SCP-1304-JP
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確認済みのSCP-1304-JP事案発生地点

アイテム番号: SCP-1304-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 毎年6月9日に中央アジアの主要メディア・コミュニティでのSarah I. Galbraithに関する発言を監視し、発見次第エージェントを派遣して記憶処理と適切なカバーストーリーを実行します。

説明: SCP-1304-JPは、2010年以降の6月9日に中央アジア諸国に住む一部のテュルク系民族が対象となる"Sarah I. Galbraith"という人物に関するミーム現象です。SCP-1304-JPは被影響者への1日限りの精神/記憶影響という形で発生し、感染源/経路は未特定です。被影響者の多くが当日に頭痛を訴えていたことは注目に値します。

SCP-1304-JPの影響を受けた人物は、当日中に"6月9日がSarah I. Galbraithという人物の命日である"という認識に基づいた言動をとります。同一年度に複数の被影響者が存在する場合、意思疎通の痕跡なく予め示し合わせたように集団・計画的に協力します。しかし、言動後の被影響者は自身の言動を思い出すことが出来ず、周囲ではしばしば軽度の誤解や混乱が生じます。また幾つかの例では「本日は我々の母、Sarah I. Galbraithの命日です。彼女の冥福を祈りましょう。」というフレーズのバリエーションが含まれています。

財団がアクセス可能な全データベースとの照合の結果、SCP-1304-JP発生との関連性を持つと考えられるSarah I. Galbraithという名の人物は現在まで確認されていません。また、散見される民族/国家名やSarah I. Galbraithと思われる人物の異名に該当する名称も同様です。

確認されているSCP-1304-JP事案
年号 内容 備考
2010 マンギスタウ州議員がfacebookアカウントで"建国の母・Sarah I. Galbraith"について言及した。 議員秘書が発見し、議員が発言を消去するまでに200回以上リブログされた。この投稿に反応した人物は後に潜在的被影響者としてリスト化された。
2011 RTRK(カザフスタン国営テレビ局)の朝のニュースのエンディングで、アナウンサーが哀悼の意を表した。 アナウンサーはこれを理由に地方局に左遷になった。
2012 ウズベキスタンのメジャーロックバンド、███が[編集済]駅前で行ったゲリラライブに1分間のSarah I. Galbraithへの黙祷が含まれていた。 黙祷直後に演奏された、民族の自由と独立を謳った1分12秒の曲はこのライブでしか確認されていない。
2013 トルクメニスタン大統領選挙開票においてSarah I. Galbraithと記入された投票用紙が███枚発見された。 投票の匿名性により被影響者は未特定。現地法に従い、無効票とされた。
2014 タシュケントで起きたガス不足に起因する大規模抗議デモのプラカードに"革命の母Sarah I. Galbraith"への言及が少なくとも██件見られた。 実在しない国旗と共に民族自決を求める文が書かれている。
2015 ドゥシャンベで発生した既知の宗教と一致しない儀式的殺人事件。被害者は旅行中のイギリス人女性2名。 自首した3名を殺害及び死体損壊で逮捕。現場ではSarah I. Galbraithが登場する儀式手順に関するメモが発見されている。
2016 マンギスタウ州の州都アクタウ郊外の丘にノアザミ(Cirsium japonicum)の花を持った███人の住民が集結した。 この事案以降、SCP-1304-JPは確認されていない。補遺を参照。

補遺: 2016年のSCP-1304-JP事案において、住民が集結した地点で墓石が発見されました。墓碑にはカザフ語の方言で以下の文面が刻まれていました。

Sarah I. Galbraith
████.██.██ ~ 2010.06.09
我らが祖国シガスタンの母、湖を見守りしこの地に安らかに眠る。
ノアザミは2度咲く。

墓碑に刻まれている1文目の上から荒々しく打ち消され、この傷と2文目は新しく刻み込まれたものです。墓は外部から暴かれており、墓の中は空でした。

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