SCP-1363-JP
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アイテム番号: SCP-1363-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: その性質上、SCP-1363-JPの収容は現在の財団の技術では不可能であると考えられています。またイベント1363-JP以降、同様の異常現象は現時点に至るまで確認されていません。しかし再発生の可能性が否定できないこと、および再発生した際の影響度の高さを考慮し、当報告書はサイト-81██の最重要文書収容ユニットに保管し、同時に各サイトの記録媒体にバックアップを維持してください。

説明: SCP-1363-JPは、財団内部に存在するデータベース、および財団職員の記憶に対して発生する異常現象と考えられています。

SCP-1363-JPは19██/██/██/12:15から約40時間以内に連続して発生した、一連の大規模収容違反(以下イベント:1363-JP。再収容を含む、事件記録1363-JP-001から1363-JP-354までが該当)の際に確認されました。イベント:1363-JPについては資料:1363-JP-001から1363-JP-104までを参照してください。20██/██/██現在、収容違反を発生させた全てのオブジェクトは再収容が為されており、複数のSafe級・Euclid級オブジェクトは異常性を喪失する、或いは破壊されたことにより、Neutralizedとして再設定されています。該当するオブジェクトは資料:1363-JP-005を参照してください。

資料:1363-JP-001:イベント:1363-JPの記録
収容違反、並び発生したアクシデントの数が膨大である為、以下にはイベントの概要として主たる事象のみを記載しています。全ての記録を確認する場合は資料1363-JP-003を参照してください。
発生日時 内容
19██/██/██/12:15 Keter級オブジェクト、SCP-███が予期しない暴走を開始し逃走。サイト-[編集済]はほぼ全壊し、収容機能を喪失。
19██/██/██/16:48 Keter級オブジェクト、SCP-████-JPが過去に確認されていなかった異常性を発揮し逃走。混乱に乗じる形で、複数のEuclid級オブジェクトの収容違反が発生。
19██/██/██/21:19 要注意団体████により、多数のSafe級・Euclid級オブジェクトが拡散。
19██/██/██/05:11 全サイトの低脅威度オブジェクト収容ユニットの機能が同時に喪失。
19██/██/██/05:24 Keter級オブジェクト、SCP-████がEuclid級オブジェクト、SCP-████の収容違反による混乱に乗じ逃走。同時に多数のSafe級オブジェクトを収容ユニットから奪取。
19██/██/██/06:01 O5権限により緊急事態宣言が発令。
19██/██/██/08:01 機動部隊█-█████が無力化、SCP-███の追跡を断念。
19██/██/██/09:51 ██支部の通信が断絶。
19██/██/██/11:40 Keter級オブジェクト、SCP-████-FRが過去に確認されていなかった異常性を発揮し逃走。
19██/██/██/15:21 Keter級オブジェクト、SCP-████-KOが予期しない挙動を起こし逃走。
19██/██/██/17:11 ███支部の通信が断絶。
19██/██/██/18:29 要注意団体█████████████により、多数のSafe級・Euclid級オブジェクトが拡散。
19██/██/██/18:45 全ての機動部隊の無力化を確認。
19██/██/██/19:45 Keter級オブジェクト、SCP-████-JPが上述のSCP-███-JPの協力により収容ユニットから逃走。
19██/██/██/20:11 Keter級オブジェクト、SCP-████が本来のサイクルを無視する形で活性化。
19██/██/██/01:44 ████支部、██支部の通信が断絶。
19██/██/██/03:26 全ての通信が断絶。
19██/██/██/03:28~03:58 全てのオブジェクトが再収容、全ての通信が回復。事態は終息しました。

SCP-1363-JPの主たる異常性は、イベント:1363-JPにおける記録の大半の消失として現れています。事件記録:1363-JP-354の後に全職員を対象として実施されたインタビューにおいて、全ての対象者がイベント:1363-JPの開始、進行、および終息における記憶の大半を喪失していることが判明しました。大まかな収容違反の流れ、通信の断絶といった事象については認識・記憶が確認されていますが、収容違反に対する対応手段、再収容までに至った経緯といった詳細に関しては一切残存していません。同時に全てのサイトの映像・通信記録の再調査が行われましたが、イベント:1363-JPに関連する記録は原因不明のノイズが多数混入し、大半が破損しています。各オブジェクトの再収容が行われたと考えられる19██/██/██の午前3時28分から同日午前3時58分にかけてこれらの現象は特に顕著に表れており、該当する時間帯の記録および記憶は完全に失われています。これらの異常現象は収容違反を発生させた全てのオブジェクトの異常性と関連が認められませんでした。

収容違反を引き起こしたオブジェクトの多数がK-クラスシナリオを引き起こしうる存在でありながら、イベント:1363-JPにおいては1名の死者も確認されていません1。イベントの規模の都合上、追跡調査は現時点でも進行中ですが、財団外部においてもこの点は同様です。また、イベント:1363-JPにおいて、現時点では組織・個人を問わず一般人のオブジェクトとの接触は確認されていません。これらがSCP-1363-JPの付属的な特性によるものかは不明です。

イベント:1363-JPの記録の復旧は、現在財団の最重要目的のひとつとなっています。

補遺: オブジェクトクラスの決定にあたり、発生したイベントの重大性を鑑みてKeterとする意見、イベント自体は再発生の可能性こそあるものの既に終了している点を考慮してNeutralizedとする意見が存在しましたが、あくまで映像・通信記録、および財団職員の記憶に対する影響のみをSCP-1363-JPとして認定し、Euclidとして設定されました。

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