SCP-148-JP
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職員によってカンバスに描写されたSCP-148-JP

アイテム番号: SCP-148-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-148-JPは生物サイト-8102内の地下██階の強化コンクリート製の標準的な大きさの部屋にあり、そこで標準的なサイズの固定された大理石製の鳥籠内に保管されています。
給餌は1日に1回、Dクラス職員によって、くず鉄を約3.5kgか、直径28mmの鉄製ゼムクリップを同量分、鳥籠の格子の隙間から内部へ投入します。

SCP-148-JPの保護領域内では金属の持ち込み、配置はできません。対象に直接触れる場合は、金属探知機による検査を受け、全身防護服を使用してください。その際、SCP-148-JP-2に触れようとすることは、SCP-148-JP-1の狂暴化を引き起こすために禁止されています。SCP-148-JP-2を保護領域外へ持ち出すことは収容違反を引き起こす恐れがあるため固く禁じられています。
SCP-148-JP-2が"孵化"するなど、SCP-148-JP-1が保護領域内に2個体以上存在する場合は、1個体になるまで破壊します。その際はCFRPなど金属以外の材料で製造された銃火器の使用が推奨されます。

また、SCP-148-JPを撮影することは、収容違反を引き起こす可能性が高いため、動画静止画を問わず一切禁じられています。これは実験においても同様です。

SCP-148-JPにつつかれたスタッフは、即座に服を脱ぎ、組成が変化し始めた部分を身体から遠ざけます。この初期対応が間に合わず、身体の一部の組成が変化してしまった場合は、早急に施設内の医療施設を受診してください。

説明: SCP-148-JPは体長12cmの真っ白な、大理石のような物質でできた小鳥(SCP-148-JP-1)と、長さ2cm程度の同じ物質でできた卵(SCP-148-JP-2)です。
SCP-148-JP-1は体色と食性を除けば、スズメ(Passer montanus)とほぼ同じ特徴を有しています。SCP-148-JP-1は純白の大理石のようにみえる外見を持ちますが、通常のスズメ同様に跳躍、飛行などの行動が可能であるため、その身体の材質は未知の物質であると考えられています。
SCP-148-JP-1は餌として金属のみを摂取します。餌に対する執着は非常に強く、自身を中心とする半径約50m圏内に入った金属に反応し、猛烈な勢いで啄みます。以前、SCP-148-JP-1に餌となる金属を与えない実験が試みられましたが、SCP-148-JP-1の狂暴化を助長、収容違反を引き起こし、観察を担当していた職員1名が死亡しました。以降、SCP-148-JP-1の断餌実験は禁止されています。
また、SCP-148-JP-1は動くものなら金属以外でもつつき反応を示します。この場合、つつかれた対象はSCP-148-JPのような真っ白な大理石状に組成を変化させます。この変化はつつかれた箇所から秒速約5cmの速さで染みのように広がっていき、激しい痛みを伴います。染み状の変化はつつかれた箇所から接触しているものを伝って半径約50cmまで放射状に進みます。変化後の物質の組成は大理石と全く変わらないことが確認されています。

SCP-148-JP-2はSCP-148-JP-1の食べ残した金属によって構成された"巣"の中に存在しています。SCP-148-JPの発見当初は3個でしたが、収容中にSCP-148-JP-1が産卵したため、現在は██個となっています。産卵ペースは1年に2,3個程度です。
SCP-148-JP-2は、SCP-148-JP-1が破壊されると、平均して72時間程度経過した後、SCP-148-JP-1へと"孵化"し、元のSCP-148-JP-1と変わらない大きさ、特性を持ったものへ変化します。
SCP-148-JPは自身が撮影された媒体を使って自己複製をします。SCP-148-JPを撮影した写真や映像が映し出され7分程度経過すると、媒体に映り込んでいたSCP-148-JPが消失し、SCP-148-JP-1が媒体から飛び出してきます。こうして複製されたSCP-148-JP-1も元の個体と同じ性質を持ちます。なお、カンバスへの写生された絵画にはこのような特性がないことが判明しています。この性質は、SCP-148-JPを撮影した写真からSCP-148-JP-1が発生した収容違反事故をきっかけとし、勇海博士の一連の実験により確かめられたものです。詳細は実験記録-甲を参照してください。

SCP-148-JPは████県内████川上流付近の山小屋で、小屋の所有者である芸術家████████に捜索願が出されたため派遣された警察官によって発見されました。その後、████県警内の職員により確保され、生物サイト-8102内に収容されました。
発見当初、SCP-148-JPは大理石製の鳥籠内にあり、付近には約173cmの高さで指を鳥籠に伸ばした状態の大理石の老人像の他、多数の大理石の彫像が確認されました。SCP-148-JPが発見された小屋は所有者がアトリエとして使用していたようで、鑿やハンマーなどの作業道具の他、スケッチなどが描かれたノートがありました。その中にSCP-148-JPの発生に関係するとみられる記述が発見されたため、以下に補遺として記録します。

補遺: SCP-148-JPが発見された小屋内にあった、芸術家████████のものとみられるノートの記述

真の芸術とは。
絵画、音楽、演劇、建築、写真、映画、
芸術と称する媒体は数有れど、その何れも完璧の境地に至るほど削ぎ澄まされてはいない。

魂とは。
展延とも通電とも無縁の、知恵の果実に侵される前の、
塊に宿る。

おお、母なる大地たる大理石よ。
この信念で振るわれた鑿に、
光あれ

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