SCP-1552-JP
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イベント中のSCP-1552-JP-1実体。

アイテム番号: SCP-1552-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 「法闘争イベント」の発生に備え、財団所有の監視衛星の内2 つがSCP-1552-JPの監視に割り当てられています。SCP-1552-JP-1が出現し「法闘争イベント」が開始された際には、直ちに現場を封鎖し「映画の撮影」などのカバーストーリーを使用します。この際、イベントを目撃した一般人にはCクラス記憶処理が行なわれます。

また、SCP-1552-JPによって生成された裁判記録で、利益衡量上問題があるなどの不備がある場合は、その裁判記録を消去し通常の裁判手続によって審理をやり直します。そうでない裁判記録については通常の裁判記録と同様に扱いますが、財団司法部門の責任者及び最高裁判所の許可が必要です。SCP-1552-JP-1に対して攻撃を加えることは、実験を含めて許可されません。

説明: SCP-1552-JPは日本国内にランダムに出現する人型オブジェクトと関連する現象の総称です。違法な行為や権利侵害1が行われた際、SCP-1552-JP-1はその場にランダムに出現し、一連の「法闘争イベント」を開始します。出現のもっともありふれた形は、高所からその場に飛び降りるというものです。この出現の瞬間の様子を監視機器によって記録する試みは、カメラ映像がSCP-1552-JP-1を中心に「法闘争」の模様を撮影した映像に差し替わるという現象によって成功していません。SCP-1552-JPは完全な不定期で出現し、その間隔は2 日から12 年までとパターン性がありません。

SCP-1552-JP-1は英国風のコートドレスとカツラを着用した実体で、外見的には壮年のコーカソイド男性に見えます。ただし、映像分析によって頭部の骨格の特徴がアジア系によく見られるものと一致していることが判明しています。また出現時はサーベルと見られる刀剣状の物体を鞘から抜く場合がありますが、これも映像分析から刃がつけられておらず、また違法行為の主体を殺害する際には鞘に収めるため、この物体の用途は不明です。SCP-1552-JP-1は貴族的・高圧的な口調で話し、違法行為の主体に対して侮蔑的な態度を取ります。上記のような外見上の特徴にかかわらず、SCP-1552-JP-1はあくまで日本の法や準則に基いて「判決」を行います。

SCP-1552-JP-1の出現と同時に、違法行為・権利侵害の主体・客体・関係人が影響下に入り、一定のパターンに基づく言動を取ります。主体は典型的な「悪役」のような調子で話し始め、客体はSCP-1552-JP-1に助けを求め、その場から逃げて物陰に身を隠します。関係人はその場にいない場合、SCP-1552-JP-1と同様に高所からその場に飛び降りる形で現れ、主に違法行為の証拠となりうる証言を芝居がかった調子で行います。これは最も基本的な類型であり、主体・客体の双方が後述する「判決」によって殺害されるパターンも存在しています。

前述した「法闘争イベント」はSCP-1552-JP-1による口上から始まり、日本の裁判手続をなぞるような会話を挟んで、「判決」と称して違法行為の主体をSCP-1552-JP-1が殴打によって殺害した後、「判決文」を読み上げた直後に未知の手段によってその死体を爆発させ、SCP-1552-JP-1・主体・客体・関係人がその場から消失することで終了します。この爆発は周囲の物体を破壊することはありませんが、火薬が燃焼した際の臭気が感じられると、各対象から報告されています。イベントを目撃したその他の人物は、イベントを中断させるような行動を行うことができず、しかしイベントの内容について弱い「興味」を抱くため、野次馬的な群衆となってイベントの現場に集まる結果となります。目撃する、ということに距離や範囲の制限はないと見られ、600 mほど離れた地点から照準器でSCP-1552-JP-1を見た機動部隊員がイベントの妨害に失敗した例が報告されています。

イベントが終了すると、前述のとおりイベントに関わっていた対象が全てその場から消失します。この消失を経てすぐ、イベント中に起きた身体への損傷や精神的影響は全てイベント開始前の状態に復し、客体・関係人はその生活の本拠の付近に再出現します。この時、違法行為の結果として生じた損害は賠償が済んでいる状態となっており、刑法に係る違法行為の主体は、禁錮刑以上の刑罰が科される場合は刑務所に収監された状態で発見されます。そうでない違法行為の主体は客体や関係人と同様です。この例外はSCP-1552-JP-1が「死刑」であると言及した違法行為の主体についてで、この主体は再出現することがありません。再出現したこれらの対象は前記イベント中の出来事について全く記憶しておらず、通常の裁判手続によって現在の状況が成ったのだという認識を持っています。また公的記録もイベントの終了と同時に直ちに書き換えられ、イベントの内容に沿った形での裁判記録が各文書に出現し、公式判例集に判決文が掲載されるほか、不動産登記が問題となった「法闘争イベント」の場合には、登記簿の内容が変更された場合も存在します。

出現した裁判記録には、事件を担当した裁判官や弁護士、検察官などの法曹関係者の名前が記載されており、これらの対象に証言を求めると確かにその裁判に参加していた旨を証言しますが、実際にその場所で裁判が行われてはいないことが、監視カメラ映像をはじめとする証拠から分かっています。「法闘争イベント」の完了と同時にこれらの対象の記憶が改ざんされていると推測されていますが、その過程は現在も不明です。

裁判記録の分析から、SCP-1552-JPは判例や各種の法理に基づいて、財団司法部門の実務家、法学研究者から見てもおおむね妥当と思われる判決を下していることが分かっています。 ただし、全体的な傾向として「被害者」に対して有利となる判決を下す傾向があり、判決が不公正なものとなった例が数件発生しています。こうした判決については裁判所との協力の下、財団の司法部門と現職の裁判官によって再審理が行なわれ、その内容を改ざんされた内容と入れ替えます。それ以外の場合については、実害がないことや修正にかかるコストの面から、財団や裁判所による修正は行なわれないことになっています。

SCP-1552-JP-1に物理的干渉を行うのは困難です。「法闘争イベント」の中途では目視を伴う妨害行為が不可能であることも要因の一つです。過去には、SCP-1552-JP-1の出現した地点において記憶処理剤広域散布用の設備を用い、催眠ガスを散布してのSCP-1552-JP-1の確保が試みられましたが、SCP-1552-JP-1のガスへの耐性によりこれを無力化することに失敗しています。さらに、この作戦を立案した研究員・噴霧装置を起動した技術員など26 名にSCP-1552-JP-1によって、傷害罪の「判決」が下され、一時的に刑務所へこれらの人員が拘束されるという事態に陥りました。これら人員の解放のために極めて大きな費用が掛かったため、現在SCP-1552-JP-1を確保する試みは凍結されています。

またこのオブジェクトの発見直後から、裁判記録の調査が行われていますが、1975 年4 月5 日以降、███ 件のイベントが発生していると見られています。これは、財団が衛星などの手段を用いて確認できた██ 件を大きく上回る数であり、個人宅の屋内のような、当事者以外目撃者がいない条件のもとでイベントが発生していることを示唆するのものです。このような不規則な出現条件や、オブジェクトの性質が現在から大きく変化し、法的秩序が破壊される危険性を考慮し、オブジェクトクラスはKeterに指定されました。

補遺: 以下に、SCP-1552-JPが出現した際の「法闘争イベント」の映像記録の一部を抜粋して掲載します。映像記録は、SCP-1552-JPによって監視カメラの録画映像が書き換えられたものですが、現実に起こった現象を過不足無く描写したものであると検証によって明らかになり、財団におけるSCP-1552-JPイベントに関する記録として採用されています。

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