SCP-1552
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アイテム番号: SCP-1552

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1552の囲いは反射率が最小になるように設計されています。また部屋の観察デッキは立ち入り禁止です。SCP-1552の囲いに立ち入る職員は、概要について十分な説明を受けなければならず、囲いの内部に2名以上の職員が同時に居てはなりません。また校正済みの光沢計を携帯していなければならず、95光沢単位を超える表面を持つ物体を囲いの中に持ち込んではなりません。SCP-1552-1はレベル2のアクセス権を持つ保管庫にて保管されることになっています。

SCP-1552はその種に適した水と食料が必要です。備え付けのディスペンサーによってのみ水が供与されることになっています。またディスペンサーは遠隔操作によって操作され、職員が部屋を立ち去った後にのみ開栓されなければなりません。SCP-1552に対し定期的に遊び道具が提供されなければなりません。―遊び道具が反射面を持たないことを保証するために、提供前には職員は注意深く検査を行わなくてはなりません。餌やりと掃除の当番は可能な限りDクラス職員が請け負うことになっています。

SCP-1552-1は定期的にリスト化されることになっており、また塗料被覆の損傷を検査されることになっています。SCP-1552-1はレベル4のクリアランスなしでは施設から移動させてはなりません。またSCP-1552-1は深刻な危険物体であると見なされています。

説明: SCP-1552は健康なオスのイングリッシュ・ブルドッグであり、ターキン(Tarquin)という名に反応します。研究者たちが解明できる範囲では、約3歳から5歳です。組織サンプルには品種から予想されるもの以外の遺伝的変異がないことが明らかにされています。

執筆時点ではSCP-1552-1は約257個の個別の品々から構成され、それらには手鏡が13枚、浴室用の鏡が4枚、車・単車用のミラーが3枚、クロムメッキ処理された単車のシャーシの一部が2個、車のシャーシの一部が6個、「ターキン」という名前のある真空金属蒸着されたプラスチック製名札付きの犬用首輪が1つ、1675mlの水(現在、密封されたプラスチック製容器に保管中)、多岐にわたるオフィス用備品が52個、そして様々な大きさの個別のガラス破片175個が含まれています。執筆時点では250個の物品は黒色の艶消し塗料で被覆されています。

SCP-1552に対する相対的な位置によらず、それぞれのSCP-1552-1はSCP-1552の顔の近接映像をリアルタイムで映し出します。この映像は恒久的に反映されたままになります。―例えSCP-1552-1が強制的に砕かれた場合でさえ、それぞれの破片はその犬の近接映像を反映し続けます。各SCP-1552-1には現在、監視することのできない現役SCP財団施設のライブ映像が(一部はSCP-1552により遮られていますが)映されています。SCP-1552-1を安全に無力化する手段を発見する試みが進行中です。

光沢係数が95以上の反射面はどのようなものでも、以下の条件下でSCP-1552-1へと変化しやすくなります。―SCP-1552がある面に反射されていなければならず、独立した観察者がSCP-1552の反射像を見る目的でその面を観察しなければなりません。これを受けて、反射面全体がSCP-1552-1になります。SCP-1552-1を作りだす「観察者効果」は、面が直接見られた場合にのみ適用されます。どのような機械的な隔たりでも(例えば監視カメラ、リアルタイムかそうでないかには関わらず)この効果は無効となります。SCP-1552-1へと変化した後もその物質には検出可能な分子変化はありません。しかしながらその物質はまるで完全黒体であるかのように光を吸収することが分光分析から明らかになります。SCP-1552-1が異常な熱力学的特性を示さないため、この光はSCP-1552の映像として再放射されていることが断定出来ます。SCP-1552-1内のSCP-1552の映像は、その反射像が他の物体内で観察された場合、さらにSCP-1552-1を作りだす能力を有しています。つまり観察者がSCP-1552-1の反射像を見る目的で非汚染反射面を観察する場合、その面もまたSCP-1552-1になります。

SCP-1552はSCP-1552-1に反映される映像を制御できるようには思われません。また無意識下でもその効果は損なわれることなく映し出されます。しかしながら、SCP-1552が無意識下である一方(単に眠っているだけという事実に反し)、眩暈のような感覚が反映像から発せられていると報告する観察者もいます。この時間中の機械的な記録からは測定可能な変化は何も示されず、よってこの現象に関し起こり得る精神的兆候をさらに研究する必要があることが示唆されます。SCP-1552が無意識下である場合にSCP-1552-1がより活動的な傾向を示すことから、この動物の安楽死の試みはすべきではないと思われます。

