SCP-1451-JP
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アイテム番号: SCP-1451-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1451-JPは、24時間の監視体制に置いたうえで、一般人の侵入を禁止してください。また、SCP-1451-JPに関する情報は財団監視部によりインターネット上、出版物上の全てから排除されます。

SCP-1451-JP内での実験には、上級研究員三名以上の許可を必要とします。また、SCP-1451-JPにおいて火葬を行う場合はDクラス職員を使用し、火葬対象となったDクラス職員の死亡時、他のDクラス職員が目視を行わない限り、他の職員が接触することは禁止されます。

説明: SCP-1451-JPは、██斎場とされる██県の山間部に存在する火葬場跡です。SCP-1451-JP内には如月工務店のロゴが確認され、調査が進められています。

SCP-1451-JPの異常性は、一般的な火葬申請を行ったのち、内部へ入場した際に発生します。この申請は現在生存している人物にのみ可能であり、故人に対する火葬の申請は拒否されます。申請の対象となった人物がSCP-1451-JP内部へ侵入した場合、SCP-1451-JP-1と指定される人型実体に拘束され、棺に納められます。納められる際、一般的に火葬に適さないと判断される物品は没収されますが、事前の連絡次第では免れる可能性があります。また、この一連の行為は対象以外に見送る役目を持つ参列者が一人以上存在しない場合、発生しないことが確認されています。

その後、棺が火葬炉へ運ばれ、一般的な火葬場と同様に進行します。火葬炉へ運ばれた棺は、約1~2時間後、火葬炉から消失します。消失した対象に配布していたGPS機器等は地球上のランダムな位置に再出現、及び転移しますが、発見されていません。また、その信号は機器の稼働限界を超えても発生していることに注意してください。

また、SCP-1451-JP内において対象を見送る側の任務に就いた職員を調査したところ、全員に自分の物ではない記憶の存在があることが確認されました。それらの記憶は調査の結果、消失した対象の記憶の一部と一致していることが判明しています。これらの記憶は選択が不可能であり、なおかつ、その記憶に対する好悪とは関係なく、消失した対象が最も強く記憶している内容と一致すると推測されています。この異常性の為、初期収容時より██人の職員が深刻な精神障害を起こし、█人が自己終了を図りました。

以下は、申請を行わず、SCP-1451-JP内に入場した際、SCP-1451-JP-1に対し行われたインタビュー記録です。

インタビューログXXX-JP-1 20██/██/██:

対象: SCP-1451-JP-1

インタビュアー: エージェント・新田

<録音開始>

SCP-1451-JP-1: ようこそ、██斎場へ。御用件は何でしょうか? 御親憶の葬儀申し込みでしょうか?

エージェント・新田: いえ、そうではないんですが…、えっと、御親憶? それはいったい何ですかね

SCP-1451-JP-1: 御親憶の説明ですか? 私共のパンフレットを見ていただくのが早いのですが…、そうですね、皆様の大切な思い出、記憶、そういったものでしょうか

エージェント・新田: …えっと、何で、そんなことを?

SCP-1451-JP-1: 御親憶とはすなわちお亡くなりになった現在、過去です。亡くなった現在、過去は確かに大切なものでございます。しかし、それをいつまでも心の中に留めていては、新たな現在に差し障りが出てしまうでしょう。そういった過去に囚われた御親憶の持ち主様方へ、御親憶をご葬儀するサービスを提供することで、御親憶を快くお見送りするお手伝いを、と私共はそれを願い、ここにこの██斎場を建設したのです

エージェント・新田: それはその御親憶とやらを忘れる、ということですか?

SCP-1451-JP-1: いいえ、けしてそうではありません。御親憶はあくまで我々の手で、けして忘れられぬ存在となるのです

エージェント・新田: その…、大切な思い出、ということですがその基準はいったい何なのでしょうか?

SCP-1451-JP-1: 故人様がもっとも強く覚えておられる記憶です。それ以外に何があるでしょうか?

エージェント・新田: …ですが、強く覚えてる記憶にも良い記憶と悪い記憶があるのでは

SCP-1451-JP-1: いいえ、記憶されることは良いことでございます。それがどのような記憶であっても、強い記憶こそが御親憶、大切な思い出になるのでございます

エージェント・新田: …話を変えましょう。そう言いますが、その御親憶が必要な人、その葬儀を行った人物自体は失われてしまいますよ?

