SCP-1436-JP
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アイテム番号: SCP-1436-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1436-JPを含む敷地は、財団フロント企業の所有地として管理され、財団職員以外の立ち入りが禁止されます。SCP-1436-JPを囲む9メートル四方は金属フェンスによって隔離され、SCP-1436-JPの中心点を示す杭が打設されます。毎年12月31日の21時までにSCP-1436-JPを横断するように、人を搭乗させた状態での定速自走が可能なカートを設置してください。翌年の1月1日0時以降、カートは主任研究者の判断により撤去、残置が許可されます。また、主任研究者の判断により、SCP-1436-JPに対し風雨除けテントや屋根の設置が許可されます。西暦2140年までにSCP-1436-JPの無力化及び、範囲拡大を抑制する方法が発見されていない場合、SCP-1436-JPを包囲する施設の建造が認められます。

毎年12月31日の21時までに、計時能力に秀でたDクラス職員を最低2名待機させてください。1名は設置されたカート上に待機させ、22時よりSCP-1436-JPの直径計測を行ってください。また、1名以上のDクラス職員を、SCP-1436-JPのカート進路ルート外に待機させ、22時より時計や心拍に頼らない方法で、0時まで計時してください。22時から0時までの計時結果を、担当職員に報告してください。特に正確な計時能力を有するDクラス職員は月例の解雇が免除され、計時担当としてSCP-1436-JPに配属することが認められます。西暦3672年12月31日までにSCP-1436-JPを無力化する方法が発見されなかった場合、SCP-1436-JPはオブジェクトクラスKeterに再分類されます。3750年12月31日までに全人類を地球から脱出させるプロジェクトに、財団の資源を集中させてください。

説明: SCP-1436-JPは████県████市郊外に位置する、████████植物園跡地内の地表の一点を中心とする球形の空間です。毎年12月31日22時から1月1日0時までの2時間、SCP-1436-JPの内部に滞在する生物に、時間の経過が通常よりも遅く感じられる認識災害がもたらされます。SCP-1436-JPは発見当初より毎年、前年の0.89%ずつ範囲を拡大しており、SCP-1436-JP内での体感時間も、前年の0.89%ずつ延長されていることが、訓練を受けたDクラス職員による実験で判明しています。SCP-1436-JPはあくまで時間経過の感覚にのみに影響を及ぼすため、SCP-1436-JP内外での機械の動作や物体の運動については、一切変化は生じません。異常性が確認された1995年時点で、おおよそ13.3%の時間延長が直径2.26メートルの範囲に生じていたことが推定されており、補遺Aに示す表のように拡大していくことが推定されています。

SCP-1436-JPは1969年に、「顔見知りと偶然出会えるバラ園」として財団が異常性を把握し、収容されていました。しかし異常性の原因が、現在のSCP-1436-JPの中心に棲息していた大型の爬虫類によるものと判明したため、1980年より当時のSCP-1436-JP指定を解除され、財団のフロント企業により管理されていました。その後、1981年にSCP-1436-JPの無力化により財団の監視下から外れ、フロント企業の管理下で植物園としての営業が再開されました。SCP-1436-JPの異常性が再度確認されたのは、1995年にフロント企業で雇用されていた警備員が、時間感覚の延長による身体の動作の遅延を、重力異常として報告したことによるものです。

2008年までにSCP-1436-JPの拡大を抑制するため、土壌の除去、埋め立て、うるう秒の調整による標準時の操作などが行われましたが、いずれも失敗しています。2016年現在でもSCP-1436-JPの拡大を抑制する方法は発見されていませんが、積極的な研究は行われていません。これは、SCP-1436-JPの拡大立率が前年の0.89%と低く、半径が2倍になるまで79年を要するため、当面の緊急性は低いと判断されているためです。仮に、3049年12月31日までにSCP-1436-JPの無力化および拡大の抑制方法が発見できなかった場合、SCP-1436-JPは地球と大きさに達します。SCP-1436-JPの中心点は████県████市に位置するため、南米大陸やオーストラリア大陸、アフリカ大陸や西ヨーロッパなどの地域はSCP-1436-JPの範囲から外れますが、3128年12月31日には地球全体がSCP-1436-JPの範囲に収まることが予測されています。西暦3128年12月31日までに、最低でもメキシコ上空の静止衛星軌道上への全人類の移住が完了することが推奨されます。なお、補遺Aにも示す通り、3128年時点でSCP-1436-JP内で体感する22時から0時までの2時間は、約2904年に延長されます。この延長が生物の精神にどのような影響をもたらすかは、現時点では不明です。

