SCP-1320-JP
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SCP-1320-JPによって合成されたA型インフルエンザウイルス粒子

アイテム番号: SCP-1320-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1320-JPは全世界で確認されており、完全な収容は不可能とされています。弱毒性のSCP-1320-JPの感染拡大が確認された場合、各国主要医療機関に対してカバーストーリー("インフルエンザの流行")を流布して下さい。強毒性のSCP-1320-JPの感染が確認された場合、当該国政府を通じて感染者から検出された感染症の流行を宣言してください。感染の拡大が懸念される場合は大規模な終了措置を含むあらゆる手段を行使して事態を沈静化させて下さい。

説明: SCP-1320-JPは、ミーム的特性を内包した未知の疾患です。SCP-1320-JP感染者のくしゃみ、咳などの症状を認識した時、対象は感染源に直接接触していない場合であっても例外なくSCP-1320-JPに感染します。SCP-1320-JP感染者は感染から3時間程で発熱や筋肉痛、関節痛といったA型インフルエンザウイルス感染症に酷似した症状を訴えます。この時、これらの症状が見られるにも関わらずSCP-1320-JP感染者からは如何なる病原も発見することは出来ません。

SCP-1320-JPへの感染から15時間が経過すると、感染者の細胞内で異常なmRNAの合成が開始されます。SCP-1320-JPは合成したmRNAを用いて、A型インフルエンザウイルス(Influenza A virus)と同一のウイルス蛋白と遺伝子を合成します。これにより、SCP-1320-JP感染者の体内に遺伝子的にA型インフルエンザウイルスと同一のウイルス粒子が発生します。このウイルス粒子はSCP-1320-JP感染者の体内で増殖を繰り返し、A型インフルエンザウイルスと同様に他者へと伝染します。この時、感染者の唾液や粘膜からはA型インフルエンザウイルスが検出されますが、症状の持続する限りくしゃみや咳を認識した人間はSCP-1320-JPに感染します。これらの症状は体内のウイルス粒子の減少とともに沈静化し、1週間程で完治します。

補遺1: SCP-1320-JPの感染条件を確認するため、Dクラス職員を用いた検証実験が行われました。以下は過去に行われた実験の記録です。

実験記録-1320-JP

実験記録 1999/11/11-1320-JP

対象: D-1223

実験方法: 感染から3時間が経過したSCP-1320-JP感染者と同じ部屋に配置し、30分間待機させる。

結果: 感染。実験終了から2時間18分後、D-1223に咳とくしゃみ、高熱を伴うSCP-1320-JPの症状が現れた。精密検査が行われたが、D-1223の体内から病原は検出されなかった。

実験記録 1999/11/12-1320-JP

対象: D-2347

実験方法: 耐生物災害装備を着用したD-2347を感染から19時間が経過したSCP-1320-JP感染者と接触させる。

結果: 感染。D-2347は物理的に遮蔽されていたにも関わらずSCP-1320-JPの症状を示した。

実験記録 2000/1/19-1320-JP

対象: D-6514

実験方法: 過去の実験時に記録されたD-2347の映像を視聴させる。

結果: 感染。実験終了後、D-6514はSCP-1320-JPの症状を示した。この際に確認された症状は、過去2回の実験で確認された症状よりも軽いものだった。過去の映像であっても感染者の症状を認識出来れば感染するものと考えられるが、影響の強さは低下するものと思われる。

実験記録 2000/1/26-1320-JP

対象: D-4247

実験方法: 音声に関しての一切の情報を与えず、過去の実験時に記録されたD-2347の音声のみを再生させる。

結果: 感染しなかった。実験終了後、D-4247に症状は認められなかった。感染者に対する情報が不足している場合は感染しないと考えられる。

実験記録 2000/2/4-1320-JP

対象: D-3279

実験方法: 音声に関しての詳細な情報を与え、過去の実験時に記録されたD-2347の音声のみを再生させる。

結果: 感染は確認されたが症状は非常に軽微なものだった。SCP-1320-JPの発症と症状の重さは感染者に関する情報量に依存していると考えられる。

実験記録 2004/10/1-1320-JP

対象: D-2229

実験方法: D-2229を通常のA型インフルエンザウイルスに感染させた上でSCP-1320-JPに感染させる。

結果: 感染。実験終了後、D-2229の症状が急速に重篤化した。医療措置を受けたが、D-2229は急性壊死性脳症1を患った。既にA型インフルエンザに感染している状態でSCP-1320-JPに感染すると症状が重篤化することが判明した。

実験記録 2006/1/6-1320-JP

対象: D-7432

備考: D-7432は実験の11日前に外部のSCP-1320-JPに感染した。実験時は回復している。

実験方法: D-7432にSCP-1320-JPを感染させる。

結果: 感染。実験終了後、D-7432はSCP-1320-JPの軽度の症状を示した。SCP-1320-JPに感染することで耐性の獲得が可能なものと推測される。

補遺2: 2014/7/14、西アフリカにおいてSCP-1320-JPと同様の異常性を持つ疾患が発見されました。現地に派遣されたエージェントが感染者を調査した結果、ザイールエボラウイルス(Zaire Ebola virus)と同一のウイルス粒子が検出されました。従来観察されていたSCP-1320-JPの合成するウイルス粒子はA型インフルエンザウイルス粒子に限定されていましたが、この一件以降アフリカ地域、アジア地域を中心に様々なSCP-1320-JPと同様の特性を持った病原が確認されています。現在までに確認されたA型インフルエンザウイルス以外のウイルス粒子を合成したSCP-1320-JP例は以下の通りです。

発生地域 発見されたウイルス粒子 推定感染者数 概要
西アフリカ地域 ザイールエボラウイルス(Zaire Ebola virus) 28512人 A型インフルエンザウイルス以外のウイルス粒子をSCP-1320-JPが合成した最初の例です。発見が遅れたため感染は拡大、多大な被害がもたらされました。
東南アジア地域 狂犬病ウイルス(Rabies virus) 69541人 罹患者の示す症状が顕著であるため、短期間で感染が拡大しました。また、従来では観測されていなかった動物2への感染も確認されました。現在は感染動物の徹底的な駆除、及び感染者の隔離によって沈静化しています。
東アジア地域 B型インフルエンザウイルス(Influenza B virus) 3618人 日本国内の医療機関を対象にした調査の結果、B型インフルエンザウイルスを合成するSCP-1320-JPが発見されました。
東アジア地域 麻疹ウイルス(Measles virus) 16196人 中華人民共和国を中心に感染者が増加しています。発疹を視認するだけでの感染が確認されており、完全な撲滅は困難であると見積もられています。
ヨーロッパ地域 [編集済] 6354人 SCP-1320-JPが未知のウイルス粒子を合成した唯一の例です。非常に高い危険性を持つ疾患であり、感染の拡大による多大な被害が見込まれた為、財団は各国政府と共同で感染者への大規模な終了措置を実施しました。現在まで新たな感染者は確認されていません。
北アメリカ地域 ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus) 132人 アメリカ合衆国西部で感染が確認されました。早期に発見されたためSCP-1320-JPの感染拡大は免れました。

調査の結果、SCP-1320-JPは1/2000ほどの確率で劇的な遺伝子変異を引き起こす事が判明しました。このうちの殆どはウイルス粒子の合成が不可能なものであり症状としても顕現しませんが、稀に既知のウイルス粒子と一致する遺伝子(又はそれと類似した遺伝子)が合成されます。これにより、様々なRNAウイルスに属する病原がSCP-1320-JPによって合成されているものと考えられています。











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