SCP-141-JP
評価: +73+x
yokushitsu.jpg

初期収容時のSCP-141-JP(画像は明度補正済み)

アイテム番号: SCP-141-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-141-JPの存在する集合住宅は接収、封鎖されています。警備職員を2名常駐させ、敷地内への立ち入りを防止してください。SCP-141-JPは収容サイト-8120の管理下に置かれ、全ての実験は収容サイト-8120の担当研究員に許可を得てください。101号室は施錠され、鍵は担当研究員が管理しています。許可無く101号室への侵入を試みた者は処分の対象となります。

説明: SCP-141-JPは1.6x1.6x2mの浴室で、██県████市に所在する集合住宅[データ削除]の101号室に存在します。SCP-141-JPは玄関からすぐ左の扉内部にあります。この扉を開けると、化粧台のある脱衣所があり、その右手に浴室の扉があります。扉は曇りガラスになっており、SCP-141-JP内部をある程度観察することが出来ます。SCP-141-JPは19██/██/██に発生した[データ削除]の捜査中、当局の捜査員4名が[データ削除]により発見されました。

SCP-141-JPを含め101号室内部は非常に暗く、平均して0.05lux程度です。これは月の無い星明りのみの夜程度の照度です。外部から101号室を覗くと黒く薄い霧がかかったように見えます。日中、窓や扉周辺は600~1000lux程度の明るさですが、そこから1mで光は急速に減衰し内部を照らし出す事はありません。また、内部に持ち込んだ光源は全て何らかの理由で使用できなくなります。入り口から30,000lux高照度照明で照らしても内部の明るさは変わりませんでした。

101号室内は19██/██/██以来当時のままとなっており、当時の居住者の家具がそのままになっています。SCP-141-JPは一般的なユニットバスで、こちらも[データ削除]までは居住者に通常通り使用されており、洗剤などはそのまま放置されています。しかし、19██/██/██以降一切使用されていないにも関わらず室内は常に濡れています。また、浴槽には常に水が張られ、収容以来、水位と水質に変化はありません。

SCP-141-JPに人間が入室すると、勢いよく扉が閉まり入室した被験者は閉じ込められます。扉には少なくとも20kN以上の力が掛かる為、閉鎖を防ぐ事は困難です。SCP-141-JPを構成する建材に強度や剛性の変化は無い為、閉鎖のたびに少しずつ扉と扉フレームが破損し続けている事がわかっています。障害物を用いた閉鎖の妨害は、建材の更なる破損を招く為禁止されています。

閉鎖後、SCP-141-JP内部側の扉前に、人型の実体が下から立ち上がるように現れます。扉の曇りガラス越しの観察では、この実体は裸の女性のように見え、およそ160cmの身長で髪は短く、酷く痩せています。SCP-141-JPが閉鎖すると、不明な理由で信号が途絶するため、実体のカメラによる撮影は不可能です。被験者はこの実体を認識及び接触できず、気付く様子はありません。代わりにこの実体の出現と同時に強い腐敗臭を報告します。更にこの時、鏡の下に札がある事に気付きその札を注視します。この札は扉開放時には存在しません。

実体はゆっくりと被験者に近づき、後ろから被験者の胴部に抱きつくように腕を回すと、被験者を扉の反対方向へ連れ去りそのまま消失します。その際の加速度はおよそ60m/s2に達すると見られています。また、その方向には明らかにSCP-141-JPの壁と鏡しかなく、被験者が何処へ連れ去られるかは不明です。連れ去りの数分後に扉は開きます。

実験記録141-03 - 日付2000/██/██

対象: SCP-141-JP、D-68717
実施方法: D-68717を目がある程度慣れるまで101号室内で待機させ、SCP-141-JPに入室させる。D-68717にはハーネス、無線機及び無線カメラを装備させた。ハーネスには切断荷重約4tの9mm径ワイヤーロープが固定され、端はSCP-141-JP前に設置された巻き取り装置に繋がれている。また、SCP-141-JP前にはカメラも設置され、101号室外部に待機する観察班が監視する。

<映像記録>

D-68717: で、風呂場に入るだけ?先生。厳ついもん付けられたから、俺てっきり崖から突き落とされんのかと

███博士: 黙って指示通り動け、D-68717。

D-68717: …ったよ。[勢いよく扉の閉まる音][D-68717の短い叫び声]おい閉まったぞ!!閉じ込め……クソ、ワイヤーが挟まって動けない、どうにかしてくれ!
[この時、実体が出現したのが扉の曇りガラス越しに観察される。同時に、無線機と無線カメラの信号が途絶えた。以降肉声によるやり取りになる]
おい!聞いてんのか!?

███博士: 無線機が故障した。そこから大声で周囲の状況を述べろ。何がある。

D-68717: え?あ?普通の風呂場だよ、洗剤と[実体がD-68717に近づく]空の石鹸入れ、桶がある。あと閉まった途端になんか腐った肉みたいな臭いがし始めた……早く出してくれ、ワイヤーが邪魔だ、クソ……あと椅子が床に[実体がD-68717の目の前へ到達]あるな。暗くて良く見えないけど……あ、鏡の下に[実体が屈みこんだD-68717にゆっくりと手を伸ばす]なんか貼ってある…厚紙みたいな…何か書い[実体がD-68717にしがみ付く]てあるけど滲んでて良く[激しい破断音]

███博士: D-68717、返事をしろ。D-68717。駄目か。実験終了。

<録音終了>

結果: D-68717は胴部を掴まれ、猛烈な力で引かれたが、ワイヤーロープとハーネスで腰が固定されていた為[データ削除]。扉は約6分後に開いた。残っていたD-68717の遺体は[データ削除]。

実験記録141-1E - 日付2002/██/██

対象: SCP-141-JP、D-69204
実施方法: SCP-141-JP閉鎖時の内部状況観察を容易にする為曇りガラスを透明な強化アクリル材に交換した上で、D-69204を入室させる。
結果: [データ削除]
追記: 今実験で激しく破損した扉は撤去され、鋼鉄製の扉が設置されました。また、██人の人員喪失の責を問われ、SCP-141-JP研究主任の███博士はクリアランス降格及び異動処分となりました。尚、現在のSCP-141-JP研究主任は██博士です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。