SCP-1553
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アイテム番号: SCP-1553

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1553のパッケージは研究サイト-14の高価値品保管ロッカー#0227に収容します。実験はホワイト・ラボ02でのみ実施されます。この研究室には壁埋め込み型のハロゲン投光ランプ、オーバーヘッドプロジェクター1台、高輝度懐中電灯2個、テーブル1脚、そして遠隔操作型のオートロック扉が設置されています。全ての壁は一年おきに白一色に塗り上げ、週ごとに保守点検スタッフが清掃します。研究室の内部に窓や照明のスイッチはありません。

実験目的で許可されていない限り、半透明または透明な機材および家具のみがホワイト・ラボ02に入ることができます。付加的な機材は全て除去しなければならず、また全てのSCP-1553-1実例とSCP-1553-2実例は各実験を終える際に終了処分しなければいけません。事案1553-2により、実例の活動を8時間以上継続させることは認められなくなりました。

ホワイト・ラボ02は24時間の遠隔ビデオ監視下に置き、実験後3日間は照明を点けたままの状態を保ちます。この期間中に異常な影の動き、研究室内の照明の不具合、許可されていない研究室の扉の開放などが発生した場合は収容違反が想定されます。廊下を封鎖してプロトコル012-トロンハイムを実行しなければいけません。

説明: SCP-1553の製造元パッケージは、この製品を“ワンダーテインメント博士®の影絵遊びセット!”であるとしています。各パッケージは青と緑の収縮包装された段ボール箱で、黒の字体で文字が記されており、寸法は15×22×22cmです。内容物は以下の通りです。

  • 半透明で粘り気のある黒い流体(SCP-1553-A)、1.89リットル(2クォート)。“影絵の具”というラベルが貼られた白いプラスチックバケツに入っている。
  • 3×10×20cmの白いスポンジ(SCP-1553-B)、1個。“影消し”というエンボス加工が施されている。
  • 異常性のない18番絵筆、1本。
  • 製造元の説明用小冊子。文書1553-Cを参照。

今日までに、アメリカ合衆国で10個、カナダで3個、欧州連合(EU)で5個の実例が発見されています。尋問の結果、全てのケースにおいて店舗従業員・経営者・地域幹部職員はSCP-1553の存在や特性についての知識を持たないと断定されました。更なる実例を発見する努力は進行中です。

照らし出されている物体表面に塗られたSCP-1553は、残渣を残さず完全に乾きます1。その後、問題の表面上には、SCP-1553-1と指定される異常な影が現れます。SCP-1553-1実例はSCP-1553-Aによって描き出された形状を維持し、異常であろうとなかろうと、あらゆる影と直接接触を介して相互作用できます。

SCP-1553-Aが動物もしくはヒト型存在を描くために使われた場合、その絵は乾燥した時点で自発的に活動を始め、SCP-1553-2実例となります。これらの実例は形状に適した知性・身体能力・習性を見せます。実例が活動能力を得るのは、明確な、途中で遮られていないシルエットとして描かれた時だけです。SCP-1553-2は生存のための栄養を必要としませんが、食物の形をしたSCP-1553-1がある場合はそれを摂取します2

SCP-1553-1とSCP-1553-2の特性・メカニズム・能力は各実例ごとに大きく異なっており、描き手の意図・気性・信念・態度と密接な繋がりを持ちます。しかしながら、全ての実例は共通して以下の性質を持ちます。

  • SCP-1553投影は常に、二次元のシルエットとしてのみ存在するにも拘らず、離れた場所にある三次元物体であるかのように相互作用を行います。
  • 全ての実例は、相互作用の場を主光源に向かって動かす3ことによって、自身が存在する表面上に“広がる”、または成長する能力を持ちます。
  • 描き手は一様に、触れること・音を聞くことによって、相互作用の場の特性を経験できます。ただし、SCP-1553によって引き起こされた音が記録されたことは無く、SCP-1553-1やSCP-1553-2に指定される影を実際に作りだしている物体の存在が確認されたこともありません。

