SCP-1375-JP
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通達の通達

通達されました。

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SCP-1375-JP-1(██歳時点)

アイテム番号のアイテム番号:

オブジェクトクラスのオブジェクトクラス: Unclassed

特別収容プロトコルの特別収容プロトコル: 標準的人型生物収容室はそのサイトの規格に沿ったものであるべきです。サイト-8141では、標準的人型生物収容室の規格は幅4m、奥行き3m、高さ3mと定められています。標準的な収容対象の生活スケジュールは対象の健康を損なわないように設計されるべきです。SCP-1375-JP-1が模範的であるかどうかの判断は、対象の専属である宮田カウンセラーと、研究主任の種井博士に委ねられます。模範的収容態度の見返りは、基本的な対人収容ガイドラインと収容対象の異常性を加味した上で、可能な限り本人の希望に近いものが適用されます。

生物の死体への腐敗防止処理は冷凍保管が奨励されています。特に危険性/移動性が無いアイテムである限り、それを収容したケースは基本的にAnomalousアイテム保管区域もしくは不動性Safeクラスオブジェクト保管区域に安置されます。反ミーム部門とサイト-8141のアイテム受け渡しは、サイト-8141外交官のいずれかの人員と、反ミーム部門のクレンズ博士によって行われます。

説明の説明: SCP-1375-JPは財団で扱われる報告書に用いられるアイテム番号のうちの1つです。

SCP-1375-JP-1はSCP-1375-JPが複数のアノマリーが関係する存在だった場合に、追加の存在を指定するために用いられる指定番号です。網代姓は主に本州、四国に広く分布している苗字です。日本人の年齢毎の平均的な身長/体重に照らし合わせると、大柄な体格です。この報告書もSCP-1375-JP-1及び2の影響範囲内であり、"説明の説明"等が主な例です。SCP-1375-JP-1の情報が描写された画像、SCP-1375-JP-1の情報を含んだ音声、又はそのどちらか一方でも含んだ動画であり、単なる視覚的イメージは残存します。本報告書執筆時点で25日前です。

SCP-1375-JP-2はSCP-1375-JPが複数のアノマリーが関係する存在だった場合に、追加の存在を指定するために用いられる指定番号です。完全に同様の抗記述性であり、SCP-1375-JP-1と差異はありません。ここでいう未知とは後述の反ミーム性によって研究が進んでいないことを指しており、SCP-1375-JP-2が既知の魚類の異常種である可能性は残されています。証言によれば頭部の半分と胴体の殆どが失われています。反ミームとは自己検閲特性、即ち情報の拡散を妨害、阻止する性質です。視認/接触等の干渉、重量測定・音響判定・圧力センサー等の検査が行われました。非実体化しているのか、検査結果を正しく読み取れていないのかは不明です。釣り竿はモデルを問いませんが、針の部分のみです。実行した人間の重量感覚でしか立証出来ませんが、非常に高い割合で「何か引っかかっている」と証言されました。過去のSCP-1375-JP-1の干渉はインタビュー記録を参照してください。5つのケース(うち1つにSCP-1375-JP-2)から、高い精度で正しいケースを選ぶことが可能です。

抗記述性を持つオブジェクトの例としてSCP-1785が挙げられます。財団は標準的な聞き込み調査とSCP-1375-JP-1の保護、SCP-1375-JP-2の回収に成功しました。電子的なデータは完全削除、SCP-1375-JP-1の地元に残っていた非電子的な資料はすべて回収され、代替品が設置されました。「宏さん」「宏一さん」といった呼び名が主で、この仕事を47年間継続していました。インタビュー記録は削除されました。インタビュー記録のインタビュー記録が説明の説明の後に添付されています。証言が真実なら、この時点ではSCP-1375-JP-1はSCP-1375-JP-2に干渉出来る状態だったと言えます。

インタビュー記録のインタビュー記録

対象: 稲川研究員

インタビュアー: 種井博士

付記: SCP-1375-JP-1にインタビューを実施した稲川研究員にインタビューが実施されました。

<録音開始, 20██/██/██>

種井博士: それではインタビューのインタビューを開始します。

稲川研究員: はい、SCP-1375-JP-1に行ったインタビューについてのインタビューという認識でよろしいですか?

