SCP-1409-JP
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霧の森

1月のSCP-1409-JP-1外観

アイテム番号: SCP-1409-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: カバーストーリー「噴火警戒レベル3の発令」を流布し、SCP-1409-JPの存在する範囲(以下、SCP-1409-JP-1)の中心から半径5km以内は民間人及び許可なき侵入を阻止します。11月~5月の時期(以下、活性期)にSCP-1409-JP-1内へ侵入する際、命綱の着用及び防水加工された携帯端末の所持が義務付けられています。また、SCP-1409-JP-1内への侵入が許可される人員はDクラス職員のみとされています。SCP-1409-JP-1内に侵入した職員は、30分以内にSCP-1409-JP-1内から退出しなければなりません。また、SCP-1409-JP-1内に侵入した職員は、SCP-1409-JPが意図せず伝播する可能性を防ぐため、指定の位置で体表の除染を必ず行ってください。SCP-1409-JP-1内で30分以上活動しかつ何らかの問題が生じた場合、救助活動は一切行われません。無許可での侵入があった場合も、救助活動は原則として行われません。


風の森

SCP-1409-JP

再び吹雪の谷

SCP-1409-JPの拡大図

説明: SCP-1409-JPは、山形県の█山に生息する原生生物に似た分類不明の生物です。体長は約0.5μmですが、体に雪、あるいは細氷を付着させることで、全長約0.5~10mmになります。雪や細氷が付着したSCP-1409-JPは、通常の雪や細氷と見た目や性質の上で違いがほとんどありません。そのため、SCP-1409-JPの群れは積雪と見分けがつかず、SCP-1409-JPの生息域は一般的な雪原と区別がつきません。SCP-1409-JP-1の範囲は時期により変化しますが、最大でも中心から半径2kmの範囲までとなっています。SCP-1409-JP-1内では生物の生息がほとんどありません。樹木は確認できますが、全てが枯死しています。

SCP-1409-JPは、自身の周囲の気温を低下させることができます。この気温の変化は平均2~5℃、最大で██℃低下させられることが判明しています。この異常性を利用して、SCP-1409-JPは自らを氷核とした雪や細氷、そして、自らを凝結核とした霧を意図的に発生させているものとみられています。これは、周囲の気温、天候の影響をある程度受けながらも年間を通して発生させている可能性が高く、SCP-1409-JP-1内における活性期の降雪、年間を通しての霧の発生に大きく関わっていると考えられています。活性期におけるSCP-1409-JP-1内は、ほぼ毎日降雪、霧が発生するため、視程は10~15m程度、顕在視程は5m程度になります。

活性期を過ぎるとSCP-1409-JPの活動は減退し、SCP-1409-JP-1内の霧の濃度は減少します。さらに、7~8月は降雪が確認されなくなり、SCP-1409-JP-1の範囲が半径10m程度まで縮小します。また、後述の異常性も非常に軽度のものになります。SCP-1409-JPは夏期に範囲が縮小しますが、SCP-1409-JPを含む雪が全て解けきった例はありません。

おばけロープの森

6月のSCP-1409-JP-1内部。活性期を過ぎていますが生物の生息は見られません。

SCP-1409-JPは、雪や細氷を付着させているか、あるいは霧となっている場合、自身の体を振動させ微小な音を発生させることが可能になります。非常に多数のSCP-1409-JPが音を発生させるため、最大███dBまで発生させることができると実験により判明しています。SCP-1409-JPが発する音は周囲の音と逆位相となっており、その音量は正位相の音の大きさと等しくなるように発せられています。またSCP-1409-JPは、SCP-1409-JP-1内に侵入した生物の体内に入り込むか表面に付着することで、その生物の骨導音を感知し、逆位相の音を発生させることができます。音の感知のためにSCP-1409-JPが皮膚に直接接触する必要は無く、服の上、靴からでも音の感知が可能です。このこともあり、霧の濃度が濃く降雪の多い活性期は、SCP-1409-JPに音を感知させずにSCP-1409-JP-1内に侵入することは非常に困難となっています。SCP-1409-JPが生物に触れるだけで正確に骨導音を感知できる理由は、現在も研究中です。以上の理由から、SCP-1409-JP-1内の生物は、全ての可聴域をSCP-1409-JPの発生させる逆位相の音で埋め尽くされることになり、自らの意思で音を感知することが不可能になります。このSCP-1409-JPの行動が集団知能によるかどうかについて、現在研究が進められています。

