SCP-142-JP
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初期状態のSCP-142-JP

アイテム番号: SCP-142-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-142-JPは標準的Safeクラスオブジェクト収容容器に布を被せた状態で保存されます。実験の際は上級研究職員に書類を提出し、目視による実験の全てはDクラスを用いて行われます。SCP-142-JPの図柄の変化は監視カメラを通じて行ってください。SCP-142-JPにより得られた技術の全ては記録し、機密文書として保管され、現在まで流用試験がなされています。

説明: SCP-142-JPはボール紙に油性塗料で書かれたように見える縦50 cm横90 cm厚さ2 mmの絵画です。使用されているボール紙はどの企業製品にも当てはまらない物であり、油性塗料も同様に詳細は不明です。裏面には英語で「木星往復記念」と油性塗料で書かれています。

SCP-142-JPは2001/2/3の███小学校における多数の児童の奇行、及びハイパーグラフィアの報告により発見されました。発見当初SCP-142-JPは「見るたびに絵が変わる学校の怪談」として広まり、件の美術室倉庫で発見されました。収容に際して6名のエージェントは倉庫内でSCP-142-JPに長時間暴露した児童が書いたとみられる66個の情報災害に曝露し、4名を終了1名が自殺、残りの1名の行方は現在財団が追跡中です。その後、関係者にはカバーストーリ"有機溶剤流出による脳の萎縮症害"が適用され、倉庫内の情報災害並びに落書きは全て判読不能になるまで洗浄され、既にSCP-142-JPに暴露した児童の全ては[編集済]。

SCP-142-JPの異常な特性は人間が直接SCP-142-JPを目視した時のみ発現します。SCP-142-JPを直接目視した被験者はその曝露時間に比例して、既存文化や文明に対する理解が史実上の過去のものへ置換されます。これにより置換された被験者の現代文化や文明への理解は消失します。その際に被験者は得られた過去の文化や文明を理解し、それに適応できる身体及び精神状況へ変化します(暴露実験記録3.4.6を参照)。SCP-142-JPの被験者の多くは曝露時間20分で全ての文化の認識ができなくなり、石器の認識も不可能になりますが、上記の例外として長時間曝露を受けた被験者は、未知の技術についての知識理解を得ます。これらの知識が文化としての振る舞いを見せた例はありません。被験者が曝露されている間、SCP-142-JPはその図柄を変え続けます。図柄の変化はおおよそ被験者の精神状態により異なり、鬱病の被験者と精神的健康を保った被験者では図柄の変化に大きな差異が認められます。(暴露実験記録1~5参照)SCP-142-JPが人間によって監視されていない間SCP-142-JPは徐々に図柄を変え被験者が直接目指したのと同じ時間をかけて初期状態に戻ります。

現在SCP-142-JPから得られた技術の研究が進んでいます。変化記録6以降全ての技術研究は中止されています。

暴露実験記録1 - 日付2001/2/20

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実験終了直前のSCP-142-JP

内容:暴露実験 10 分間
被験者:D-142255 事前心理テストで特筆すべき事項はありませんでした。日本在住の平均的文化認識と主義思想を持っていると証明されています。
結果 :D-142255は10 分間SCP-142-JPを凝視し職員の呼びかけに応じず、10 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142255は驚いた様子で辺りを見回しました。
事後検査の結果D-142255は電気通信技術、一部の現代語、その他の近代家電製品を理解しませんでした。D-142255の技術認識と語彙、食文化等からおおよそ16世紀から17世紀のものと判明。Bクラス記憶処理を施しましたが改善せず、月例解雇により解雇されました。彼の年齢、事前検査の結果から、17世紀の認識は矛盾しており、SCP-142-JPは古い文明の知識を被験者に与えている可能性が指摘されています。SCP-142-JPは視線を遮ってから10分かけて初期状態の図柄に戻りました、図柄の初期化は曝露時間と一致しておりその後のすべての実験でも同様の現象が確認されました。

暴露実験記録2 - 日付2001/3/1

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実験終了直前のSCP-142-JP

内容:暴露実験 10 分間
被験者:D-142189 事前心理テストで特筆すべき事項はありませんでした。アメリカ在住の平均的文化認識と主義思想を持っていると証明されています。
結果 :D-142189は10 分間SCP-142-JPを凝視し職員の呼びかけに応じず、10 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142189は昏睡状態に陥りました。
D-142189はおおよそ全ての時代の文明を理解せず石器の認識すら不可能でした。これは他の暴露実験記録から想定される個人差の範囲とは断言できません。████博士はSCP-142-JPがアメリカ独立以前の文明や文化の理解をD-142189へ付与せず、既存の理解のみが消失した結果であるとの仮説を立てています。

