SCP-1418-JP
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図1 区域1418-JP。SCP-1418-JPとSCP-1418-JP-1が確認できる。


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図2 [検閲済]上空を飛行する、SCP-1418-JP所有のヘリコプター。


アイテム番号: SCP-1418-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: 区域1418-JPへの警戒体勢は解除されました。現在、「米軍の事故」「サバイバルゲーム」等のカバーストーリーを流布した上でSCP-1418-JP関連事案の事後処理が行われています。回収された遺留物はサイト-81██の電子保管庫に収容されます。

説明: SCP-1418-JPは黒い迷彩柄の装備を着用した人型実体です。頭部は黒いヘルメットで覆われており、内部を確認する試みは現在まで成功していません。装備は1990年代に米軍が使用していたものとおおよそ一致していますが、その全てが黒く、記章部分に「ミツオ」という手書きの白文字が書かれている点が異なります。SCP-1418-JPが発声した事例は確認されていません。SCP-1418-JPは高い物理耐性を有していることが確認されており、その鎮圧や無力化は困難です。

SCP-1418-JPは[検閲済](区域1418-JPに指定)に基地と思われる建造物やテントを設営しており、区域1418-JPを拠点として活動していることが確認されています。区域1418-JPにはガトリング砲を搭載した黒いヘリコプターが存在しています。

補遺1-歴史: SCP-1418-JPが最初に確認されたのは2018/08/18でした。当時の区域1418-JPは空き地であり、目撃した所有者が「無許可でサバゲーが行われている」と警察へ通報したことで存在が発覚しました。当時は財団関係者でない警察官が派遣され、その後行方不明になりました。次に財団エージェントを含む警察官ら7名が派遣された際、区域1418-JPには既に4つのテントと1機のヘリコプター、及び23体のSCP-1418-JPが確認されました。

警察官らがメガホンでSCP-1418-JP群に呼び掛けた際、警察のトランシーバーが起動し音声を流しました(下記を参照)。直後、SCP-1418-JPは警察官に向けて発砲し、約3分間の銃撃戦が行われました(事案1418-JP.1に指定)。結果、途中でその場から離れたエージェント以外の警察官全員が制圧されました。この時、当該エージェントはSCP-1418-JP群と警察官双方に負傷がなかったと報告しました。制圧された6名の警察官はSCP-1418-JPによって拉致され、区域1418-JPに進入する様子が確認されています。

トランシーバーで流された音声

メーデー、メーデー、メーデー。こちらミツオ軍、ミツオ軍、ミツオ軍。メーデー、ミツオ軍。

[区域1418-JPの座標を述べる] 

コマンダー・ミツオ、応答せよ。我々にはあなたが必要である。このメッセージを受け取ったならば速やかに応答せよ。メーデー、ミツオ軍。オーバー。

事案1418-JP.1を受け、財団は区域1418-JPを買収し鉄柵で覆う形で収容を試みましたが、ヘリコプターや銃器によるSCP-1418-JP群の妨害から失敗しました。結果、区域1418-JPを中心とする半径1 kmの範囲(警戒範囲に指定)の周りを、地上と上空両方から警備する現行のプロトコルが制定され、SCP-1418-JPの収容業務は付近の軍事サイト-81██に割り当てられました。

補遺2-曝露: 2018/08/26、SCP-1418-JPらによって区域1418-JP内の基地から8基のサーチライト(SCP-1418-JP-1に指定)が持ち出されました。SCP-1418-JP-1には電源が接続されていない様子でしたが、全基が起動した状態でした。区域1418-JPを警備していた職員がSCP-1418-JP-1が発する白色光に曝露したところ、当該職員の服装は緑色の、SCP-1418-JPと同様の装備に変化しました。当該職員は持ち場を離れて区域1418-JPへと移動しようと試みましたが、別の警備員らによって阻止されました。当該職員には3回に渡って種類の異なる記憶処理が行われましたが、区域1418-JPへの移動衝動は解消されませんでした。以降、SCP-1418-JP-1の白色光に曝露した人物を曝露者と呼称します。

補遺3-音声: 2018/08/30より、区域1418-JPから約1 ,200 mの範囲において、使用されていない███ Hzの周波数に音声が流されるようになりました。音声は20:00から毎日流され、内容は基本的に事案1418-JP.1でトランシーバーが流したものと同一でしたが、時々異なる内容のものも流されました(下記を参照)。複数回の検証や捜索にも拘わらず電波の発生源は特定できず、またジャマーによる電波妨害も効果を示しませんでした。結果、特別収容プロトコルにカバーストーリー「近隣住民のイタズラ」の流布が追加されました。

確認された音声抜粋

[前半は事案1418-JP.1のものと同一な為省略]

