SCP-1326-JP
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SCP-1326-JP-A

アイテム番号: SCP-1326-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1326-JPは少なくとも600年以上蒐集院並びに財団による封じ込め措置を行われないままに内部実体の封じ込め及び民間人への存在の秘匿に成功しているため、特別な収容は必要ありません。

SCP-1326-JPへの侵入・退出に際して、複数人が同時に入場することは許可されません。SCP-1326-JP内に侵入する場合はクラスⅣ細菌災害時における財団の標準の防毒装備を着用してください。SCP-1326-JP内部では外部から持ち込んだ光源の使用は禁止されています。

儀式プロセス-1326-JPの詳細はSCP-1326-JP担当者にのみ通知されます。実行には財団倫理委員会及び財団日本支部理事会メンバー1名以上の承認が必要となります。

SCP-1326-JP-A内には大量の資料が破棄・焼却・損失された痕跡があります。判読可能な状態にある資料は全て回収され、サイト-8159の特殊資料保存庫に保存されています。閲覧には日本支部理事会メンバー1名以上の許可が必要です。

197█年改定: SCP-1326-JP-Aの周囲には防御サイト-1326が構築され、常に監視ポインタ-1326及び対秘術専門の機動部隊ろ-3("骨砕き")から選出された最低17名以上の警備員が配置されます。SCP-1326-JP-Aに積極的に接近しようとする人物は全て拘留・尋問して下さい。また、SCP-1326-JP内の実態群の総数が200体を超えることのないように定期的に殺処分が為されます。

SCP-1326-JP-Kには常に対秘術戦闘訓練を受けた15人以上の部隊で対処して下さい。SCP-1326-JP-Kの対策として世界オカルト連合との合同作戦案が提出されていますが、SCP-1326-JP-Kの更なる目撃情報が確認されていない為、現在では実動には至っていません。

説明: SCP-1326-JPは██県に存在するSCP-1326-JP-Aの地点-α(付属文書を参照)で儀式的な入場プロセス(儀式プロセス-1326-JP)を行うことで入場できる異常な建造物です。

SCP-1326-JP-Aは12世紀から15世紀の間に建築され、その後の何処かの時点で廃棄されたと見られる真言律宗式の寺院に見える建造物です。SCP-1326-JPは一部が不自然に欠損しており、構造及び当時の建築様式から推定される本来の大きさの約32%程度の構造しか残っていません。SCP-1326-JP-Aの門には「観容寺」と書かれた札が設置されていますが、「観容寺」という名前の寺院は歴史上存在しません。SCP-1326-JP-A及び周辺の地域はある種のミーム(SCP-1326-JP-B)的侵襲の影響下に置かれています。

SCP-1326-JP-Bは思考攪乱に基づく認識阻害を及ぼすミームであり、SCP-1326-JPの周囲約200mの範囲が影響下に置かれています。影響は主に知性体が影響下の土地へ近付く、或いはその認識を試みた際に発揮され、侵襲が開始した時点で対象の思考は影響下の領域から脱する結果へ誘導する観念に支配され、結果として試行は妨害されます。この効果は適切な認知抵抗能、あるいは[データ削除済]を持つ人間であれば十分に除去することができますが、[編集済]を摂取していない人間では他者からの誘導無くしてはSCP-1326-JP-Aに滞在し続けることは不可能です。

SCP-1326-JP-A内部に存在する地点-αの床面は隠し扉のような構造になっており、その周辺における儀式プロセス-1326-JPの実行により、扉が開放されてSCP-1326-JPへの入場が可能になります。扉に入場した際対象は瞬時に消失し、直後にSCP-1326-JPの特定の地点に再出現します。再出現の地点は固定のものであり、常にSCP-1326-JP内に存在する特定の扉の前です。SCP-1326-JPからの退場は、先述した扉を開くことで、対象が再び消失・地点-αでの再出現という形で可能となります。複数人での同時入場及び退出は、再出現の際に入場者同士の肉体の融合を引き起こします。

SCP-1326-JPは位置的には基底現実空間の外部に存在する木製の建造物です。SCP-1326-JPを外部から観測することはできず、現在での財団による調査は建造物内部の観察に留まっています。SCP-1326-JPの内部は仏教真言宗派の「仏堂」と呼ばれる建築様式に基づき建築されています。SCP-1326-JP内部は3階建、見かけ上の大きさは半径40m程度ですが、SCP-1326-JP内部における空間構造は非ユークリッド幾何学的な、多重位相-歪曲の状態にあり、実際にはそれ以上の大きさを持っています。例として、SCP-1326-JP内部に存在するいくつかの壁面は反対の方角に位置する壁面と滑らかに接続しており、また調査員は互いが"壁に立っている"のを目撃しています。また、SCP-1326-JP内部の空間歪曲について、SCP-1500-JP及びSCP-████-JPに発生している空間歪曲技術との酷似が指摘されています1