補遺A: 各年におけるSCP-1436-JP活性化時の直径と、22時から0時までの体感時間
西暦 直径 体感経過時間 備考
1981年 2m 120分 SCP-1436-JPがこの年より異常性が生じたと推測される
1995年 2.26m 135.8分 SCP-1436-JPの異常性が発見された
1998年 2.32m 139.5分 SCP-1436-JPの拡大を確認
2001年 2.38m 143.3分 SCP-1436-JPの拡大率が0.89%と特定された
2008年 2.54m 152.4分 SCP-1436-JPの拡大停止、抑制への試みが中断される
2018年 2.77m 166.6分 現時点での予測
2060年 4.02m 4.02時間 SCP-1436-JPの直径が、異常性の発生した当初の2倍を越える
2139年 8.04m 8.04時間 SCP-1436-JPを包囲する金属柵の拡張予定年
2550年 309.5m 12.9日 SCP-1436-JPを収容している植物園跡地を突破
3470年 1073.7km 122.5年 日本列島全域がSCP-1436-JPに収まる
3672年 6423km 734年 地球と同サイズに達する
3750年 12833km 1465年 地球全体がSCP-1436-JP内に収まる
6666年 225.7光年 243兆年 前年からの拡大範囲が1光年を越える

補遺B: SCP-1436-JPの1982年時点のバージョン

SCP-1436-JP

1980年時点、回収前のSCP-1436-JP

アイテム番号: SCP-1436-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1436-JPの標本はすべてサイト内の生物標本室内に保管されます。一般生物標本管理規定に従って、管理点検を行ってください。
SCP-1436-JPはサイト内の大型爬虫類用標準環境を再現した飼育スペースにて飼育されます。飼育スペース内は常時大型換気扇よる空気の循環が行われ、24時間に1度のスプリンクラーによる散水が5分間行われます。また、飼育スペース内には無菌ハエが、12時間間隔で放出されます。SCP-1436-JPの飼育スペース内に侵入する際は、色覚補正眼鏡と遮音ヘッドホンを装着してください。

説明: SCP-1436-JPは植物園で発見された、体高4メートルの生物です。遺伝子解析の結果、爬虫類に属すると推測されていますが、後述する特徴があります。

  • 移動能力はなく、四肢は全身を固定するため地中に埋没している
  • 胴体が鉛直方向に延長されている。
  • 頭部にひれ状の器官が備わっており、風に乗って飛来した空気中の浮遊物や昆虫を捕食し、風にはためく動きで体液の循環を行う
  • 体表面の色彩パターンの変化とヒレがはためいて生じる音により、周囲に認識能力の低下を招く

上記の4番目の特徴により、範囲内にいる生物はSCP-1436-JPを正しく認識することができず、その形状に類似した物体などと誤認します。この効果によりSCP-1436-JPは財団に収容される以前から、植物園の職員や来場客に装飾用の風車と誤認されていました。また、認識能力の低下に伴い、範囲内に存在する別の人物に対しても、過去に面識のある人物と誤認する副次効果もあります。

SCP-1436-JPは1967年の開業当初より、統計学的に異常な確率で過去に面識のある人物と遭遇するバラ園として知られていました。しかし財団による1969年の収容後、実験を通じて完全に一切の面識がなかったはずのDクラス職員でも、互いを別の人物と誤認した上で知人と再開したように認識していたことが判明しました。収容より1980年まではバラ園全体に異常性があると考えられていましたが、色覚異常と聴覚異常のあるDクラス職員がバラ園の中央にあった装飾用風車が生物であることに気が付き、異常性の特定につながりました。これによりSCP-1436-JPは財団施設へ移設され、バラ園を含む植物園全体は財団のフロント企業により管理されることとなりました。

追記: 1981年12月20日よりSCP-1436-JPは急速に衰弱し、12月31日に死亡が確認されました。翌1月1日まで蘇生を試みましたが失敗し、無力化されたものと判断されました。SCP-1436-JPは解剖に際し、その形態以外の異常性を喪失していることが確認されました。現在、SCP-1436-JPの組織は全て標本化されており、SafeクラスからNeutralizedクラスへの再指定が検討されています。

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