SCP-1489
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アイテム番号: SCP-1489

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1489は収容エリア-22内の標準軌路線、9kmにわたる修復された環状線に封じ込められています。この線路の全てのレールと枕木は長らく運行に使用されていない歴史的な路線から取られ、交換の際は最後に整備されたのが1860年よりも前である線路の部品を流用しなければなりません。杭やその他の構成部品は歴史的な部品である必要はありません。SCP1489の収容環状線の全構成部品は風化の影響を防ぐためにポリマー樹脂の膜で覆われています。同様に保存された歴史的部品の追加供給分は、修繕のために現場で保守されます。

収容環状線の損傷が発見されたあらゆる歴史的な部品は、修復を行うよりも交換を行うべきであることに注意してください。修復を行うとこれらの歴史的な部品はSCP-1489の収容に不適当となります。

SCP1489の収容環状線は腐食性の損害に対して予防保守を施すために、最低でも1日に1回徒歩で観察を行います。SCP-1489は常時最低二人の監視員が視界に捉えていなければならず、これによって非観察時の収容違反を防止します。

収容違反が発生した場合、収容地への方向転換を遂行可能とするために必ずSCP-1489の脱出軌道を記録して機動部隊タウ-2(「"Train Spotters"(列車マニア)」)に伝達してください。

説明: SCP-1489は非実体的な鉄道列車です。

SCP-1489は蒸気機関車に牽引される18の鉄道車両で構成され、全車両は常に約40km/hの速度で地面に沿って走行しています。SCP-1489は直接それを観察する人間には視覚と聴覚の双方で認識可能ですが、間接的あるいは録画による観察(鏡を含む)では完全に不可視です。SCP-1489は明確な物理的実体を持たず、前方にあるあらゆる物体を一切の影響なくそのまま通過します。この特性を免れる唯一の物体は1860~1870年の間の未知の日付より以前に作成、設置された鉄道の構成部品です。SCP-1489はこれらに対して通常の列車と同じように接触するため、歴史的な部品で構成された線路によって封じ込めることが可能です。接触は明らかに一方的で、SCP-1489は通過したこのような物体に対して一切の力を加えません。

こうした線路に沿って走行していない時、SCP-1489は直線の鉄道を走るかのように地面に沿って滑らかに動き、地球の測地線1をなぞります。これを逸れるのは歴史的な部品による充分に古い線路へほぼ平行にぶつかった場合に限られます。この行動は線路が中断するに達すると即座に再開します。

SCP-1489は一般的に土地の輪郭に従い走行し、上り道を走行する際は速度を落としますが、ある程度の海抜と容積を持つ水面は見えない線路があるかのように横断します。またこれと同様に、一定の傾斜を持つ地形に行き当たった際、まるでトンネルを通過するかのように横断する様が観察されました。SCP-1489を人間が観察した場合、完全に固体であり現実的な存在として見えるため、対象が居住地域を走行する際は概して重大な混乱が発生します。SCP-1489の全目撃者の発見は困難であることから、財団はあらかじめ”幽霊列車”のストーリーを含む偽情報の流布を行い、こうした目撃者の証言が信用を得る事態を防止しました。

SCP-1489の機関車は19世紀半ばロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道で使用されていたミネルバ級タンク機関車と類似していますが、それ以上の特定が可能な識別マークは一切確認できていません。SCP-1489の機関車と牽引される車両はこの時代のものと同一の様子ですが、しかしながらSCP-1489には軽度の磨耗しか見られません。SCP-1489はその車両の規模に適した乗客と貨物を収容しており、これらは間接的な観察者に対する不可視性と非実体的な特性を共有しています。SCP-1489の乗客たちに対して、列車と同速度で並走する車両からコミュニケーションの試みが行われましたが、乗客たちがこれを見て互いの会話を打ち切った様子が観察され、今のところ彼らは研究者とコミュニケーションを取る意思がないことが判明しました。

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