SCP-1345-JP
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アイテム番号: SCP-1345-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Euclid

特別収容プロトコル: 海上保安庁の協力の下、東経142度21分/北緯31度34分から半径1kmを航行禁止区域に指定するとともに、高解像度水中カメラおよび録音機を搭載した水中ドローン3機により、常時SCP-1345-JP及び周辺の当該エリアの海底をモニタリングしてください。SCP-1345-JP-Aが出現SCP-1345-JP及びSCP-1345-JP-Aが再出現した場合、映像と音声を観察・記録するとともに、外見的特徴を元にSCP-1345-JP-A-aを特定してください。特定されたSCP-1345-JP-A-aに対してはインタビューを行い、クラスB記憶処理を施した上で解放した上で、その後も精神状態を定期的に観察してください。また、当該エリアに許可無く接近する船舶及び潜水機器は警告の上で拿捕し、乗組員に対しては尋問の上、記憶処理を施して解放してください。SCP-1345-JP-Bは個別に標準人型収容室に収容されます。鏡等のSCP-1345-JP-Bの姿を映す物品を収容室内へ持ち込むことは禁止され、SCP-1345-JPと対話する際は対象の外観に言及することを避けてください。SCP-1345-JP-Bに対して一日に一度カウンセリングを実施し、SCP-1345-JP-Bの要求があればサイト管理官の承認を得た上で、絵本・画用紙・クレヨン・人形等の娯楽品を提供することが可能です。

説明: SCP-1345-JPは東経142度21分/北緯31度34分で観察されるされた人型実体です。対象は毛髪が頭足類の触手に置き換わった女性の姿を取り、頭部の触手は身体の数倍に伸びて絡み合いながら対象の身体を包み込んでいます。また、SCP-1345-JPは常時瞳を閉じて静止し、後述するSCP-1345-JP-Aが出現する場合を除いて移動することはありません。

SCP-1345-JPは肉眼で視認することができず、ビデオカメラ等の映像機器を介した場合のみ観察が可能です。対象と物理的に接触することはできず、コミュニケーションを取る試みも失敗に終わっています。しかし、SCP-1345-JPは不特定のレム睡眠中の人物の夢に出現するため、当該海域で何らかの要因によりBIV1と類似するメカニズムが生じ、映像機器を用いて観察される夢界実体であると考えられています。また、SCP-1345-JPはSCP-1587-JPとの類似性が指摘されていますが、詳細は不明です。

SCP-1345-JPの周囲には時折、夢界実体と推測される人型実体が出現します。この実体をSCP-1345-JP-A、夢を見た人物をSCP-1345-JP-A-aと呼称します。SCP-1345-JP-Aの外観はSCP-1345-JP-A-aと酷似していますが、眼球・腹部・胸部等、身体部位の一部が巨大化しており、これらの巨大化した部位はSCP-1345-JP-A-aが劣等感を抱いている部位であることが確認されています。SCP-1345-JPの観察が開始されてから現在までに27体のSCP-1345-JP-Aが確認されており、このうち18人のSCP-1345-JP-A-aの特定に成功しています。年齢や性別、居住地域等、SCP-1345-JP-A-aには共通点は見らず、また観察が開始される以前にもSCP-1345-JP-Aが出現していたと推測されるため、SCP-1345-JP-A-aの正確な総数は不明です。

SCP-1345-JP-Aは出現後、SCP-1345-JPへ接近して会話を試みます。SCP-1345-JP-AはSCP-1345-JPを「魔女」、「魔法使い」等と呼称し、自身の巨大化した身体部位を更に大きなものにするように懇願します。これに対してSCP-1345-JPは日本語で7・7・7・5音の言葉を繰り返し語りかけ、SCP-1345-JPの言葉を受けたSCP-1345-JP-Aは巨大化した部位を縮小させます。最終的には標準的な人間の部位のサイズに至った時点でSCP-1345-JP-Aは消失し、SCP-1345-JP-A-aは覚醒します。また、インタビューの結果、覚醒後のSCP-1345-JP-A-aはそれ以前に抱いていた劣等感を消失していると考えられます。

2017年██月██日、SCP-1345-JP-A-27が出現後、SCP-1345-JPが消失しました。これ以降SCP-1345-JP及びSCP-1345-JP-Aの出現は確認されておらず、また、これ以降SCP-1345-JP-A-aは一様に、消失した劣等感を再び抱いていると証言しています。このためSCP-1345-JPは2019年██月██日にNeutralizedに指定されましたが再出現の可能性は否定できず、当該エリアの監視は継続されます。

2019年██月██日年、SCP-████-JPに対して行われた実験中にSCP-1345-JPと類似する実体が出現しました(詳細はインシデント記録_████_2019/██/██を参照)。このインシデント以降SCP-1345-JPのNeutralized指定は解除され、出現した実体はSCP-1345-JP-Bに指定されました。