セクター25が大事件に遭遇した場合に、他の施設へ連絡を取る手段が他になければ、SCP-1552を緊急警報システムとして利用できる可能性があります。解明できる限りでは、SCP-1552-1への映像の伝達は防ぐことが出来ず、距離限界はありません。SCP-1552-1の「カメラ」とSCP-1552の顔の間の画面をこちらが定めることは不可能なように思われますが、SCP-1552の頭は通常、SCP-1552-1に向けて送信される画面全体を占有しておらず、またその動物の背後から文字情報が簡単に送信されることもあります。SCP-1552-1を他の財団施設へ急送するための緊急時対応策の草案が作成されています。―それらは監視カメラを通じて監視される必要があるでしょう。

回収記録1552

██████で起こった大規模な交通事故においてSCP-1552の特性が関係した際に財団の注目を向けられることになりました。SCP-1552はどうやら以前の飼い主と散歩中であったようです。飼い主は身元不明の男性であり、その衝突事故により死亡しました。SCP-1552の傍を通り過ぎた運転手はその後、サイドミラー内にその動物をよりはっきりと見てしまうことになりました。サイドミラーは予想通りSCP-1552-1に変化していました。運転手はSCP-1552の顔の出現に驚き、道路を横切って他の車に背後から激突し、それにより他に2台の車がスピンして制御不能になり、そして店の窓に突っ込みました。この事故のどこかの時点で窓は別のSCP-1552-1になっていました。██████保健所によりSCP-1552が現場から連れ去られた後でさえ、窓の破片がSCP-1552の反射像を映し続けていることにその地方の捜査機関が気付き、財団は彼らから連絡を受けました。執筆時点では0.049m2を除いてすべての店の窓は首尾よく回収されました。現場の街路に掃除機を掛け、排水管の堆積物を除去するための工作員が送り込まれた後に、同様に5gの目の細かい磨りガラスも回収されました。―封じ込めを容易にするために、この磨りガラスは単一のSCP-1552-1に溶けあわせられました。封じ込め以前にSCP-1552-1へと変化した他の物質を探し出すために、少額の予算が計上されました。

付録1552-01

適切な表面反射を行う液体はSCP-1552-1への変化を逃れることができないということが立証されました。そのため、汚染された液体が水循環系に入る可能性があることは明らかに危険です。SCP-1552-1に関係する最悪の状況は、世界中の海洋がSCP-1552-1へと変化し、続いて真水の供給もすべてSCP-1552-1へと変化することであるため、SCP-1552-1へと変化した水が飲用可能かどうかを確定することが必須です。事実上速やかに、SCP-1552はEuclidとして再クラス分けが行われます。SCP-1552と液体に関する追加実験は禁止されています。SCP-1552の水入れは密閉され、職員がSCP-1552の部屋を立ち去った場合に自動的に開かれなければなりません。。セクター管理者の許可なくSCCP-1552の部屋に他の液体を持ち込むことは禁止されています。

████/██/██: Dクラス職員を用いた実験からは、SCP-1552-1は毒性を示さず、特有の汚染能力も示さないことが判明しました。希釈を行うことにより映像はぼやけていき、SCP-1552-1が1の割合に対し水が2の割合で希釈することで映像は完全に消失しました。ここで注意しなければならないのは、現在汚染された液体とされていない液体を分離する方法は存在しないことです。―塗料で覆われた固体のSCP-1552-1と同様に、希釈したSCP-1552-1は無力化されているとは見なされていません。

事件報告1552-████-1

SCP-1552-1の伝染性に対する研究の一部として、2名のDクラス職員がSCP-1552の囲いの中に入ることを許可されました。うち1名はもう1名の眼の反射を用いてSCP-1552を観察するよう指示されていました。予想通り、後者の眼はSCP-1552-1になりました。予想外であったことは、被験者は完全な視界を保ち続けていたことであり、恐らくはSCP-1552の黒体の性質と関連があると思われます。被験者は実験の効果について告げられた時にはあまり反応を示しませんでしたが、施設からの逃亡を試みました。汚染された被験者は遭遇したどのような反射面にもSCP-1552の映像を視認可能であったため、他のDクラス被験者やエージェント・███の眼、加えて施設のありとあらゆる面へとSCP-1552-1を素早く拡散することが出来ました。封鎖はほぼ即座に確立され、1.5時間後には全ての封じ込めが回復しました。

O5-██との協議の後、エージェント███の眼を切除する決定が下された。外科医はウェブカメラを用いた機械的切除により首尾よく手術を成し遂げてくれた。またエージェント███は完全な補償を受ける予定だ。非常に危険な状態のため、5名の汚染されたDクラス被験体は財団規約に沿って解雇された。 – █████教授

事件1552-████-1の結果、SCP-1552に対しDクラス職員を使用することは一時中断されています。適切に概要を説明された研究者と獣医職員は、食事や他の任務に従事するためにSCP-1552の囲いに立ち入ることが許可される予定です。

付録1552-02

改訂された収容プロトコルが継続的に成功しているため、SCP-1552のクラス分けはSafeに引き下げられました。

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