SCP-1553-Bを影に直接こすりつけると、その影は異常か否かを問わず、即座に消失します。SCP-1553-1とSCP-1553-2はSCP-1553-Bの影と接触しただけでも無力化しますが、非異常性の影は直接接触させない限り影響を受けません。現在までSCP-1553-Aの影響を無力化できる他の実用的手段は発見されておらず、この効果を再現する研究の試みは進行中です。

SCP-1553-Bで実在する物体の影を消すと、影響された部位は30秒以内に不透明度を喪失します。観察者は影響された物体を、目に見えるのと同時に不可視にもなっていると説明します。約5分後、影響領域は普通の物体と物理的に交流する能力を失います。無生物の場合、この効果は近隣表面にSCP-1553-Aを自由に塗布すれば簡単に逆転します。しかしながら、生物にとっての上記の過程は、即座に処置が行われなければ深刻な負傷を引き起こします。詳細は実験1553-37と1553-38を参照してください。

補遺1553-01: 文書1553-C

序: 以下のコピーは、SCP-1553、“ワンダーテインメント博士®の影塗り遊びセット!”の製造元文書の英語部分です。オリジナルの文書では、イラストによる表現や示唆が幾つか文章に付随しています。

やぁ、子どもたち! 道路に落書きするためのチョークとはもうお別れだ! だってこれはワンダーテインメント博士®の影塗り遊びセット!

特許取得済みの“影絵の具”液を光が当たっている表面に塗って、後はお楽しみがイキイキと動き出すのを見守るだけ! アニ・マギ・ネイション™技術のおかげで、君の想像力が広がる限り、創作に限界は訪れない! 完全な影の王国が君の目の前で興り、潰えていくよ! 巨大な影モンスターで弟や妹をビビらせちゃえ! 影のおもちゃに触って、それが実際™に存在するみたいに遊んじゃえ!

ご心配なく、お母さんお父さん。後片付けはミラクル影消しを使えばチョー簡単! 遊んだ場所の上でスポンジを振れば、それでおしまい。手が届きにくい子は、影消しをやさしく表面にこすりつければ影が魔法みたいに消えていくこと請け合い! ただしよく気をつけて — うっかり本物の影を消しちゃったらまずいからね!

警告: 影動物たちはあなたの想像と同程度にフレンドリー(或いは危険!)であることを心に留めておいてください。影絵遊びセット™を使って本物™の人間を描こうとはしないでください。ワンダーテインメント博士は影絵遊びセット™の誤用による負傷・不快感・存在の危機に対する責任を負いかねます。

補遺1553-02: 微光写真の撮影によって、3ルクスの臨界輝度以下におけるSCP-1553-1およびSCP-1553-2実例は物体表面に束縛されたシルエットとしては検出されないものの、より明るい条件下での姿と一致するサイズ・形状の準物理実体としてモデル化できる事が確認されました。この効果は周囲の照明条件が実例を3ルクス以上の輝度に曝すまで持続します。相互作用の場は超音波撮像でマッピング可能ですが、他全ての利用可能な走査機器は撮像のために不可視光波長に依存しており影響を無効化してしまうため、現時点ではその領域に実際の物理的オブジェクトが存在するか否かを断定することは不可能です。

補遺1553-03: 実験ログ抜粋

この文書には、SCP-1553-AおよびSCP-1553-B効果の複雑さをより詳細に理解するのに必要とされる、幾つかの重要な実験が収録されています。完全版のログは要請に応じて閲覧可能です。

実験1553-5
効果: SCP-1553-1
概要: D-4310は、型紙を用いてSCP-1553-Aで釘抜きカナヅチを描くように指示された。出現した実例は、軽く、プラスチック的で“偽物っぽい”感触だと報告された。SCP-1553-1は提供された釘を打ち込むことができず、2回目の打撃で破損し、無力化した。D-4310は有用なカナヅチを思い浮かべながら上記手順を繰り返すよう指示された。出現した実例は、非常に重く、握りの部分には固いゴムの感覚があると報告された。このSCP-1553-1は3打で釘を打ち込むことができた。

