原因によってSCP-1270-JPを発生源とする破裂音が生じることが確認されています。出現後、SCP-1270-JPは対象の元へ駆け寄って物理的な接触を行おうとします。対象への接近が第三者の静止などによって妨害された場合、SCP-1270-JPは殴る、蹴るなどの物理的な手段を用いて障害の排除を試みます。SCP-1270-JPが出現してから53秒が経過する、あるいはSCP-1270-JPが対象への物理的な接触に成功した場合、SCP-1270-JPは瞬間的に消失します。この時、後者の場合は対象も同時に消失します。これによって消失した対象が再出現した例は報告されていません。

現在、日本全国で██件のSCP-1270-JP出現事例が報告されていますが、その全てが日本標準時(UTC+9)で20~24時の時間帯に観測されています。関東地方に若干の偏りが見られますが、報告される出現事例において場所の規則性は見られません。ただし、SCP-1270-JPが1度消失してから14日以内に再出現した例は報告されていません。

SCP-1270-JPは非常に優れた身体能力を有しており、運動に伴う疲労も感じていないと考えられています。過去の出現事例から、コンクリート舗装された道路においては平均32.7 km/hで走ることが可能であると判明しています1。また、厚さ5 cmのポプラ材に表面塗装を施した扉を素手で破壊する、ガードレールを足場として幅8 m以上の水平跳躍を行う、高さ約12 mの建造物から無傷で着地して対象への接近を続行するなどの行動も報告されています。しかしながら、身体構造そのものに人間と大きな相違点は確認できず、加えて対象への接近を妨害されない限りは対象以外に自発的な干渉を行わない特徴から、武装した機動部隊3名以上によって無力化を容易に行うことができるというシミュレーション結果が得られています。ただし、SCP-1270-JP出現時の特徴は最後に消失した時のそれに依存せず、常に冒頭で述べた通りのものであるため、これらの手段によって無力化を行った場合もSCP-1270-JPの恒久的な活動の抑制にはなりません。

以下はSCP-1270-JP出現事例の抜粋記録です。

出現事例1270-1

日付: 2015/11/15 21:16

場所: 埼玉県さいたま市██区 ██ハイツ ███号室

対象: ██ ██(20代女性、大学院生)

概要: SCP-1270-JPは、対象が自室に到着して荷物から鍵を探している際に出現した。対象はSCP-1270-JPの接近に気付いて自室への退避を試みたが、鍵の開錠に必要以上に時間を要したためSCP-1270-JP出現後8秒時点でSCP-1270-JPに接触されて消失した。対象は現在も行方不明である。

付記: 監視カメラの映像記録より、SCP-1270-JPが初めて観測された事例です。

出現事例1270-3

日付: 2016/04/06 23:24

場所: 福島県郡山市██ 株式会社██████郡山営業所 第1駐車場

対象: █ █(30代女性、会社員)

概要: SCP-1270-JPは、対象が帰宅のために乗用車に乗り込もうとした際に出現した。対象はこれに気づき、乗用車を発進させて現場からの離脱を行った。この際、SCP-1270-JPは素手により窓ガラスを破壊して対象への接触を試みたが失敗している。約20分後、対象の通報によって警察に扮した財団エージェント2名が現場に到着して捜索を行ったが、SCP-1270-JPは発見できなかった。

付記: SCP-1270-JPが観測され、かつ対象が消失しなかった初めての事例です。対象は「SCP-1270-JPは窓ガラスを拳で殴りつけ、窓ガラスの一部にSCP-1270-JP自身の血が付着した」という旨の証言を行いました。財団エージェントによって現場検証が行われ、ガラスが一部破損していることは確認できましたが、血液や毛髪、皮脂などの付着は確認できませんでした。

出現事例1270-9

日付: 2017/02/12 23:48

場所: [編集済] サイト-81██ 第██気密収容房前

対象: 乾烏 陽介(50代男性、財団職員)

