SCP-1398
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アイテム番号: SCP-1398
 
オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1398はサイト-19の安全オーディオストレージユニットに保管してください。SCP-1398-1の再生は防音実験チャンバーで実施しなければなりません。実験を行う職員は、常にタイプRノイズキャンセリングラジオヘッドセットを着用しなければなりません。

被験者は試験オペレータとの通信を可能にし、SCP-1398-1の異常性の転記を容易にするために、標準的な職員用マイクを装着してください。実験管理者の裁量により対象に鎮静剤を投与することも可能です。

Dクラス職員以外の被験者を使用するためにはレベル4の承認が必要です。SCP-1398-1-6の再生を含む実験にはエスピノザ博士の承認および実験中の医療補助員の立会いが必要です。

SCP-1398-1-1のさらなる再生は禁止されています。

説明: SCP-1398は 標準的な12インチのLPレコードに収録されているグレイトフル・デッド1のアルバム『スケルトンズ・フロム・ザ・クローゼット: ザ・ベストオブグレイトフル・デッド2の複製であり、LPレコード自体およびアルバムカバーはそれぞれ、SCP-1398-1およびSCP-1398-2と指定されています。SCP-1398-1に収録されているオーディオトラックは、SCP-1398-1-1からSCP-1398-1-11と指定されています。

このアルバムは1994年██月██日、エージェント・ビットナーが彼女の亡くなった叔父である██████ ███クリンジの資産の整理をしていた際に発見されました。クリンジ氏の存命である友人に対する尋問から、当該アルバムはおそらく1977年初頭に█████、██にある名称不明のレコード店から新品で購入されたものであることが明らかになりました。クリンジ氏が亡くなるまで個人的なレコードコレクションとして保管されていたにもかかわらず、クリンジ氏および他の聴取者もSCP-1398の異常な特性を認識していませんでした。

SCP-1398は前述のアルバムの他の複製と物理的に区別できませんが、トラックリストが少し変更されています。代表的なアルバムでは最初のトラックが 『ゴールデンロード(限りなき愛へ)』と掲載されているに対し、SCP-1398-1とSCP-1398-2の両方では代わりに『ゴールデンロード(限りなき█████████へ)』と掲載されています。

SCP-1398の異常性は、SCP-1398-1がその異常を知覚することができる人物の存在下で再生されたときに発現します。聴取者はわずかな不安感およびアルバムの他の複製に収録されている録音から大幅に逸脱しているように聞こえると訴えます。曲の音楽的なアレンジは変化していませんが、歌詞は部分的あるいは完全に変更されており、通常の録音とは明らかに異なる物語やテーマを含んでいます。

これらの変化は-構成には一貫性があるにもかかわらず-被験者には一貫性がないように聞こえ、異常な歌詞の認識はSCP-1398-1の再生に最初に曝露した被験者によって大きく異なります。ほとんどの被験者は単一の曲の変化しか認識できませんが3、一部の被験者は複数の曲4、あるいはすべての曲の変化を認識することが可能です5。少数の対象は再生中の異常を全く認識できません6

最初は異常性を知覚できなかった人物を除いて、繰り返し再生セッションを受けた聴取者は徐々に更なる歌詞の逸脱を知覚できるようになり、それらを聞く規則性が増していきます。しかし、これにはセッション中の不安感の増大と、さらなる実験への意欲の急激な低下が伴います。実験対象に化学的な鎮静剤を投与することはこの問題を緩和する上で比較的成功していることが明らかになっています。

SCP-1398-1の異常性を録音しようとする試みは—LPレコードから直接録音するか、再生時に追加の録音装置を使用して録音するかを問わず—すべて失敗しており、その代わりに(歌詞やその他の点において)異常性のない録音が生成されます。

現在までに、歌詞の逸脱の分類化は約40%完了したと推定されています。すべてのトラックは少なくとも部分的には転記されています。転記の進捗状況の概要については以下を参照してください。