実験1553-12
効果: SCP-1553-1
概要: エージェント██████ F██████は、提供された型紙を用いてベレッタ92軍用拳銃を描くよう指示され、次いで終了が予定されていたDクラス職員5名と引き合わされた。エージェントF██████には銃器の知識があり、作動可能な武器を作成する意図があったにも拘らず、SCP-1553-1は効果的に機能しなかった。Dクラス職員たちはペイントボールまたはBB弾が当たった時と類似する刺し込むような感覚を報告し、目に見える傷を負わなかった。長期観察で負の影響は検出されなかった。

注記: 機械的な問題は知識で解決できるが、兵器関連の問題は例外なく発生するようだ。もうSCP-1553-1について学べる事は全て学んだように思う。先へ進もう。
- F█████博士

実験1553-21
効果: SCP-1553-2
概要: D-4330は提供された型紙を用いてネコ(Felis catus)を描くように指示された。SCP-1553-2は乾いた時点で出現し、即座に部屋の隅へと逃げ込んだ。D-4312はSCP-1553-2を隅から連れ出すことに成功し、毛皮と暖かさの触感を報告した。対象はまた、SCP-1553-2を撫でている時に喉を鳴らす音が聞こえると報告したが、実際の音声は記録されなかった。実例は友好的な交流を続けたが、やがてD-4312が掴み上げようとすると引っ掻き・噛み付きで抵抗し、D-4312は実例を取り落とした。実例は終了された。

注記: D-4330は引っ掛かれ噛み付かれた手に感覚が無いと訴えたため、サイトの医務室を使うことが許可された。対象は軽度の皮膚感染症の治療を受けて解放された。この実験をスケールアップし、より賢く大柄な実例を作れるかどうか確認することを推奨する。
- F█████博士

実験1553-37
効果: SCP-1553-B
概要: D-5001は自分の影の一部を消し、影響を報告するように指示された。対象は当初不安を抱いていたが、やがて若干の面白みを感じ始め、下腹部の影を徐々に大きく消去し始めた。対象はややくすぐったい感覚と、それに続く意識朦朧状態を報告した。実験に参加していた研究者たちは、D-5001の腹部が半透明になり、血管や毛細血管に似た暗赤色の辛うじて視認できるネットワークが現れたと報告。曝露から4分後、D-5001の腹部は物理的整合性を喪失し、ホワイト・ラボ02は大幅なバイオハザード浄化を必要とした。D-5001は終了された。通常ならば影が落ちているであろう位置の壁にSCP-1553-Aを塗布するまで、影響領域は空中に留まったままだった — SCP-1553-Aは即座に乾き、切断された部位は再び重力の影響を受けた。遺体はそれ以上の異常特性を示さず、焼却処分された。

実験1553-38
効果: SCP-1553-B
概要: D-5002は自分の影を完全に消すように指示された。対象は最初のうち躊躇っていたが、やがて要請を聞き入れ、1.25分で影を完全に消去した。D-5002は当初、“肌寒い”感覚以外には負の影響を報告しなかった。影の消去から29秒後、対象の姿は薄れ、半透明になり始めた。5.50分後、対象の声は聞こえなくなった。D-5002は引き続き自由に動き回ることが可能であり、視力を保ち、通常通りに呼吸しているように思われる一方で、物音を聞き取ることができない旨を報告する合図を送った。対象は実験室内の固体物質をすり抜ける能力を示し、収容違反を試みた。従来的な手段による拘束は失敗。ホワイト・ラボ02の照明は████ G█████次席研究員によって消灯され、[データ削除済]。D-5002は終了され、バイオハザード浄化班が動員された。

注記: 既存のオブジェクトの影を消す行為には、存在しないオブジェクトの影を描き出す行為の正反対の効果があるようです。諜報/対敵情報活動に適しているかを断定するための更なる研究を推奨します。
- G█████博士

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