SCP-1509
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SCP-1509とその鞘(鞘のこの面からは彫刻はほぼ見えない)。

アイテム番号: SCP-1509

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1509は保管サイト-08の安全保管庫に保存されます。SCP-1509へのアクセスは実験または保全作業のみに制限されています。

SCP-1509によって小さな傷を負った職員は、直ちに現地の医療施設に報告を行い、その場で観察下に入ってください。傷から出現する全てのオブジェクトは医療スタッフにより収容されます。全てのSCP-1509-1実体は医療スタッフにより収容され、破壊されます。

SCP-1509によって負傷した全ての人物は、創傷が治癒し、SCP-1509の作用の説明を受けた所属の医師により解放許可証に署名がなされるまで観察下に置かれます。非財団職員がSCP-1509によって負傷した場合、一般社会に解放する前に記憶処理を行わなければなりません。

SCP-1509の誤った取り扱いまたは使用によって重傷や致命傷が発生した場合、被験者を受傷から30分以内に安全な医療施設に移動させてください。対象はSCP-1509の作用が終了するまで鎮静されて拘束され、その後に遺体は焼却されます。

このプロセス中に発生したSCP-1509-2実体は直ちに収容され、尋問が行われます。SCP-1509-2実体が暴力的に反応した場合、スタッフは直ちに実体を終了することが許可されています。尋問の後、実体はSCP-1509を監督するレベル2職員の裁量によって対処することが可能です。過去のSCP-1509-2実体は次のように対処されています。1, 即時の終了、2, Dクラス職員として雇用、3, 無期限の勾留、4, 記憶処理の後、一般社会に解放。

説明: SCP-1509はインドネシアのパラング (Parang) に似た刃付きの武器です。長さは63センチメートル、刃は鋼製で48センチメートル、厚さは最も厚い箇所で11ミリメートルです。刃の金属は部分的に錆びています。当該オブジェクトは、オウムと推定される鳥に似た姿が彫られたと考えられる木製の鞘とともに回収されました。持ち手の部分は元の柄の代替として後から作成されたものと考えられています。

その刃によって人間(以下、被験者と呼称)が傷つけられるまで、SCP-1509は異常特性を示しません。SCP-1509によって負った創傷は、異常な空間歪曲の影響を受けます。どのように傷を探った場合でもその深さは決定不能で、おそらく無限大であることが示されます。この現象は傷そのものを外側から検査した場合のみ発生します。被験者はこの異常による悪影響を受けず、医用イメージング上では異常性は発現しません。「傷」を貫通するような形で、その縁を越えた内側に置かれて放置された異物は全て消失します。

SCP-1509による傷のタイプに応じて、作用1509-1、作用1509-2と指定される2つの異常作用の一方が発生します。

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SCP-1509-1の作用によりSCP-1509によって生じた傷から回収されたMonomorium phaeronisの標本。

作用1509-1は一般に、傷が四肢に与えられた場合や、傷の幅が7センチメートル以下の場合に発生します。最初の内は創傷の治癒は非常に緩慢ですが、傷からの流血は予想されるより遥かに少ないものとなります。

SCP-1509による受傷から3時間以内に、傷からは一度に1から15匹のイエヒメアリ (Monomorium pharaonis) の群れが放出されます。調査では、これらのアリは傷の中に出現し、一直線に開口部に向けて這い出してくることが示されました。しかし、アリの起源については判明していません。アリ自体はいかなる異常特性も示しません。傷からの脱出後、アリはできる限り早く被験者から離れることを試みますが、その理由は不明です。

作用1509-1によって傷から放出された全てのアリはSCP-1509-1実体と分類されます。

受傷から12-18時間後、傷は加速度的な治癒を始めて完全に塞がります。この時点で作用1509-1は終了します。

補遺: SCP-1509は骨董品収集家███████ ███████の個人コレクションから回収されました。彼はこれをインドネシア、██████の発掘現場から収集したと見られています。彼の語った情報と財団による独自調査から、SCP-1509はイスラム化以前のインドネシアに存在した未知の社会の一つにおいて、殺人者に対する刑罰として用いられていたと考えられています。SCP-1509の適用には厳格なルールが存在しており、その使用は犯罪者、または老人や重病人のボランティアに限られていました。この社会はおそらくSCP-1509の利用の結果として、アリとオウム、死と復活の概念の間に強い関連性を抱いていたと考えられています。

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