概要: SCP-1270-JPは対象が定期収容業務を行い自身のオフィスへ移動する際に出現した。対象はこれに気づいて走ることでの逃走を試みたが、SCP-1270-JP出現後23秒時点でSCP-1270-JPに接触されて消失した。対象は現在も行方不明である。

付記: 監視カメラの映像記録より、SCP-1270-JPが財団施設内で初めて観測された事例です。対象は消失する直前に収容業務備品として所持していたGPS発信機を起動させた記録が残っています。しかし、SCP-1270-JPと対象が消失すると同時にGPS発信機は消失し、GPS信号も途絶しました。

出現事例1270-10

日付: 2017/03/22 20:14

場所: 千葉県我孫子市███ ██氏住宅

対象: ██ █(30代男性、自営業)

概要: SCP-1270-JPは対象が車庫前で自動二輪車の整備とその動画撮影を行っている際に出現した。対象はこれに気付き退避を行おうとしたが、SCP-1270-JPは対象に向かって走行している際に車道を走っていたトラックに轢かれた。映像記録や目撃情報から、SCP-1270-JPは右大腿骨の複雑骨折に伴う右大腿動脈の著しい破損により即死したと考えられる。即死するまでの数十秒間、SCP-1270-JPは自身の怪我に対して特別な反応を見せず、這うようにして対象の方向に移動しようとしたのが確認されている。SCP-1270-JPは出現してから53秒後に消失した。

付記: SCP-1270-JPの出現中、出現事例1270-9において対象が起動した発信機に対応するGPS信号が検出されました。出現中のSCP-1270-JPと位置情報は概ね一致しており、このGPS信号を特別収容プロトコルに利用する計画が提案されました。提案は現在審議中です。提案は却下されました。

出現事例1270-11

日付: 2017/04/15 22:40

場所: 長野県松本市██ ██大学██寮 ███室

対象: ███ ███(20代男性、大学生)

概要: SCP-1270-JPは対象が自室にいる際に出現した。扉には鍵がかけられており、SCP-1270-JPが部屋の外から扉を蹴っていたところを同寮で生活する別の寮生3名によって発見された。寮生3名はSCP-1270-JPを取り押さえようとしたが、SCP-1270-JPの抵抗により失敗した。SCP-1270-JPはその後も寮生らに執拗に暴行を加えて彼らを無力化したうえで扉に打撃を与え続けたが、扉を破壊して室内に侵入する前に消失した。

付記: 出現事例1270-10において、SCP-1270-JPは肉体に致命的な損傷を負いましたが、寮生2名の証言からはその影響や痕跡は確認できませんでした。また、出現事例1270-10同様にGPS信号の検出に成功しましたが、強度は不安定でわずかに発振信号の遅れが計測されました。推測される主な原因はバッテリー電源の極端な消耗、もしくはGPS発信機基盤の部分的な破損です。

出現事例1270-16

日付: 2017/11/28 21:05

場所: 神奈川県川崎市███ ███シネマ██████1階 男子トイレ

対象: ██ ███(10代男性、高校生)

概要: SCP-1270-JPは対象がトイレの個室内にいるときに出現した。SCP-1270-JPは扉を殴打して破壊を試みたため、対象は内側から押さえつけるようにして抵抗を行った。この時、対象の友人がSCP-1270-JPに対してコミュニケーションをとろうとしたが失敗に終わっている。数十秒後、対象は半壊した扉を放棄して個室と天井の隙間から逃走を試みたが、この際にSCP-1270-JPが回り込んで対象へ接触したためSCP-1270-JPと対象は消失した。対象は現在も行方不明である。

付記: 出現事例1270-14、15同様に極めて微弱なGPS信号の検出に成功しましたが、SCP-1270-JP出現開始後24秒時点でGPS信号は完全に途絶しました。本出現事例以降、出現事例1270-9において対象が起動したGPS発信機に対応するGPS信号は検出されていません。

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