SCP-1451-JP-1: ええ、そう仰るお客様は多いですね。しかし、そうではないのです。こう言うのはいささか問題とされてしまうやもしれませんが…、御葬儀というものの主役は一般的には故人様です

エージェント・新田: まあ、そうでしょうね

SCP-1451-JP-1: ですが、それはいずれ失われてしまうもの、忘れられてしまうものでしかないのです。永遠に残る物質はまずない。故に、私共はこう考えています。御親憶こそが葬儀の主役であり、故人様は躯、その性格を持つ物体でしかない。つまり、御葬儀とは、故人様ではなくその御葬儀を見送る側こそが、また主役であるのだと。そして、御親憶は持ち主様からお見送りされる側へ忘れられることなく永遠に受け継がれていく。慕情ではなく、停滞ではなく、皆様が忘れられぬよう、未来への墓標を守る。それが私共の使命であり、皆様に提供できる最高のサービスでございます

<録音終了>

このインタビューを受け、後続調査を行ったところ、自己終了を行った職員を死亡後、最初に見た職員にも同様の記憶異常が発生すると同時に、その職員にも同様の異常性があることが判明し、異常性が重複していることが確認されています。

補遺1: 20██/██/██、一切の申請、侵入が発生していない、かつ参列者が存在しないにも拘らず、SCP-1451-JPの異常性が発生しました。対象は何らかの異常性を持つと推測されるマネキン人形であり、火葬時、現時点で確認されているSCP-1451-JP-1が全て参列していました。護良研究員によりSCP-572-JPとの類似性が指摘され、調査が続けられています。

以下は、上記事案発生後、SCP-1451-JP-1に対し行われたインタビュー記録です。

インタビューログXXX-JP-2 20██/██/██:

対象: SCP-1451-JP-1

インタビュアー: エージェント・新田

<録音開始>

SCP-1451-JP-1: ようこそ、██斎場へ。御用件は何でしょうか? 御親憶の葬儀申し込みでしょうか?

エージェント・新田: いえ、そうではなく、聞きたいことがあるのですが

SCP-1451-JP-1: 何でございましょう

エージェント・新田: えー、20██/██/██に貴方方が行った葬儀についてなのですが

SCP-1451-JP-1:

エージェント・新田: どうされました?

SCP-1451-JP-1:

エージェント・新田: あの

(これ以降、SCP-1451-JP-1の声が録音された機械音声と推測される声に変更される)

SCP-1451-JP-1: 誠実、真摯、丁寧をモットーに、皆様からの依頼を完全にこなします。如月工務店でございます! 我々は酩酊より来る者、我々は忘却より来る者

エージェント・新田: …新田、退避します!

SCP-1451-JP-1: 我々は酩酊より覚める者、我々は忘却を焼く者。燃やしましょう、棄てましょう、別れましょう。我々は明るい光の中に、我々は明るい未来の中に、永遠を打ち立てましょう。一方的な思いなど、独りよがりな善意など、愛など、我らには必要ない。…誠実、真摯、丁寧をモットーに、皆様からの依頼を完全にこなします。如月工務店でございます!

<録音終了>

以降、約24時間、同内容をSCP-1451-JP-1は繰り返し、消失しました。この事案以降、SCP-1451-JP-1に対する質問は全て、回答を拒否される結果に終わっています。

補遺2: 20██/██/██、Dクラス職員に生体撮影機器を装着させ、火葬場への侵入を行う実験が認可されました。対象となったDクラス職員が火葬場に侵入した後、撮影機器は不明瞭な影を映していましたが、SCP-1451-JPの火葬終了予定時刻と同時に、複数の映像記録を写しました。これらの記録を直接目視した職員は上述の記憶異常が発生、隔離されています。

以下がその際確認された映像記録の内容例です。

映像記録XXX-JP(抜粋)

確認された映像 注記
玩具の車で遊ぶ少年と、それを連れ戻しにくる母親 以前の実験で消失したD-████の幼少期と少年が一致した
朝日の中、██市を俯瞰的な光景から観察している様子。視点の主体は何らかの飛行機器に搭乗していると推測される 初期収容の際、SCP-1451-JPの異常性を受け、その後自己終了したA.██の記憶と一致
暗闇。不明な人物が周囲で叫んでいる声が確認される。視点の主体は怯えている様子を見せる。映像は光が差し込んだ時点で終了する 詳細不明
途切れ途切れに移動する国内の幹線道路映像。映像へ何らかの視線が向けられると映像の位置移動が確認される 護良研究員により、撮影箇所からSCP-838-JPとの関係が指摘されている
固定された視点からうず高く積もった何らかの物体の山を観察している様子 A.我路により、SCP-1922-JPとの一致が指摘されている
雪の降る宴席 突如、画面を巨大な手が覆い[削除済み]。これ以降、随行していたGPS機器の信号が確認されなくなり、同時に映像も停止した。なお、GPS信号の停止はこの事案のみ発生している
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