SCP-1595-JP
評価: +221+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1595-JP

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-1595-JPは現在存在していませんが、再出現の可能性をふまえ、インターネット上において財団web走査botが同定、調査を定期的に行っています。文章および画像のアーカイブについては映像資料保管庫デジタルアーカイブを参照してください。

説明: SCP-1595-JPはインターネット上に存在するwebサイトです。2014年付近に創設されたと推測されますが、IPアドレスの取得者は不明であり、追跡は失敗しています。削除措置を行ったところ、約一週間後には同様の異常性を持つサイトが確認されたため、収容の安定を図る観点から常時監視体制が制定されています。

SCP-1595-JPには鳥居のイラストが存在しています。このイラストは発見段階で全体下部の約1/10のみ描かれており、笠木、島木にあたる部分は描かれていません。また、イラストの下部には雲を模したと推測されるイラストが描かれています。

イラストの横部分には"寄進"、"大願成就"の文字及び、不明なカウンターが設置されています。このカウンターは上限が1,000,000に設定され、発見段階で約1/10がカウントされていました。ここから、カウンターは鳥居の完成度を示すと推測されます。

イラストの下部には五十音表及び、"はい"、"いいえ"の選択肢が存在し、最下部には一般的に"こっくりさん"と称される民間呪術と類似した儀式の手順が記されています。以下はその内容です。

文章記録1595-JP-01 - 日付 2017/08/09

こっくりさんのやり方

1.お金をよういする(何円でもいい。たくさんなほど楽しいゆめが見れる)

2.このページを印さつし、とりいのところにお金をおく

3.こっくりさんをやる全員で「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」ととなえる

4.あらわれたら音がなる。音がなったら、いるかどうかを聞いて、どんなゆめを見たいかを言う
*注意*(むずかしい話になるとこっくりさんがかってに決めるのでかんたんに!)

5.こっくりさんが答えてくれたら終わり
*注意*(あぶないのですわってやろう!)

推奨年齢:中学生以下

この方法は一般的に流布している方法と一致しますが、降霊でなく夢を見せることに重点が置かれています。また、SCP-1595-JPを印刷したもの以外で同様の儀式を行った場合異常性は発生しないことが確認されています。

以下はSCP-1595-JP及び記載された方法を用いた実験記録です。

実験記録1595-JP(抜粋)

実験者: D-2000、D-2001、D-2002
日付: 2017/10/10

目的: SCP-1595-JPを記載されている手順で実行した場合の変化を確認する。

経過: 10円を用意して実行。呼び出しを唱えた段階で僅かなヒューム値の揺れと共に狐の鳴き声が確認される。これに確認したところ、存在を肯定、事前に指定していた"楽しい夢"を見せてくれるよう依頼したところ了承。これと同時に10円が消失する。

結果: 参加した全員が即座に昏倒。意識回復措置を行ったところ、約1分で復帰。確認したところ全員が「楽しい夢を見ていたが覚えていない」と証言。推奨年齢を上回っていたが、問題なく実行可能であった。

実験者: D-2000、D-2001、D-2002
日付: 2017/10/11

目的: 金額の差異による変化を確認する。

経過: 100円、1,000円、10,000円を用意して実行。呼び出しを唱えた段階で実験に使用した金額が高額になるほど音楽が追加され、10,000円の段階では狐の鳴き声によるフルコーラスが確認される。事前に指定していた"楽しい夢"を見せてくれるよう依頼したところ了承。これと同時に全ての金額において貨幣が消失する。

結果: 参加した全員が即座に昏倒。意識回復措置を行ったところ、金額の増加に比例して回復までの時間が増加した。また、金額の増加とともに夢の記憶は鮮明になり、「近世ヨーロッパと類似した世界における狐を始めとした動物との宴会」の夢であったことが確認された。

実験者: D-2000、D-2001、D-2002
日付: 2017/10/12

目的: 指定した夢の内容による変化を確認する。

経過: 10,000円を用意して実行。事前に指定していた"こわい夢"を見せてくれるよう依頼したところ、しばらく停止した後、危険である旨と一切の責任は取らないとの確認があり、これに了承。紙幣が消失する。

結果: 参加した全員が即座に昏倒。その後、D-2000が消失し、D-2001が心不全に起因する心原性ショックにより死亡する。D-2002は復帰するも著しい精神衰弱が見られ、PTSDの症状が確認される。のちの聞き取り調査により、「何か分からないこわいものに森の中を追いかけられ、四肢を食いつぶされる」夢を見たと証言。これ以降、恐怖を与える夢を選択することは推奨されていない。

実験者: D-2003、D-2004、D-2005
日付: 2017/11/15

目的: 夢の具体性を確認する。

経過: 10,000円を用意して実行。事前に指定していた"具体的な特定市町村内を散策する夢"を依頼。しばらく沈黙した後了承。紙幣が消失する。

結果: 参加した全員が即座に昏倒、約1時間で回復する。夢の内容は指定した市町村と一致するが、細部に大きな差異が確認される。一方で稲荷社周囲は完全な再現が行われていた。

実験者: D-2003、D-2004、D-2005
日付: 2017/11/15

目的: 夢の具体性を確認する。

経過: 10,000円を用意して実行。財団カバーストーリー部門によって作成されたSF作品の脚本を提示したところ静止。約3分後、紙幣が"いいえ"へ移動したのち、五十音表を用いて"ぷらんにふくまれていません"の文字列を作成。その後は反応が見られず。

結果: 紙幣及び意識の喪失は発生せず。

補遺1: 2017/11/15、実験終了後、SCP-1595-JP内部のカウンターが上昇し、イラストの欠落部分が同程度回復していることが確認されました。この上昇値は実験で消失した金額とほぼ一致することから、SCP-1595-JP内に記載されたこっくりさんの実行が何らかの変化を与えると推測され、実験は凍結されました。

これを受け、財団web走査botを用い、SCP-1595-JPへのアクセスを調査、アクセスを妨害する体制が確立され、収容プロトコルが更新されました。

補遺2: 2019/10/22、SCP-1595-JPの消失が確認されました。翌日、SCP-1595-JP実験に参加したDクラス職員に向け、送り主不明の小包が郵送されました。以下はその小包に同封されていた文章です。

文章記録1595-JP-02 - 日付 2019/10/23

稲荷クラウドサーバー設置企画にご協力頂いた皆さまへ

沢山のご支援ありがとうございました。

皆様のお力添えがありながら、目標額の約10%で最終日を迎えてしまい、ご協力頂いた皆さまには申し訳なく思っております。今回はプレゼンテーションの不足、及びターゲッティングの甘さにより残念な結果になってしまいましたが、改めて広報、企画と調整し、次の機会にぜひリベンジしたいと考えております。その際はまた、よろしくお願いいたします。

また、今回は投資型とさせていただいておりましたが、僅かばかりの返礼を行わせていただきます。

今回の企画を通じて、支援して頂いた方々の信仰を感じ、スタッフ一同も大きな励みになりました。これ以降も皆様の信仰を糧に、長らくお付き合いさせていただきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

小包には消失した金額の約1/3にあたると推測される稲荷寿司が同封されていました。これは一般流通しているものであり、異常性は確認されません。

これをもってSCP-1595-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedに再分類され、特別収容プロトコルも改訂されました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。