SCP-1326-JPの内部からは後述する異常存在の他に、幾つかの非異常性の物品が発見・回収されています。

  • 「観容論」と題された書物
  • 片側が三鈷杵、反対側が二鈷杵となっている金剛杵
  • 曼荼羅3点。図柄は異なるが、全ての画中に裸の男女が描かれている。
  • 真言密教における標準的な仏具27点
  • ヒトの骨を用いて作られた香炉

SCP-1326-JP内では、SCP-1326-JP-1,2,3実体により異常な性質に基づく生態系が構築されています。

SCP-1326-JP-1,2,3実体は全て遺伝学的には現行人類(Homo sapiens sapiens)の亜種あるいは一種であり、体質の異常な変質はSK-BIO2として指定される既知の生物種の身体的・遺伝的な変質に酷似していますが、サーキック・カルトの性質上教義である「サーキシズム」が日本に伝播する可能性は限りなく低く3、SCP-1326-JP作成にサーキック・カルトが関連しているとの仮説は否定されています。また、実体群の現行人類からの生物学的逸脱は意図された異常な肉体改造のみではなく、長年の近親交配による遺伝子変異4も含む結果であるとされています。SCP-1326-JP実体に共通する点として、血液の代替として機能する褐色で粘性の液体が挙げられます。この液体の摂取は人体において特に生殖に関連する身体器官の[編集済]、及び10-20時間に渡る多幸感を引き起こします。

SCP-1326-JP-1はSCP-1326-JPの中央部に静止している雑な球状の肉腫のような外見を持つ実体群です。SCP-1326-JP-1は直径約1.5mほどで、身体表面に40から70の孔が開いています。肉体は可変性ですが、SCP-1326-JP-1の肉体操作が意識的に行われているのか無意識的に行われているのかは不明です。SCP-1326-JP-1は表面・[編集済]・複数の子宮を除けば身体の約70%以上が骨組織で構成されており、運動神経及び多数の神経系が欠損しているために自発的な運動能力と感覚機能がありません。しかし、SCP-1326-JP-1は後述するSCP-1326-JP-2との[編集済]の際に時折身をよじる、身体を揺らすなどの行動を行うことがあります。これらの動作の原理は不明です。SCP-1326-JP-1は通常であれば生物学的な寿命を持たないことが判明していますが、実際にはSCP-1326-JP-2による暴力的な行動、あるいは後述するSCP-1326-JP-3の出産による消耗から、SCP-1326-JP内部での平均的な寿命は30年程度です。

SCP-1326-JP-2は大雑把な男性型の人型実体です。SCP-1326-JP-2は異所性骨化の兆候を示し、心臓・肺・性器・眼球以外の臓器及び身体器官は大部分が欠けているか、あるいは骨化しています。また、SCP-1326-JPの骨格は個々に異なる形で通常のヒト骨格からの逸脱5を示しています。SCP-1326-JP-2は常に極度の興奮状態にあり、一日の9割以上の時間をSCP-1326-JP-1との[編集済]に費やしています。実体の意識レベルは極端に低い値を示しており、経文の様なフレーズ6を繰り返し口にする他に意思疎通の兆候は確認されません。また、SCP-1326-JP-2は上述した血液の代替である粘性の液体を度々嘔吐しています。この行動によってSCP-1326-JP-2が"失血死"することも度々確認されています。

SCP-1326-JP-3はSCP-1326-JP-1が出産する実体であり、男性型と女性型がそれぞれSCP-1326-JP-3a,bと指定されています。SCP-1326-JP-3は主に脊柱後弯症・全身性脱毛症の症状を含む様々な奇形を発現しています。SCP-1326-JP内で行われている長年の近親相姦に伴う奇形の発現として、これらの奇形症状が異常なものであるのか非異常なものであるのかは未判明です。SCP-1326-JP-3bは初潮の後に腹部が肥大し始め、目や耳などの感覚器官を含む主要な身体の臓器が徐々に減少し、以後5-7年程かけてSCP-1326-JP-1の成体と似た外見に成ります。

