SCP-1493-JP
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アイテム番号: SCP-1493-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのSCP-1493-JPはパスワード認証のロッカーに保管します。SCP-1493-JPの閲読は実験時のみに限定され、実験に参加しSCP-1493-JPの影響を受けた全ての職員はクラスA記憶処理を施してください。

SCP-1493-JPまたはSCP-1493-JP-1の影響を受けた作品に関する情報を発見した場合、機動部隊つ-7(”火消”)は回収に向かってください。SCP-1493-JPを回収後、SCP-1493-JP-1には記憶処理を施し異常性を消失させます。SCP-1493-JP-1の影響を受けた物品は全て回収し、財団の監視の元で処分を行ってください。

説明: 現在収容している318冊のSCP-1493-JPは199█年6月に発売された漫画雑誌「月刊少年████」に酷似しています。しかしSCP-1493-JPの最後には、同一の雑誌には存在しない漫画が106頁分追加されています。漫画のタイトルは「ハジけろ!██████████のドッカん事件」で、作者は██████████1と記載してあります。内容は不条理なギャグジャンルに分類されるもので、警察官の服を着た少年が架空の町を歩き回ることでストーリーが進行し、ギャグの殆どは主人公の持つ爆発物が破裂することで締められています。絵柄は掲載されている他の作品よりも比較的に画力が乏しく、読了した人物は対象の漫画を主に「つまらない」「意味が分からない」と形容した感想を述べています。

SCP-1493-JPの最後に記載されている漫画を読了した人物をSCP-1493-JP-1に割り当てます。SCP-1493-JP-1は他の作品媒体を冒頭から最後まで閲読または視聴すると、その作品の最後が爆発によるオチに置き換えられます。しかしどのジャンルの作品においてもこの爆発によって登場人物が死亡または重傷を負うケースはなく、物語の進行に支障がないレベルの軽傷または着衣の乱れに収まります。また、置き換えられた展開によって物語の進行は変化する場合があります。このラストによって最後まで閲読または視聴した人物は、何らかの解釈によって肯定的な印象を受けます。これは作品に影響を与えたSCP-1493-JP-1に限らず、他の人物でも同様です。

SCP-1493-JP-1が閲読または視聴することによって影響を受ける作品は、SCP-1493-JP-1が異常性を獲得する以前に見たことのない作品のみに限定されます。また一度影響を受けた作品も、別のSCP-1493-JP-1の異常性を受け付けません。影響を受ける作品は書物に限らず、ビデオテープ、ディスク、朗読、舞台、インターネットに投稿された動画が確認されています。特定の作品が影響を受けても、別の媒体に記録された同一作品に影響はなく、インターネットに投稿された動画においてもSCP-1493-JP-1が視聴に使用したハードウェアでのみ変化が確認できます。

SCP-1493-JP-1は記憶処理によってSCP-1493-JPの記憶を消失すると異常性を失うことが確認されています。しかしこの記憶処理においてもSCP-1493-JP-1の影響を受けた作品が元に戻ることはありません。

補遺: 200█年11月20日、愛知県██市在住の██ ███氏がSCP-1493-JP-1としての異常性を保持していることが確認され、自宅を捜索すると48冊のSCP-1493-JPを発見しました。██ ███氏はSCP-1493-JPの他にも合計13██冊の漫画本を所有しており、その内の78%がSCP-1493-JP-1の影響を受けていました。財団職員はSCP-1493-JPを大量に所持していた██ ███氏がSCP-1493-JPに対し何らかの関与を持っている可能性が考えられ、サイト-81██でインタビューを行いました。

インタビューログ002 - 200█/11/20

対象: ██ ███氏(以後、SCP-1493-JP-1と明記する)

インタビュアー: 浅井研究員

付記: SCP-1493-JPに関する正確な記録を行う為に、記憶処理を施さず異常性を保持した状態のままインタビューを実施する。

<録音開始>

浅井研究員: 初めまして、██さん。貴方にいくつかご質問をしたいのですが、宜しいでしょうか?

SCP-1493-JP-1: あぁ、別に構わないけどさ……俺、何か捕まるようなこと、したのか?

浅井研究員: いいえ、御心配なさらず。インタビューが終了すれば無事ご自宅へ送還致します。我々は貴方が所持していた漫画雑誌の月刊少年████2に関する情報が知りたいのです。

SCP-1493-JP-1: あぁ、あんた達の仲間が持ってったあの雑誌のことか?あれがなんだよ、あんた達にとって、何か大事なもんなのか?