種井博士は頷き、インタビュー記録が印刷された用紙を取り出す。

種井博士: まずはインタビューお疲れ様でした。さて、あなたにはマニュアル通りの幾つかの質問と、SCP-1375-JP-1がどのようにして現在の異常性を獲得したのかを聞き出すように指示しました。

稲川研究員: はい、その観点で言えばインタビューは成功したと思います。

種井博士: ありがとうございます。マニュアルに載ってる質問については省略して、まずあなたは「この異常性に心当たりはありますか?」という質問をしましたね。

稲川研究員: はい、問題無かったでしょうか。インタビューは不慣れでして。

種井博士: 変に遠回りをしても意味はないですからね。本人が異常性に苦しめられている場合はもっと事前の会話から機嫌を探るべきですが、今回はそうではないので。

10秒間、種井博士はインタビュー記録の印刷された用紙を読む。

種井博士: 成程、この後はSCP-1375-JP-1の語りが長く続きますね。

稲川研究員: そうですね、次に私が声を発したのは確か……

種井博士: 「その海はどの辺りでしょうか?」ですね。

稲川研究員: ああ、それです。回答はメモしてあるのですが、どこを指しているのか分からずじまいでして。

種井博士: 調べてみましたが、ローカルな呼び方のようですね。高知県の███のことです。

稲川研究員: ああ、なるほど。

種井博士: さて、次にあなたが質問したのは「天候はどのような様子でしたか?」というものですが、これはどのような意図で?

稲川研究員: 考えてみれば、海釣りに行くのですから悪天候なはずはありませんでしたね。ただ、用紙を見てもらえれば分かりますが「その日の海はいつもと違った」と供述しているので、何か決定的に違う所は無かったのかな、と。

種井博士は用紙を再度確認する。

種井博士: 成程確かに。しかし結局、決定的に違う箇所はないという結論に落ち着いていますね。勘、というものでしょうか。

稲川研究員: SCP-1375-JP-1が何故-2を探知出来たのかも、結局は勘という他ないですからね。

種井博士: さて、ここからインタビューはSCP-1375-JP-2への話題に移っていってますね。

稲川研究員: ……「引きが強くて釣り辛いのではなく、慎重に釣らないと釣った事を忘れそうになる」やら「リールではなく記憶との闘いだった」やら、理解し辛い表現の連続でしたね。適当を言っているんじゃないかとすら思いました。

種井博士: 仕方ないことですよ。あなたは反ミーム部門の人間ではないので理解し難い表現だと思います。そして、SCP-1375-JP-1は釣りという分野に限定されているものの、反ミームを自身の経験で克服していますね。幼い頃から釣りをし続けた経験の成せる業と言えますね。

稲川研究員: うーん、よく分かりません。そもそも反ミーム部門でもなく、釣りにも高知県にも詳しくない私がどうして今回のインタビューに起用されたのでしょう?

種井博士: それは追々話します。次があなたの行った最後の質問ですね。「それをどうしたのですか?」という質問ですが。

稲川研究員: はい。現在のSCP-1375-JP-2の状態を見れば大体予想は付きますが。

種井博士: そうですね。しかしSCP-1375-JP-2は死体になっても反ミーム性を維持しており、SCP-1375-JP-1は時間の経過と共にその反ミーム性への抵抗方法を「忘れた」というのが主な説ですね。そして抗記述性を受け継いだ、と。

稲川研究員: 反ミーム云々は分かりませんが、そのお陰で我々がサンプルの大部分を獲得出来たのは幸いでしたね。焼いたり、完全に解体するような方法でなかったのも幸運ですか。

種井博士: ええ。改めてインタビューお疲れ様でした。自身の分野とは違う話題が多くて苦労されたことだろうと思います。

稲川研究員: そこなんですが、何故私にインタビューを担当させたんですか?

種井博士: まず第一に、このインタビューのインタビューは実際には行われていないということを思い出してください。実際に行われたのはあなたがSCP-1375-JP-1に行ったインタビューであり、この会話はSCP-1375-JPの異常性によって捏造されたものです。

両者はインタビュー室のカメラに顔を向け、数秒後に元の視線に戻す。

稲川研究員: でも、それがどうかしたんですか?

種井博士: 捏造されたインタビュー記録のインタビュー記録でも、登場人物のパーソナリティは維持されるんです。あなたが今回の分野に疎ければ疎い程、さっきのように実際に行われたインタビューから台詞を引用してくれる確率が上がるんですよ。「リールではなく記憶との闘いだった」でしたか。また、私の方にも説明の必要が生じますからね。

稲川研究員: なるほど、合点が行きました。あまり順調にインタビューのインタビューが行われても困る、ということですね。ところで、何故あなたは私のインタビュアーになれたのですか?

種井博士: 私はSCP-1375-JPの研究主任ですからね。他の人物が登場しているインタビューのインタビューもありますよ。今回はたまたま上手くいったんです。恐らく本報告書に採用されることでしょう。

稲川研究員: 今までに行われたインタビューのインタビューを全部載せれば、情報の精度は十分なものになるのでは? それか、あなたが今持っているインタビューの用紙をそのまま読み上げれば……

種井博士: 難しいというか、不可能だと思いますよ。情報閾値というのですが……あんまり話題が逸れるのは好ましくありませんから、そろそろこのインタビューのインタビューを終了しますか。

稲川研究員: はい。抗記述性でしたっけ、難しいものですね。

種井博士: ええ、とても。

<録音終了, 20██/██/██>

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