SCP-1326-JP-2,3は照度40ルクス以上の環境下では非常に攻撃的になり、光源に向かって積極的に攻撃を仕掛けます。平時のSCP-1326-JP内は内部に設置された蝋燭7によって全域が薄暗く照らされており、常に25ルクス以下の状態に保たれています。

SCP-1326-JP-4はSCP-1326-JP内に存在する像です。異常な点として、一般の造形物と比べて極めて高い内部ヒューム値を保持しています。
SCP-1326-JP-4の外観は大型の食肉類の身体に男性の顔を模した頭部を持ち、台座に座った体勢を保っています。推定される全長は約6mであり、尾の長さを含めれば8.2mになります。また、口元には直径33.3cmの牙が付属しています。SCP-1326-JP-4は右手に短剣、左手に青色に染められたハス(Nelumbo nucifera)の花を持っており、また座っている台座は仏教において蓮華座と呼ばれる方式の台座であり、ライオン(Panthera leo)を象った像8の上に備え付けられています。SCP-1326-JP-4は人間の頭蓋骨をつなぎ合わせ、加工9することで製作されたと推測されます。SCP-1326-JP内で死亡したSCP-1326-JP-1,2,3実体の死体は主にSCP-1326-JP-2によって粗雑に解体され、SCP-1326-JP-4の口内に押し込まれています。SCP-1326-JP-4の口内に押し込まれた死体は消失します。

仏教学を専門とする財団宗教学部門の研究者は、SCP-1326-JP-4の像容、特に服装や装飾品に関して仏教における「文殊菩薩」の像容とほぼ同じものであると証言しました。また、財団宗教学部門の中国伝承課は、SCP-1326-JP-4が模している人型実体の特徴について中国神話に登場する檮杌10と呼ばれる存在との外見上の類似を指摘しています。しかし、檮杌が日本において崇拝された歴史は存在せず、当然のことながら文殊菩薩と同一視された歴史はありません。現在財団では非公式な「檮杌」に纏わる記録と併せての研究が進行中です。

197█年追記-事案記録-1326-2: 197█年█月、SCP-1326-JPは未知の存在(SCP-1326-JP-Kと指定)に襲撃されました。SCP-1326-JP-Kは駐在していた2名の警備員を殺害後、SCP-1326-JPへ通じる隠し扉の破壊を試みました。事案発生から約2時間後、交代の警備員2名がSCP-1326-JP-Aに到着した際には既に扉は破壊され、SCP-1326-JP内部からは複数のSCP-1326-JP-2が脱走していました。警備員2名はサイト-8174に連絡後、通信が途絶しました。殉職した警備員の増加した骨格は発見から約2時間で消滅した為、分析は為されていません。

連絡から30分後に機動部隊か-2が到着し、脱走していた50体余りのSCP-1326-JP-2との交戦が開始しました。財団側はSCP-1326-JP-2の攻撃によって装備を破壊された隊員4名の被害を出しながらも、収容違反による暴動は機動部隊到着から1時間12分後に制圧されました。SCP-1326-JP-Kは交戦の最中に行方不明となりました。また、初期に脱走していたSCP-1326-JP-2によって周辺に存在した民間人3名の被害が確認されています。脱走個体は交戦開始から47分後に到着した第3次部隊によって全て終了されました。破損したSCP-1326-JPは蒐集院から引き継がれた空間操作術を用いて修復され、対秘術に特化した防御サイト-1326が構築されました。

SCP-1326-JP-Kは仏教における僧服を着用した禿頭の男性型実体です。SCP-1326-JP-Kに関する情報は事案記録-1326-2の際の観察結果のみであり、起源・能力・身体情報・思想・SCP-1326-JP襲撃の理由は未判明です。事案記録-1326-2の観察から、少なくとも有機物操作・極めて強力な14世紀頃の標準秘術・突発的な消失等の能力を持っていると推測されます。SCP-1326-JP-Kは未収容です。

また、SCP-1326-JP-1,2,3が認識改変能力を保持していることが判明しました。SCP-1326-JP-1,2,3はこの特性を制御しているように見えず、通常では生存している間常に影響が発動しています。SCP-1326-JP-1,2,3はこの影響により認知抵抗値が一定以下の人間が肉眼で視認した場合、本来の姿ではなく通常のヒトの様に視認されます11。この特性はSCP-1326-JP-BによりSCP-1326-JP及びSCP-1326-JP-A内に侵入する人物の認知抵抗能が一定以上に限定されていた為、事案以前までは未判明な特性でした。


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