SCP-1588
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天然環境中のSCP-1588(強調表示)

アイテム番号: SCP-1588

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: そのサイズ、構成及び位置のため、SCP-1588は再配置不可能であるとともに、根本的に収容不能です。SCP-1588から明瞭に視認可能な海域の海上交通を制限するために、財団は海事安全局と連絡を取り合ってください。民間に流布する全てのSCP-1588の画像は、錯覚の一例として退けられるべきです。

SCP-1588の上下の地域は、監視カメラ及び私服財団職員によりモニターしてください。財団及び地方自治体は、安全上の懸念により、一般人が徒歩でSCP-1588に接近することを妨害するべきです。SCP-1588とコミュニケーションを行う全ての一般人は、事情聴取を行い、クラスA記憶処理を実施します。SCP-1588の歴史及びその特異性に言及した文献は、必要に応じて情報流通から隠蔽及び抹消すべきです。

浸食あるいは地質学的不安定性のいかなる徴候でも、厳密にモニターしてください。SCP-1588に影響を及ぼす浸食関連の崩壊が発生した場合には、十分な調査を行うとともに、可能な限り早くコミュニケーションを復旧し、適切な再分類を行ってください。

説明: SCP-1588は、イギリスの南西沿岸に位置するドーバーの断崖の一部です。およそ幅80m、高さ100mあります。主に黒いフリント1の筋でハイライトを際立たせた白亜からなる、特に代わり映えはない白い断崖の一部分として存在しています。SCP-1588内のフリントの露出を人類が見ると、どことなく目・鼻・口を備えた人間の顔に似ている印象を受けます。

SCP-1588は完全な思考能力を有する人格を持ち、視覚及び聴覚があり、未発達な嗅覚を持っています。SCP-1588の視野は、イギリス海峡と、前方に位置するフランス北部沿岸からなる区域に限られています。SCP-1588は数10km先に位置する物体の細部を識別する能力を証明しています。ひとつの実例として、およそ34km離れたフランス・グリネ岬の海岸に立つ職員によって掲げられた旗の色及び模様を正確に見分けることに成功しています。実施されたインタビューは、主にイギリス海峡を通過及び横断していくのを目にした様々な船舶やボートの詳細な説明からなっています。SCP-1588は上述の船舶の観察及びカタログ作成を"趣味"と呼んでいます。

SCP-1588は、自身が埋め込まれた崖の中で低周波の地震性振動を作り出すことによりコミュニケーションを行うことが可能です。振動は、崖の端から5m以内の地面に耳をつけた人間により発話として捉えられます。この範囲の中で人間の発話を聞き取り、長時間の会話を行う能力を持ちます。SCP-1588は現代及び古体の英語・フランス語・ケント語・ウェールズ語・ゲール語・マン島語・アングロサクソン語・ケルト語・ラテン語及び[編集済]に堪能であると断定されています。

19██年、第二次世界大戦からの機密書類の再調査において、戦争を開始する以前からイギリス政府及び連合国がその存在に気づいていて、フランス沿岸におけるドイツ海軍の作戦行動及び陸軍の展開に関する諜報活動において期待していたことを示したとき、財団はSCP-1588を認識しました。引き続き行われた現地の民間伝承の再検討は、"崖親爺"・"妖精の顔"・"グリーンシールド王"として言及している様々な出典により、早くも11世紀にはイギリスの指導者たちが軍事目的のためにSCP-1588を利用していたことを明らかにしました。SCP-1588は、自分に名前は存在せず、自分の年齢や起源を思い出すこともできないと主張しています。目撃した船舶の説明に基づくと、少なくとも8世紀の記憶を有していると考えられます。SCP-1588の地質学的検査は、現在の形状に類似した状態で最低█████年の間、日の光を受けていることを示しています。

主に浸食に起因する地質学的不安定性のため、SCP-1588は自然的要因による損傷あるいは破壊の危険に晒されています。SCP-1588は、白亜の断崖の近接する部分の大崩落の後、苦痛を感じると主張しています。SCP-1588がもっぱら断崖の表面だけからなるのか、あるいは地球の内部まで広がっているのか、現在では明らかになっていません。対象が影響を及ぼされるほどの大崩落が起こった場合には、SCP-1588は近い将来Neutralizedへ再分類される可能性があります。

インタビュー記録1588-1:

インタビュー対象: SCP-1588

インタビュワー: ██████博士

序言: 2012/3/15に、SCP-1588の西に位置する白い断崖の巨大な断片がイギリス海峡へ崩落した。██████博士は、崩落による影響を受けたかどうか判断するためにSCP-1588と接触した。

<記録開始、09:38 AM>

██████博士: おはよう、SCP-1588。最近、君の近くで崩落があったね。痛みや悩みはないかね?

SCP-1588: 平気じゃよ。ただ悲しいだけじゃ。

██████博士: なにが悲しいんだね?

SCP-1588: 静かすぎるんじゃよ。昨日はたった378隻しか船が通らなかった。

██████博士: たった378隻?

SCP-1588: 以前はずっと多かったんじゃ。25123日前には、一日に6939隻、南に向かっていったものさ。

██████博士: 見る船全てを数えているのかね?

SCP-1588: もちろん。船はいい……そうは思わんか? 特に航空母艦がお気に入りじゃな。木造のフリゲートもよいが、何度か通った記念艦くらいしか見かけなくなってしまったよ。もっと大きな船がやってきたときに作るのをやめてしまったような、とても古い船を愛好しとるよ。ホワイトシップ2はとても面白い船じゃった……沈没してしまったときは、見てはいられなんだ。小さい者たちが、両腕を振り回し、絶叫を上げ、溺れていった……実に忌まわしいことじゃったよ。

██████博士: 面白い。それで、君はいま苦痛を感じていない。そうだね?

SCP-1588: ああ。ほかの崖が崩れるのは感じたとも、たった一秒間ほどじゃがな。もうじきわしもそうなると思うと、ぞっとするな。

██████博士: 死ぬのは恐ろしいかね?

SCP-1588: あの船に乗っていた小さい者たちと同じように死ねるのかどうか、わしには判らん。いつも崖が崩れ続けているのと、兄弟が崩れ落ちてから、わしになにも話してくれなくなっていることなら知っとるがな。

██████博士: 兄弟がいた? どこにいたのかね?

SCP-1588: 訊かんでくれ。

<記録終了>

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