コマンダー・ミツオの右手の銃は我々の希望だった。そして、それは未だ我々の希望であり続けている。もう一度あなたの銃を見せて欲しい。その為にも、あなたの現在地を示すことを要請する。メーデー、ミツオ軍。オーバー。

[省略]

我々はあの酒臭い地から帰って来た。しかし、我々に多くの時間は残されていない。コマンダー・ミツオ、あなたの帰還こそがミツオ軍の再始動である。あなたの現在地から信号弾を発射することを求む。メーデー、ミツオ軍。オーバー。

[省略]

コマンダー・ミツオ、あなたはヘリコプターが大好きだった。そのヘリが今ここにある。いつでもあなたを乗せられるよう、我々は常に整備している。このメッセージを受け取ったら速やかに応答せよ。メーデー、ミツオ軍。オーバー。

これを受け、区域1418-JPの周辺5 kmの範囲において、「ミツオ」という名前の人物の捜索が行われました。結果、該当する人物は4名発見されました。この4名にそれぞれインタビューを行いましたが、SCP-1418-JPに関して有力な証言は得られませんでした。この4名とSCP-1418-JPを接触させる実験は、倫理的懸念から保留されています。

補遺4-離陸: 2018/10/03、区域1418-JPからヘリコプターが離陸し、7分間に渡って周辺を飛行しました(事案1418-JP.2)。当該ヘリコプターはSCP-1418-JP-1を搭載しており、周辺の竹林へ白色光を照射し続けました。これを受け、付近の軍事サイト-81██から2機の戦闘機が派遣されました。この時戦闘機カメラからリアルタイム送信された映像によると、計3回銃弾が命中したにも拘わらずヘリコプターは撃墜されませんでした。ヘリコプターはガトリング砲によって戦闘機を撃墜しました。この時点で映像は途絶し、後に区域1418-JPを遠距離カメラで確認したところ、曝露者の数が2体増加していることが確認されました。この時、曝露者はヘリコプターに一度も接触していませんでした。

これを受け、軍事サイト-81██の軍備強化が行われました。同時に、監視カメラによって区域1418-JPを24時間監視し、SCP-1418-JPがヘリコプターに搭乗する様子が確認され次第煙幕や射撃等によって妨害するという内容が、特別収容プロトコルに追加されました。

補遺5-増加: 2018/12/26、監視を担当する職員は、区域1418-JPのヘリコプターの数が増加していることを報告しました。監視カメラに記録された映像には3機のヘリコプターが記録されており、SCP-1418-JP-1の数が2基減少していることが確認されました。しかし、ヘリコプターがいつ、どのように増加したかは確認できませんでした。これを受け、区域1418-JP周辺の警備員は機動部隊ち-82「楚歌」と交代されました。

補遺6-破壊: 2019/01/02、SCP-1418-JP群が離陸を試みていた為機動部隊ち-82が妨害を行っていたところ、誤ってヘリコプターに搭載されていたSCP-1418-JP-1を破壊しました(事案1418-JP.3に指定)。直後、ヘリコプターが爆発し数名のSCP-1418-JPが吹き飛ばされました。7分後、爆発地点にSCP-1418-JP-1を搭載したヘリコプターが再出現しました。

補遺7-墜落: 2019/01/13、妨害を掻い潜って区域1418-JPから1機のヘリコプターが離陸しました(事案1418-JP.4)。しかし、この時搭載されていたSCP-1418-JP-1が突如破損し、当該ヘリコプターが付近の竹林に墜落しました。火災は発生せず、墜落現場には複数の物品が発見されました(下記を参照)。この時、区域1418-JPにて2名の曝露者の武装が消失し、財団の飛行士に変化する様子が監視カメラに記録されました。その直後、SCP-1418-JPがSCP-1418-JP-1を照射したことで再び武装がなされました。

発見された物品

  • 黒く染色されたテディベア23個
  • 黒いレゴブロック約1000個
  • 黒く塗られたアーミー人形1個
  • 黒く染色された軍手1ペア

補遺8-爆発: 2019/02/04、突如SCP-1418-JP-1の1基が爆発し、同時に3名のSCP-1418-JPが消失しました(事案1418-JP.5に指定)。これ以降同様の事案が4回発生し、SCP-1418-JPの個体数は6体になりました。財団はこれを食い止めるべく区域1418-JPへの進入を複数回試みたものの、SCP-1418-JPの抵抗によって何れも失敗しました。

補遺9-保護: 2019/03/29、爆発音と共に区域1418-JP内の人型実体3体が突如消失しました(事案1418-JP.6)。同時に6名の武装が消失し、全員が区域1418-JP外へと走りました。この6名は警察官であり、機動部隊ち-82によって保護されました。この原因は確認されていないものの、基地内のSCP-1418-JP-1が爆発したものと推測されています。この推測が事実であった場合、残留するSCP-1418-JP-1は残り1基です。これを受け、SCP-1418-JP及びSCP-1418-JP-1へは発砲を行わないという内容へ特別収容プロトコルが改定されました。

