SCP-1561-JP
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アイテム番号: SCP-1561-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1561-JPは、サイト-81██の中型低危険物収容室に収容されています。月に1回、動作チェックのため担当職員はSCP-1561-JP-Aの排出を行ってください。また、SCP-1561-JP-Aによる実験はレベル2以上の職員の許可が必要になります。

説明: SCP-1561-JPは高さ1.9mの券売機です。前面に5つのボタンが付いており、横面にはチェーンでつながれた改札ばさみが取り付けられています。SCP-1561-JPは夜間のみ「銀河鉄道印のミニSL乗車券」と印字されている切符(以下、SCP-1561-JP-Aと呼称)を排出します。SCP-1561-JP-Aに最初に接触した人物(以下、対象と呼称)がSCP-1561-JP-Aを改札ばさみで挟むと、5~10秒後に対象の半径2m以内に全長2960mmのミニSL(以下、SCP-1561-JP-Bと呼称)および車掌帽を装着した、雑種と思われるイヌ(学名Canis lupus familiaris。以下、SCP-1561-JP-Cと呼称)が出現します。

SCP-1561-JP-Bの動力源、材質等は不明です。SCP-1561-JP-Bに対象が乗り込むと、一時的に外部から不可視の状態になり、一定の時間の後SCP-1561-JP-Bが消失した位置に再出現します。実験により、消失直後にSCP-1561-JP-Bの前方に線路が出現し、走行を開始していることが分かりました。

SCP-1561-JP-CはSCP-1561-JP-Bの運転席にまたがった状態で出現します。SCP-1561-JP-Cは人語を理解し、会話することが可能です。SCP-1561-JP-Cは対象に「行きたい場所はどこか」と言った内容の質問を行います。これに対して対象が「"特定の場所の名称"に行きたい」といった内容の返答をすると、SCP-1561-JP-Cは口笛を鳴らすと同時に対象の周囲の風景を対象が希望した風景に変化させます。この変化は対象以外に知覚することはできませんが、例外としてSCP-1561-JP-Bに持ち込んだ映像機器での記録は可能です。

SCP-1561-JP-Bから下車すると、対象の手の内に対象の希望した場所に関連した物品(以下、SCP-1561-JP-Dと呼称)が出現します。


事案1561-JP 実験後、担当職員の乗車中の記憶が完全に喪失するという事案が発生しました。なお、乗車時の詳しい状況は下記の音声記録を参照してください。

日付: 20██/██/██

担当職員: 国都博士

<再生開始>

SCP-1561-JP-C: おや、本日もご乗車ですか。いつもありがとうございます。

国都博士: どうも。今日はもう行きたい場所が決まっています。

SCP-1561-JP-C: それは上々。では、どこへ行きましょうか。

国都博士: あなたの過去です。

SCP-1561-JP-C: 私の、過去。

国都博士: ええ、この前聞けなかった問いの答えを聞きに来ました。

SCP-1561-JP-C: [14秒沈黙]

国都博士: まだ、答えを聞くことは出来ませんか。では――

SCP-1561-JP-C: いえ、失礼しました。まもなく発車します。この先、少々揺れます。落ちないように座席にしっかりお掴まりください。

国都博士: え?揺れるって、わ!

[10秒間の口笛の音の後、未知の原因によりカメラ映像が停止した。]

国都博士: いったた……背もたれ……腰っ……ん?これは……。

SCP-1561-JP-C: 到着しました。ここが、これが私の過去、思い出です。

国都博士: ……この3匹の真ん中があなたなのですか?

SCP-1561-JP-C: そうです。私は野良犬として、仲間とともにそれなりに楽しく暮らしていました。

SCP-1561-JP-C: しかし、ある日私は人間たちにより捕らえられました。大きな施設に連れていかれ、そこで暮らすようになりました。

国都博士: 施設……ブリーダーハウスですか?いや、それにしては大きすぎ……?

SCP-1561-JP-C: 私はそこで、体も動かせないほど小さな家で暮らすようになりました。とても辛く、いつまでこの生活が続くのか、絶望の毎日でした。

国都博士: ……これはもはや小屋ではないですね。カプセル?のような……。

SCP-1561-JP-C: 私はある日、施設の職員であるヤズ1に連れていかれました。

国都博士: ……遊んでいますね。子供と。

SCP-1561-JP-C: ええ、とても楽しかった。この時間が永遠になればいいと、そう思いました。

SCP-1561-JP-C: しかし、それもつかの間。1日後私は元の場所に連れ戻され、ヤズと他の人に見守られながら寒さに耐えなくてはならなくなりました。

SCP-1561-JP-C: ヤズは管から暖かい空気を入れてくれましたが、あまりにか細く。それから3日ほどたったでしょうか。私はついに、宙へ、捨てられました。

国都博士: これは……この映像は……。

SCP-1561-JP-C: あたりが真っ暗になると、私はしばらくの間その黒の中を泳ぎ続けました。しかし、異常はすぐに発生しました。家の中が暑くなってきたのです。

SCP-1561-JP-C: もういいでしょう。楽になろう。と目を閉じると、突如暑さが薄れてきました。そして、気が付くと銀河鉄道の中で眠っていました。

SCP-1561-JP-C: 後から聞いたのですが、あの瞬間私は失神していたらしくいわゆる魂が出かけている状態、つまり「臨死」していたらしいのです。その魂を回収し、体に戻そうとしたときには既に私の体は燃え尽きていたそうです。

国都博士: ということは、あなたは。

SCP-1561-JP-C: ええ、もう死んでいます。

国都博士: そんな。やはりあなたは……あのライカ、なのですか?

SCP-1561-JP-C: さて、お客様。この列車は今夜限りの運行です。まもなく、終着点につきます。

国都博士: 待ってください。今夜限り?それはいったい――

SCP-1561-JP-C: また、新たなご乗車を、心よりお待ちしています。

<再生終了>

終了報告書: 下車後、国都博士の手の内に「Кудрявка」と彫られた金属のチャームが付いた首輪が出現しました。

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