SCP-1290-JP
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-1290-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 全国の靴専門店に定期的にエージェントを巡回させ、██████社製のランニングシューズを全て点検させて下さい。その中でも特に『軽量化』を強調して宣伝するタイプの物に対しては必ず一度回収の上、Dクラス職員を用いた運動実験を行うことでSCP-1290-JPでないかどうかを判定して下さい。また、SCP-1290-JP担当職員は財団フロント企業内のエージェントと連絡を取り合い、運営中の靴に関するウェブニュースサイトの問い合わせコーナーとメール、及び各種SNSを定期的にチェックして下さい。その中でSCP-1290-JPの特徴に一致する質問や相談があれば直ちにエージェントを派遣し、当該品と代替品との交換を行って下さい。また、SCP-1290-JPは人工的に制作された可能性が高いため、██████社を始めとした靴メーカー等の各所にエージェントを派遣し、現在製作者及びその手がかりを追跡中です。
20██/██/██追記: 国内各空港にエージェントを常駐させ、搭乗者の靴をカメラによって監視させて下さい。ランニングシューズを履いて搭乗しようとする乗客を発見したら、対テロ対策の名目で当該乗客の靴をチェックし、SCP-1290-JPでないことを確認させて下さい。SCP-1290-JPであった場合回収し、乗客には代替品をその場で支給して下さい。

説明: SCP-1290-JPは、██████社製のランニングシューズに酷似した、靴の形状をした物体です。財団はこれまでに██足を回収しており、サイズは24.0cm~29.5cmまでが確認されています。

SCP-1290-JPの異常性は、オブジェクトを履いた人物が何らかの運動を行った際に発現します。SCP-1290-JPを履いた人物(以下、被験者と表記)が動くと、不明な力によって被験者の衣服等身に着けている物品を脱衣させます。影響範囲にはオブジェクト自身も一部含まれており、一般的な速度で歩行した場合、どれほど固く結んでいたとしても、20秒程の時間を掛けてオブジェクトの紐部分が解けて抜け落ちます。同じ運動の最中は抜け落ちたままですが、歩くのをやめ停止すると、被験者が視線をそらした隙に元通りになっています。
基本的に、被験者が運動する際の速度が速ければ速いほど、服の脱げる範囲は大きくなります。ジョギング程度であれば上着が一枚脱げ落ち、短距離走など素早く走る競技では、最終的に上半身が裸になることが殆どです。被験者は運動をやめるまで衣服の脱落に気付きません。実験において、基本的に衣服の脱げ方は衣服の形状に沿ったものとなり、ジッパーやボタン等で留まっているものは、まず留め具の部分から外れ、その上で裾部分、或いは観音開きのように前方からめくれ上がる形で脱落することが判明しています。ただしオブジェクト自身が優先順位を決めている兆候がみられ、先に下半身の衣服が脱げたり、下着が先に脱げ落ちたケースは今まで確認されていません。また、オブジェクト本体が脱げることはありません。

また一連の効果は、被験者自身が身体を動かしていない場合でも発揮されます。そのため、乗り物に乗って移動する際にも乗り物の速度が参照された上で、効果が発現します。ただし、地球の自転速度の影響は受けません。このことから、SCP-1290-JPは『被験者自身の運動速度』を区別することが可能であり、つまり人工的に制作された可能性が極めて高いとされています。現在各靴メーカーを中心に、潜入エージェントによる製作者に関する調査が続けられています。

SCP-1290-JPの最初の発見事例は、20██/██/██、走行中の東海道新幹線内において、『突然全裸になった人物がいる』という通報を受けたことによるものです。通報対象は40代の男性であり、静岡県██市内で購入したSCP-1290-JPを履いて新幹線に乗り込んだところ、新幹線が発車して数十秒後、突然全身の衣服が縫い目に沿って分解され、全裸になったとのことです。駅員として潜入中だったエージェントが事情を聞き、何らかの異常存在の介在が疑われたため調査が行われ、男性が身に着けていた物の中で唯一無事だった靴を調査した結果、異常性が発覚し回収に至りました。被験者となった男性にはBクラス、目撃者にはAクラス記憶処理が施され、カバーストーリー”追い剥ぎ”を適用した上で解放されました。
一連の事象は、新幹線の加速にオブジェクトの脱衣プロセスが追い付かず、一瞬で無理矢理脱がせるために服が分解されたという見解がされています。

各種SNS等を検索したところ、近しい事例の報告がいくつか挙がっており、SCP-1290-JPが複数存在することが明らかとなっているため、財団はフロント企業の一つである大手靴メーカーと協力し、靴に関する情報ウェブニュースサイトを立ち上げました。サイト内において『すぐに紐が抜ける靴は欠陥品である』という情報を流し、リコール対象とした上で通報を促し、意図せずSCP-1290-JPを手に入れた一般市民からのオブジェクト回収と代替品の提供を進めています。SCP-1290-JPを購入した市民によると、いずれのケースにおいてもSCP-1290-JPはランニングシューズ売り場に置かれており、”革命的な軽量化”を強調して宣伝していました。

補遺: 実験の一環として、SCP-1290-JPを装着したDクラス職員を、実験のため二人乗りに改装したフォーミュラ1カーに乗せ、走行実験を行いました。結果時速310kmを記録し、Dクラス職員のヘルメットを含む衣服が全て吹き飛んだ他、頭髪、鼻毛、腋毛等の体毛の多数脱落が見られました。安全上の観点から、これ以上の速度での実験は行われていません。また、実験に参加したDクラス職員の体重や血圧等に変化はなく、体調も良好でした。

これを履いて飛行機に乗った乗客が未だいなかったことは本当に幸いだ。 ―██博士

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