トラック番号 トラックタイトル 説明 転記された歌詞のサンプル
1 ゴールデンロード(限りなき█████████へ) 補遺1398-01aを参照
2 運び屋 世界的な核戦争の余波を描いています。 DC、2つか3つやられた/ モスクワ、テルアビブまで吹っ飛んだ/ ロンドン、ガレキ以外に何もない/ そして悲しむ者は誰もいない/
3 ローズマリー 若い女性が不特定多数の病気に感染し、共用の井戸に飛び込むことで強姦魔とその妻子を殺していく物語。 彼女はたらふく食って吐いたが恐れはしなかった/ 汚物は彼女の体が腐っていくのに合わせて変わっていった/
4 シュガー・マグノリア 溺死体への憧れと欲望を表現しています。 シュガー・マグノリア、腐りながら咲く花、真ん中には何もないけど俺は気にしない/ 川のほとりで赤ん坊を見た、彼女のすごい悪臭が空気中に漂っていたよ/
5 セント・ステファン 人類とその過去における終焉の解説。人類の想定される終わりは特定されていません。 人類はその時代に繁栄し、育ち、建設し、その後衰退した。/ 飢饉のせいか?戦争のせいか?/ おかしな答えだな、もうどうでもいいのか/
6 アンクル・ジョンズ・バンド 補遺1398-01bを参照
7 ケイシー・ジョーンズ 軽蔑するように聴取者に自殺を促します。 そんな嘘で生きて、死ぬのを待て/ お前が脱落者なのは知っている、人生を終わらせろ/ 先に悩め、後に悲しめ/ 誰をバカにしてるんだ?なぜ身に任せないんだ?
8 メヒカリ・ブルース 語り手が売春婦を切断して部分的に消費し、法務官に切断されて消費されるまでの物語を概説しています。 俺は彼女を地下室に連れて行き耳元で囁いた/ さぁ叫んでも無駄だと/ 太ももから切り始め、終いには腕まで切った/ こんなすごい入れ墨を切るなんてもったいない/
9 お前の愛の光を点けろ 太陽に向けられた歌で、超新星状態になるよう促しています。 お前の火を燃やして、俺たちを輝かせろ、お前の行く末を照らせ/ すべて燃やして照らせ、照らせ、照らせ/  …  ダイヤの炉に来てくれよ、頼むから焦げた愛を炙り出してよ/ お前の炎に火をつけて俺を飲み込め/ お前の愛の光を灯して俺を火葬してくれ/ 照らせ、照らせ、照らせ/
10 土曜の夜をもう一度 無名の神への儀式的な人間の生け贄の例を詳述しています。 谷間を歩き、聖堂にお布施を置いてきた。/ 天を見上げて、俺は強い兆しをみた。/ 夜空を横切って書かれた火は、黒と白のように地味だ/ 聖なる飢えを癒すか一季の暗い影に立ち向かうか/
11 悪魔の友 擦れた子音と耳障りな鳴き声が混ざった難解なもの。 識別可能な単語は転記されていません

備考: これはテストシリーズ 1-16で収集されたデータの概要です。完全な実験データおよび転記記録については███.████.██およびTD.1398.01~TD.1398.16を参照してください。

補遺1398-01a: [編集済]

補遺1398-01b: SCP-1398-1-6 の全体的な内容は現時点では把握が困難です。転記された部分では不特定の語り手が1つ以上の無名の実体を論じています。これまでに記録された歌詞の異常は2節のみで構成されています。「彼は子孫のために嘆き、重い心持ちで待っている/ 日に日に多くの人が彼のもとに戻るが、さらに多くの人が騙される/ 悠久の時が来れば、彼は再びやって来る/ 彼の兆しをよく見ろ、彼の血が流れたときに/」と第5節が置換されており、 「喜べ、彼は腕を大きく開いて待っている/ 求める者も隠れる者も皆、彼の血を歌わなければならない/ 彼の愛の飲み物に近づき、彼は拒まれない、彼は来るだろう/ 生命と息吹、肉と骨、彼は来て子供たちを家に連れて帰るだろう/』と第7(最終)節が置換されています。

SCP-1398-1-6について注目すべき点は、知覚のある被験者に対する追加の効果です。聴取者はSCP-1398-1-6の再生中に顕著に興奮し、ほとんどの被験者はすぐに再生の停止を要求します。27名の被験者においてこの興奮は急性で、被験者の拘束を必要とし16の事例では失神に至りました。これらの急性の事例では、被験者は幻覚を経験しているようです。存在しない物体や人物に反応し、研究員の存在に気付かないように見えます。これらの出来事の正確な性質を確認することは、被験者が再生中は常に非協力的であり、その後幻覚を見たことや歌詞の異常を聞いたことを思い出すことが不可能なために困難です。

その後SCP-1398-1-6の異常に急性反応を示した人物は、一貫して実験後に進行性の死恐怖症を発症します。被験者は当初、合理的に危害をもたらす可能性のある物品や活動を避けていましたが、次第に自分自身にもたらされる可能性のある危険を過大評価するようになります。影響を受けたDクラス職員1名が、予定された終了から160日を過ぎても継続することが許可されましたが、最終的には窒息を恐れて固形物の摂取を拒否し、独房から出るようにというすべての要求に対して異常に興奮して反応しました。

補遺1398-02: 民間人被験者の限定的な実験は█████によって承認され、████████大学で "聴覚記憶研究"という名目で実施されました。被験者はそれぞれ1回のリスニングセッションに限定され、SCP-1398-1-1とおよびCP-1398-1-6の再生は行われませんでした。167名の被験者のうち、SCP-1398-1の再生中に異常を知覚できたのは3名だけでした。追加の歌詞異常は記録されていません。完全な実験データおよび転記記録についてはTD.1398.17を参照してください。

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