同日20:00、以下の内容の音声が███ Hzの周波数に流されました。

メーデー、こちらミツオ軍。これは恐らく最後のメッセージである。

[深呼吸]

コマンダー・ミツオ、我々を忘れないでくれ。そろそろ限界が近い。再びあの地へと引きずり戻されてしまう。既に仲間も何人かいなくなっている。我々にはもう幾許の猶予も残されていないのだ。どうか、我々を思い出してくれ。オーバー。

補遺10-事案: 2019/04/27 23:00、煙幕による妨害を掻い潜って区域1418-JPからヘリコプターが離陸しました(事案1418-JP.7)。財団の戦闘機の出動はSCP-1418-JP-1が破壊される危険から中止され、結果SCP-1418-JPは区域1418-JPを離れました。これを受け、緊急のカバーストーリー「予告されていなかった米軍軍用機の訓練」が流布されました。

ヘリコプターが離陸した後の区域1418-JPの静寂を受けて、機動部隊ち-82が区域1418-JPに進入しました。結果、複数物品以外にはヘリコプターも、SCP-1418-JPやSCP-1418-JP-1も確認されませんでした。発見された物品の内容は事案1418-JP.4で回収された物品と同じであり、その総数は10倍以上にものぼりました。特筆すべき点として、当初確認されていたSCP-1418-JPの個体数と、発見された軍手のペア数やアーミー人形の数がほぼ一致しています。

当該ヘリコプターは区域1418-JPから約1,600 m先の民家まで飛行し、民家の上空にてホバリングを開始しました。約2分後、当該民家に住んでいる君島 光夫きみしま みつお氏が屋外へ出ました。君島氏は、補遺3において財団が発見しインタビューを行った人物の1人です。以下は、この時当該民家に設置されたカメラが記録した映像の書き起こしです。

映像記録1418-JP

<ログ開始>

[SCP-1418-JP-1の白色光が、玄関の先の道路を照らしている。3秒後、これまで███ Hzに流されていた音声と同じように聞こえる音声が記録される。ヘリコプターのプロペラ音で一部判別することができない]

音声: メーデー、メーデー、メーデー!ミツオ軍、み…… [判別不能] ミツオ軍!

[直後、玄関扉が開く音がして、君島氏が映像に映る。君島氏の音声は、氏がカメラに近いためか比較的鮮明に記録されている]

君島氏: [大声で] あの!すいません、うるさくて娘が起きてしまうんですよ!軍の訓練ならもっと離れたところでやっていただけませんか!

音声: 我々は [判別不能] から帰って来た!コマンダー・ミツオ、あなたの帰還が必要なのだ!これまでのメッセージは届いて [判別不能] だが、我々はついにあなたを見つけることができた。あなたが必要だ! [判別不能] を見せてくれ!

[当該ヘリコプターがSCP-1418-JP-1を君島氏に向ける。君島氏は慌てて反対方向に逃げたものの右手が曝露し、右手がガトリング砲のような見た目に変化する]

君島氏: [悲鳴を上げ、2秒後] こ、これは……。

音声: さあ、コマンダー・ミツオ!その銃を再び掲げ、我々に希望の光を見せてくれ!メーデー! [判別不能]

[君島氏は変化した右手を見つめている。7秒後、ヘリコプターに右手を向ける。直後、ヘリコプターは再びSCP-1418-JP-1の白色光を君島氏に照射し、今度は右手以外の全身がSCP-1418-JPと同様に変化したように見える]

君島氏: [くぐもった声で] ……おやすみ。

[君島氏の右手から連続で銃弾が放たれ、SCP-1418-JP-1のレンズが破壊される。ヘリコプターは不安定に飛行した後映像外へ出て、1秒後爆発音がする。同時に、君島氏の外見が曝露前のものに戻る]

<ログ終了>

ヘリコプターの墜落後、墜落現場の確認と君島氏へのインタビュー、及び事案1418-JP.7の事後処理が平行して行われました。この時の墜落現場の様子や発見された物品の内容は事案1418-JP.4とほぼ同一でしたが、発見された右手の軍手のみ親指以外を折り畳んだ形で硬直している状態でした。君島氏は映像記録の内容を部分的に忘却しており、何故SCP-1418-JP-1に発砲したのか証言できませんでした。また、発見された遺留物全てに見覚えがないと証言しました。事後処理の終了後、目撃者と君島氏にはクラスA記憶処理が施されました。

事案1418-JP.5以降SCP-1418-JPや未破損のSCP-1418-JP-1が発見されないことから、日本支部理事会によってSCP-1418-JPの無力化宣言がなされ、Neutralizedクラスへの再指定が行われました。

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