暴露実験記録3 - 日付2001/3/8

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実験終了直前のSCP-142-JP

内容:暴露実験 15 分間
被験者:D-142943 事前心理テストで社会的病質傾向が指摘されました。
結果 :D-142943は15 分間SCP-142-JPを凝視し職員の呼びかけに応じませんでした。15 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142943は驚いた様子で、警備員に掴みかかった所を沈静化されました。
事後検査の結果D-142943は狼煙、縄等の技術を理解しませんでした。D-142943の文化認識は紀元前とみられ、詳しい年代は翻訳がなされていない古代言語のため測定不可能です。
D-142943の社会的病質傾向は観測されず、行動からは精神的健康が見て取れました。D-142943は月例解雇によって解雇されました。

暴露実験記録4 - 日付2001/3/14

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実験終了直前のSCP-142-JP

内容:暴露実験 60 分間
被験者:D-142020 事前検査で強い精神障害と知能障害が指摘されています。
結果 :D-142020の頭部を固定し60 分間SCP-142-JPを凝視しさせ続けました。60 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142020は昏睡状態に陥りました。
SCP-142-JPは30 分後には図柄の変化をやめ、それから10 分間その状態を保ち、10 分後に図柄の変化が再開しました。
事後検査の結果D-142020は日本語が起源と思われる未知の言語で対応し、それが検査員に通じていないと判断すると、簡単な絵やジェスチャーで意思疎通を試みました。
D-142020は事前テストで指摘された問題の一切を示さず非常に健康体であり、現代JIS規格を説明すると未知の元素記号の登場する内燃機関の設計図を書き、D-142020はそれを永久機関であると主張しました。
D-142020は現在監視収容室に保存されその他の未知の技術を説明させています。D-142020は現在月例解雇を免除されています。

暴露実験記録5 - 日付2001/3/20

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変化中のSCP-142-JP

内容:暴露実験 120 分間
被験者:D-142653 事前心理テストで特筆すべき事項はありませんでした。日本在住の平均的文化認識と主義思想を持っていると証明されています。
結果 :D-142653の頭部を固定し120 分間SCP-142-JPを凝視しさせ続けました。120 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142653は1 分間笑い続けたあと昏睡状態に陥りました。
SCP-142-JPは30 分後には図柄の変化をやめ、それから10 分間その状態を保ち、10 分後に図柄の変化が再開しましたが、実験開始から20 分後に白紙になりました。それから実験終了まで図柄の変化はありませんでした。
事後検査の結果D-142653は恒常的興奮状態でインタビューの一切に応じず、木炭を与えると壁に████████、████████████、████、████████████、永久機関を含む未知の技術を用いた未知の構造物の設計図を書きました。その全てはSCP███、███、███の応用であると考えられています。D-142653は重要な機密事項違反として直後終了されました。

暴露実験記録6 - 日付2001/12/31

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実験終了直前のSCP-142-JP

内容:暴露実験 200 分間
被験者:D-142AE35 事前心理テストで特筆すべき事項はありませんでした。日本在住の平均的文化認識と主義思想を持っていると証明されています。
結果 :D-142AE35の頭部を固定し200 分間SCP-142-JPを凝視しさせ続けた。200 分後にSCP-142-JPに布をかぶせるとD-142AE35は窒息状態に陥り[データ削除済]。
SCP-142-JPは暴露実験記録5と同様の変化をし、140 分の時点で新たな図柄が浮かび上がるように現れ現在の図柄に固定されました。D-142AE35の窒息は胚細胞の検査により水素9:ヘリウム1の割合のガスを供給した所安定しました。D-142AE35はおおよそ未知の言語と技術理解を保有していましたが特筆すべき技術の証言は得られませんでした。
D-142AE35はその後、異常加圧症とみられる脳梗塞で死亡しました。検死の結果D-142AE35は24.79 m/s²の重力加速度に適した骨格と筋組織に、0.7気圧の環境に適した循環系統に置換されていました。

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