[記録開始]
P5-9: 通信開始。チーム、応答せよ。
P5-1: 通信よし。
P5-2: 通信よし。
P5-9: 通信よし。皆、このアイテムはSafeだが、我々はここから未知の領域に踏み込むかもしれない。冷静に。
サイト司令部: ファイ-5 9、持ち場に着け。
P5-9: 無線感度良好。行くぞ。
チームはP5-9を先頭に洞窟に入る。P5-2の映像には洞窟の入り口付近に大量の黄褐色の物質が映っている。
P5-2: 上を見てください。こいつらが邪魔者を追い出しているんですね。そうに違いない。
P5-9: その通りだ。洞窟の天井を見張っていてもあまり気を散らすなよ。Skipは利口な野郎かもしれないからな。
チームは洞窟の奥に向かって進み続ける。洞窟はそれまではほとんど水平方向を保っていたが-急勾配の垂直な穴の部分に達した。
P5-1: 深い穴ですね。ここを進むんですか?
P5-9: そうしなければならないだろうな。手ぶらで帰るのはまずいからな。私たちは1563の証拠は見たが、まだ実際の検体はない。少なくとも何かがここにあるかどうかを知った上で去る必要がある。そうすれば、より大きなチームを回収のために呼び寄せることができるからな。ツー、俺とワンの降下を安全に行うためここで待機してくれ。後退するにも助けが必要なんだ。大丈夫だ-我々はここまで洞窟で何も見つけていないから、もし何かがここにあるなら下だろう。わかったか?
P5-1: 了解。
P5-2: 了解。
P5-9: よし、ワン。行くぞ。
P5-9とP5-1は洞窟の底部に懸垂下降装置を固定し始める。安全性が確認され、行動を開始する。
P5-1: これをやるのは久しぶりですよ。
P5-9: 大丈夫だ。訓練を思い出すだけでいい。
降下開始から約5分後、P5-1とP5-9の映像フィードはサイト司令部の通信から切断されたが、音声はP5-2のローカルフィードに接続されたままだった。ここに映されている映像フィードは後で復元された。
P5-1: 畜生、どんだけ深いんだ?これじゃあ洞窟だ。こんなに深いはずないですよ。
P5-9: 落ち着け、もうすぐ着く。
さらに2分が経過し、P5-9とP5-1両方の映像フィードに穴の底部が表示される。
P5-9: 落ち着け、ワン- もうすぐ底に着くぞ。ツー、後で登るときのためにロープが安全か確認してくれ。我々のフィードが落ち始めたら知らせてくれ。
P5-2: 了解しました。気を付けて降りてください。
そのほぼ直後、P5-2の映像フィードは切断されサイト司令部は結果として-1と-9と交信できなくなった。
P5-1: おっと。聞こえましたか?
P5-9: あぁ。ツー、応答せよ。
P5-1の背後から大きなドンという音が聞こえ、振り向いた際にP5-2が地面に横たわっていることに気付いたが、彼は死亡していたと見られる。-2の首の周囲に黒いSCP-1563検体が2体見えるが、P5-1とP5-9には気づかれていないようである。これに続いて、-1のフィードからは-2の体の横に長いロープ1巻きが落ちているところが映った。
P5-1: あぁクソ!何だ?何が起こった?
P5-9: クソッ。上昇用のロープが1本残っている。だからあいつらはお前に持たせるなって言ったんだ、ワン。サイト司令部はいずれ誰かをここに送り返す予定だが、今のところはここにいるしかない。ここはまだ終わってない。しっかり付いてこい。
さらに進み続けると、黄褐色の物体の量が増加しているが壁に沿って見られるが、SCP-1563の徴候はまだ見られない。
P5-9: 近づいているぞ。近くにいろ、ワン。何か見えたら教えろ。
彼らは洞窟の中の穴に行き当たり、その中には今まで発見されていなかった色も含め、様々な色のSCP-1563が大量に存在していた。
P5-1:クソッ。まるで集団で悶え苦しんでいるみたいだ。-なんてこった。こんなの見たことがありません。
P5-9: ワン、こいつらを調べるのを手伝ってほしい。裏側に文字がある。すべての色の検体の両側をただ近くで撮ってくれ。研究室の連中がこの映像を見たら適切な回収チームを派遣してこいつらを持ち出してくれるだろう。
両人が撮影した検体の色は緑、赤、黒、青、ピンク、黄、紫である。特筆すべき点として、映像フィードには黒色の検体が他色の検体よりも多く寄り集まっていた。この調査中、P5-1がノートらしきものを取り出した。彼はその最初のページを開いて斜め読みした後、冊子を戻してすぐにタスクを続行する。P5-1はこのことをP5-9に報告しない。
P5-9: よし、これでいいだろう。見た感じ、すべての色をカバーしたな。行こう。
縦穴に戻ると、洞窟の周辺に複数のオレンジ色の検体が見られる。それらはP5-1とP5-9に向かって動き始める。
P5-9: クソッ。逃げろ。
彼らはSCP‐1563検体を容易に乗り越え、その後速やかに上昇用ロープまで到達した。P5-1が振り向くとまだ追跡してくるオレンジ色の検体が見える。
P5-9: こいつは我々のうち1人しか支えられない。すまんな、若者よ。
P5-1: いや-
P5-9: これはお前のチームリーダーからの命令だ。お前は俺の上昇を安全なものにするためにここにいろ、その後俺はお前にOKを出すから、そうしたら俺に付いて来い。
P5-1は応答しない。P5-9はロープを取り付け、P5-1に見守られながら上昇を開始する。この間P5-9は、オレンジ色のSCP-1563検体が迫ってくる様子をチラチラと頻繁に見ている。数秒が経過したところでP5-1はP5-2の死体を見て、P5-2の首から外れたSCP-1563の黒い検体を確認する。P5-1は彼の死体から離れるが、黒い検体がロープを素早く昇り始めたのを見て止まる。この時点で、SCP-1563のオレンジ色の検体はP5-1に向かって移動するのを止め、彼らが来た洞窟のより深い部分に戻り始める。
P5-1: あぁ-
P5-9: 何か言いたいことがあるのか、ワン?
P5-1: いいえ。
1分が経過し、P5-1はP5-9がロープを下りていくのを見る。彼の首の周りには黒色のSCP-1563検体がある。
P5-9: 冗談だろ。お前がこいつをよこしたんだな。
P5-9がロープに向かって動き出す。
P5-1: 何-
P5-9: 命令だ。お前のチームリーダーからのな。行け。
この時点で、P5-9の口調は振り絞ったようなものであった。P5-1はそれに応じて上昇し始める。P5-1の映像フィードには時折P5-9を見返し、彼がP5-2の隣に座っているところのみが映っている。P5-1の映像フィードから得られた降下底の最後の明確な映像は、P5-9に接近する複数の赤い検体であった。P5-1は15分後に上昇を終え、その後すぐにサイト司令部との交信を再開した。この記録のビデオ映像はP5-1がサイトに戻ったときにフィードストレージから復元された。