SCP-1565
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ヘラス平原のSCP-1565

アイテム番号: SCP-1565

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 遠隔地に存在し、自己収容性質を有することから、SCP-1565の直接収容は実行不可能かつ不要と見做されています。

宇宙機関に潜入している財団職員は、全ての火星探査計画をSCP-1565から最低10km遠ざけます。SCP-1565の存在が露見する可能性がある全ての衛星写真は、それに応じて編集処理されます。

説明: SCP-1565は火星最大の衝突クレーター、ヘラス平原にある不規則形状の領域に生息する37匹のカミツキガメ(Chelydra serpentina)の指定名称です。SCP-1565個体は非異常なカミツキガメと外見的に区別できませんが、行動に幾つかの相違点があります。

  • SCP-1565個体は栄養摂取を必要とせず、排泄しません。
  • SCP-1565個体は老化の兆候を示しません。
  • SCP-1565個体は火星の地面に潜り、地中を“泳ぐ”ことが可能です。
  • 119日ごとに、SCP-1565個体群は整列して内向きに三角形を形作り、その後解散します。
  • SCP-1565個体は殆ど損傷を受けません。これはSCP-1565-Aに由来するものを例外とします(補遺を参照)。

SCP-1565-AはSCP-1565個体群の生息領域を取り巻く半透明の緑色の障壁です。SCP-1565-Aは気体を通さず、二酸化硫黄65%、二酸化炭素29%、アルゴン6%の内部大気を維持しています。SCP-1565-Aの形状は変動し、10年ごとに約0.012%の割合で縮小しています。

SCP-1565個体は火星の地下600mまで潜地する様子が記録されています。これらの個体に取り付けられたセンサーは、巨大な腐食した金属構造が地下に存在するのを検出しました。

金属構造を詳しく調査するための初期試行の際、SCP-1565個体群は地面に潜り、甲羅で探査機の進路を塞ぐ妨害行為を行いました。SCP-1565個体群の拘束後、探査機はこの金属構造を、亀のような形の複雑なレリーフが彫り込まれている巨大な尖塔の残骸であると断定しました。尖塔の基部の下から放射される大量の放射線によって電子機器への干渉が引き起こされ、更なる探査は妨げられました。

補遺1565-01: あるSCP-1565個体に(それをSCP-1565-Aから取り除く試みの一環として)100kN以上の力を加えた結果、対象個体の甲羅は砕け、身体部位は離断しました。

分析により、このSCP-1565個体の甲羅の下には重要な臓器を収容するケースがあったと判明しました。SCP-1565-Bに指定されるこのケースは、非異常な亀の脊椎及び肋骨にあたる部位と置換されています。SCP-1565-Bは鉛・カドミウム・ベリリウムを層状に複合した物質で構成され、電離放射線を遮断するように設計されています。ケース内部には幾つかの電子部品(一部はSCP-1565の生命維持に関与)、受信アンテナ、データ保存媒体として機能する緑色の結晶素材でできた大十二面体があります。

定期試験中、結晶の特定の面にX線を照射したところ、火星の地表面を詳細に描写するホログラム映像が生成されました(しかし不正確であり、映像には火星の衝突クレーターの大半が欠落していました)。火星の表面全体に47ヶ所の明るい点が表示されており、そのうち1ヶ所がSCP-1565-Aの所在地に対応しています。他の場所への探査は承認待ちです。

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