SCP-1345-JP-Bは頭髪が頭足類の触手に置き換わった人型実体群です。外観はいずれも4歳前後の女児に見え、知能や身体能力も概ね外観に準じた水準であり、拙いながらも日本語で会話が可能です。また、検査の結果遺伝子は対象がヒトに属することを示し、その異常性を除き生理機能も一致しますが、個体ごとに身体の異なる部位が巨大化しています。SCP-1345-JP-Bは強いストレス環境下に置かれると、各自の巨大化した組織が自壊し始めますが、同時に強力な再生能力を獲得し、自壊した組織は速やかに再生されます。再生後の身体部位は自壊以前よりも僅かに巨大化していることが確認されています。SCP-1345-JP-Bはいずれも自身の巨大化した身体部位について言及された場合に、特に強い精神的苦痛を示します。この理由についてSCP-1345-JP-Bは一様に、自身の巨大化した部位が小さいことに強い劣等感を抱いていることを証言しています。

補遺1: <SCP-1345-JP-A実体リストの抜粋>
番号 身体的特徴 備考
SCP-1345-JP-A-1 セーラー服を着用した、10代後半と思われる女性。鼻及び口が顔面の半分近くを占めるほど巨大化している。 最初に観測されたSCP-1345-JP-A実体。着用した制服からSCP-1345-JP-A-aは██高等学校に在籍する森███氏であると確認された。
SCP-1345-JP-A-2 リネンシャツとジーンズを着用した、20代前半と思われる女性。眼部が異常に巨大化している。 SCP-1345-JP-A-a特定には至らず。
SCP-1345-JP-A-6 陸上競技用トレーニングウェアを着用した、20代前半と思われる男性。大腿部と下腿部の筋肉が異常に発達している。 SCP-1345-JP-A-aは██大学に在籍する高███氏であると確認された。氏は陸上競技部に所属していた。
SCP-1345-JP-A-11 オレンジ色のツナギを着用した、30代後半と思われる男性。顔面に特徴的な入れ墨が見られる。手首から手指にかけて50cm程に巨大化している。 SCP-1345-JP-A-aはサイト-81██で雇用されているD-58551であると確認された。
SCP-1345-JP-A-17 セーラー服を着用した、10代前半と思われる女性。脚部と胴体が異様に伸長している。 SCP-1345-JP-A-aは███中学校に在籍する村████氏であると確認された。
SCP-1345-JP-A-19 スーツを着用した40代~50代と思われる男性。腹部が球状に巨大化している。 SCP-1345-JP-A-a特定に至らず。
SCP-1345-JP-A-23 トレーニングウェアを着用した30代と思われる男性。全身の筋肉が著しく肥大化している。 SSCP-1345-JP-A-aはボディビルダーの中████氏であると確認された。
SCP-1345-JP-A-27 全身の肉が極度に肥大化した実体。衣服は着用しておらず、発言内容から女性と推測される。 映像記録_1345-JPA27_2019/██/██を参照。



補遺2: <インシデント記録_████_2019/██/██>
2019年██月██日、SCP-████-JPの実験中、SCP-1345-JPと外観が類似する実体が出現しました。

SCP-████-JP概要: SCP-████-JPは異常性を有するマタニティレギンスです。全国の衣類販売店で発見されており、いずれも「着るだけで楽々ボディトレーニング!出産後も元のスマートBODY!」という広告文がピンク色を基調としたパッケージに印刷されています。妊娠中の女性がオブジェクトを着用した場合、オブジェクトが皮膚と癒着・同化し、皮膚と同様の機能を有するようになります。これにより着用者はオブジェクトを脱ぐことが不可能となりますが違和感を抱くことはありません。この状態で着用者が排泄行為を行った場合、排泄物はオブジェクトに触れると即座に消化・吸収され、栄養素として着用者に還元されます。また、胎児も排泄物と同様に、出産後に胎児は直ちにオブジェクトに消化・吸収され、着用者へ栄養素として還元されます。その後、還元された栄養素を消費して着用者は自身の肉体の新陳代謝を異常に活性化させ、肉体を妊娠以前の体型に再構築します。再構築後、オブジェクトは着用者の肉体と完全に同化し異常性を消失します。


補遺3: インシデント後、複数の民間人や産婦人科委員から“妊婦が肉の塊に変身した”という通報が寄せられました。機動部隊が急行したところ、各現場でSCP-1345-JP-Bに類似する人型実体及び人体と結合したSCP-████-JPの破片を発見し、収容しました。収容された実体群はSCP-1345-JP-Bと同様の特徴と異常性を有しますが、手ではなく、眼球等それぞれ異なる身体部位が巨大化しています。これら実体はSCP-1345-JP-Bに指定され、発見順にナンバリングされました。一部のSCP-1345-JP-Bは変化前の容貌が未特定のSCP-1345-JP-A-aと類似していることが指摘されています。

2019年██月██日、全国の衣類販売店から「着用者の体質により皮膚炎を発症させる事例が報告された」ことを理由に、未収容のSCP-████-JPが回収されていることが判明しました。

2020年██月██日、SCP-████-JPが再度全国の衣類販売店で発見されました。パッケージデザインほぼ同一ですが、商品説明に「バストアップ、ヒップアップ等あなたの気になる部位のボディライン矯正にも効果があります」という一文が追記されています。Dクラス職員を用いた実験では、SCP-████-JPを着用した場合、着用者がコンプレックスを抱く部位3を自壊させるとともに急速に再生、肥大化させる異常性が新たに付与されていました。これは、着用者の排泄物から得られる栄養素が利用されていると考えられます。

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