命綱の着用といった事前の準備をせずにSCP-1409-JP内に侵入した場合、降雪、濃霧による視界不良、無音状態の継続による平衡感覚の喪失、ランドマークがないことによる輪形彷徨1の誘発によって、ほとんどの場合SCP-1409-JP-1内から抜け出せずに遭難をします。また、音が感知できないことによる精神的ストレスから、めまいや失神、幻覚や発狂を起こすケースも確認されています。無音状態で弱体化した生物は、SCP-1409-JPによって分解されます。SCP-1409-JPの分解スピードは通常の微生物の████倍です。また、木製製品以外の物品も分解を行います。そのため、SCP-1409-JP-1内に生物の死体はおろか遺留品が残ることはほとんどありません。SCP-1409-JPが木を分解しない理由は明らかではありませんが、枯死した木を残しておくことで、輪形彷徨の発生を誘発させているという説が有力とされています。

SCP-1409-JPは、SCP-1409-JP-1の中心から2km以上先の場所で15分以上生存することができません。これは、範囲外に積雪がある場合でも同様です。この原因は現在も判明しておらず、SCP-1409-JPの生態がほとんど判明していない最も大きな要因となっています。また、SCP-1409-JPは、周囲に雪が無くなると3日以内に生命活動が停止することが判明しています。雪が解け始める6月以降は、SCP-1409-JP-1の範囲内だった地面に、SCP-1409-JPの死体が発生します。SCP-1409-JPの死体の一部は、雪解け水と一緒に█山や██村一帯へ流れ込みます。SCP-1409-JPの死体は非常に多くの栄養を含んでおり、██村一帯に生える植物の成長を促進したと考えられています。SCP-1409-JP-1内に発生するSCP-1409-JPの数から、SCP-1409-JPの死体は██村のみに流れ込んでいるとみられています。


補遺1: SCP-1409-JPの存在する山形県の█山は、かねてから山岳信仰の対象となっており、麓の集落である██村ではとりわけ強く信仰されていたとみられています。特にSCP-1409-JP-1内は「豊穣の神の住まうところ」として、立ち入ることが禁止されていました。また、██村では人身御供の習慣が1920年代まで残っており、██村一帯が飢饉に見舞われた際、「神への供物」と称してSCP-1409-JP-1内に住民を侵入させていました。人身御供が行われた翌年は、村一帯が豊作となること、SCP-1409-JP-1内に「供物」の骨や着物すら残らなかったことから、「豊穣の神」の存在が住民の間で強く信じられることになりました。

また、儀式以外でSCP-1409-JP-1内に侵入した者は行方不明、もしくは幻覚を訴え脱出するため、SCP-1409-JP-1内に侵入すると「神隠しに遭う」、「この世ならざるものが見える」と住民たちに恐れられていました。そして、「神の怒りに触れないため」に、SCP-1409-JP-1内で起きることは外部の者へ口外してはならないとされていました。そのため、SCP-1409-JPの存在が周知されることがなかったとみられています。


補遺2: 現在予測されている地球の平均温度の上昇に伴い、SCP-1409-JP-1内から万年雪が無くなる21██年にはSCP-1409-JPが消滅すると予測されています。そのため、SCP-1409-JPの人工環境下での保護の試みがなされていますが、現在までのところ有効な手段は見つかっていません。██村は、減反政策に伴いかつて水田だったところは全て休耕田となっています。また、少子高齢化の影響に伴い204█年には██村の住民は0名となる見通しです。そのため、SCP-1409-JPが減少することによる実害はないと考えられています。

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