浅井研究員: そうですね、詳しくは教えられませんが……あの雑誌は他の書籍よりも大事に保管されていたように見受けられます。一体何故でしょう。

SCP-1493-JP-1: あぁそりゃ……俺って元々さ、マイナーなギャグ漫画とか集めるのが趣味なんだよ。周りが話題にしないようなさ、そういうのを友達に紹介するのが好きだったんだ。それである古本屋で、あの雑誌を見つけたんだ。元々あの雑誌は読んだことがある筈なんだけどさ、最後の方に知らない漫画が入ってたんだよ。でもそれを読んだらさ、すっげぇわくわくしちゃって……。今まで読んだ中で一番面白かったんだよ。

浅井研究員: 面白かった、ですか。しかし画力も乏しく内容も稚拙ではないですか?

[SCP-1493-JP-1は小さくため息をついた。]

SCP-1493-JP-1: そうだろうな……友達に勧めても同じようなこと言われたよ。でもよ、単純に面白いとかどうとか、そういうんじゃないんだよ。あの漫画はさ……あんたら方は見た感じ頭が固そうだから分からないかもしれないけど、爆発オチっていうのがさ。分かる?

浅井研究員: えぇ、続けてください。

SCP-1493-JP-1: 流れをぶった切る、無理やりでも丸く収めるようとする爆発オチ。俺も最初はそんなのくだらねーと思ってた。だけどよ、あの漫画を読んでから俺は気付いたんだよ。何て言うんだろうな……とにかく爆発オチにも良さがあるんだなって、あの漫画が教えてくれたんだよ。

浅井研究員: しかし何故あんなに沢山、同じ雑誌を所持していたのですか?

SCP-1493-JP-1: あの漫画が入った雑誌、本来なら不良品だからって出版社が回収してるって知ったのさ。それから俺は古本屋を巡って集めるようになったんだよ。あの漫画を、俺の手で守ってやりたいと思ってさ。

浅井研究員: SCP-1493-JPを所持して以降、他の漫画で違和感を覚えたことはありますか?

SCP-1493-JP-1: 違和感つっていいのかな……あの雑誌の漫画を読んでから、なんか爆発オチの漫画を目にするようになったね。漫画業界で爆発オチが流行にでもなったのかな。でも漫画だけじゃない、どのアニメも映画も爆発オチを使うようになってたな。俺も流石に飽きると思ったけど、爆発オチにも色んな違った良さがあってさ、その個性を見出すと何でも楽しめるんだ。特に、シリアスに見せかけて最後に爆発オチで笑いを取るとか最高の流れだと思うね……。

浅井研究員: あの漫画雑誌を友達に読ませたと言ってましたが、他にも貴方のように爆発オチの魅力に気づいた人物はいますか?

SCP-1493-JP-1: いいや、誰もあの漫画の良さは分かってくれない。絵が下手だとかギャグがつまらんとか散々言ってさ、誰も最後まで読んでくれなかったよ。でもあれ以外の漫画は、みんな楽しんで読んでたな。

[SCP-1493-JP-1はテーブルに肘をつき、手で顔を覆った。]

SCP-1493-JP-1: 俺の中ではあの雑誌の漫画が一番だと思うんだけどさ、なんで分かってくれないんだろうな……。どんなに険悪な関係になっても、爆発一つで何でも解決しちまうんだ。爆発オチこそ、今の世の中が一番求められてる面白さなんじゃねえのかな。

浅井研究員: ……それではインタビューは以上になります。ありがとうござ―

[施錠されたインタビュー室の扉が勢いよく開き、警察の制服を着用した少年3が進入してくる。]

浅井研究員: えっと……君は、誰だい?

少年: ██████████じゃないか!まったく君は████████だな!

浅井研究員: 一体何を言って……おいその手に持ってるのは―

[爆発音]

<録音終了>

終了報告書: 進入してきた少年が所持していた黒い球体の爆発によってインタビューが中断された。爆発は室内全体を振動させるほどの威力があったが、インタビューを実施していた2人に外的損傷は見当たらなかった。爆発後に少年は消失し、出現した形跡も確認されていない。SCP-1493-JP-1によると少年の言葉はSCP-1493-JPの漫画の主人公の決め台詞と同じだと証言した。

恐らくこのインタビューそのものをSCP-1493-JP-1は"作品"と認識したために、SCP-1493-JPの登場人物と同じ少年が出現したのだろう。再現は可能だろうが、私はもうあんなオチに巻き込まれるのは御免だ。 - 浅井研究員

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