SCP-1596-JP
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アイテム番号: SCP-1596-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1596-JPはカバーストーリー「老朽化による立ち入り禁止」により一般市民の侵入を防いで下さい。張り紙の出現が確認された場合は可及的速やかに撤去を行う必要があり、過去に侵入・作業経験を有する財団職員が優先してSCP-1596-JP内部に侵入、作業及び内部調査を行って下さい。

説明: SCP-1596-JPは大阪府██地区に存在している廃工場の裏口に存在するアルミ製の扉です。不定期に扉及び周辺約2kmの範囲でガードレール及び電柱、民家の塀等の人工物を中心にA4用紙サイズの張り紙が出現します。文面は油性マーカーを用いた手書きの文章であり「日雇い作業員を募集する」旨と作業内容・作業予想時間・報酬・募集人数等が記載されています。筆跡鑑定からほぼ同一人物の手によって記載された可能性が極めて高く、報酬は具体的な金額ではなく「満腹」「おやつ」「遊ぶ金」等極めて抽象的な内容が記載されていますが、作業場所はSCP-1596-JP内で固定されています。張り紙自体は通常の用紙と同等の耐久性を保持しており剥がす・破損する等の行為は問題なく可能です。
張り紙が張られてから一定時間内にSCP-1596-JP内部に侵入した場合、開いた対象人物は異空間(以下、SCP-1596-JP-Aと記載)に転移します。空気中の気体の割合はほぼ地球上と変わりませんが、微量物質内にメントールが多く含まれている事から呼吸の際に若干の清涼感が発生します。光源となる恒星の公転による温度変化は地球に比べ少なく、観測した限り気温は10~15℃内、湿度は50%以内を保っており、約10時間ごとに日の出と日没を迎えます。平均地面はブドウ糖を主成分とした摂食可能な成分で構成され、内部に存在している建造物は全てが菓子類によって構成されています。

張り紙に記載された募集人数と同数の人間がSCP-1596-JP-A内に転移した場合、人型実体(以下、SCP-1596-JP-Bと記載)がSCP-1596-JP-A内部に転移した人間の近辺に出現、直後にSCP-1596-JPからSCP-1596-JP-A内への侵入は不可能となります。
SCP-1596-JP-Bは「寺」と筆記体の黒文字で記載された黄色いヘルメット、サングラスと薄汚れた作業着を着用したアジア系の中年男性の外見を備えており、独特のイントネーションを有する日本語及び英語、極めて流暢な広東語による意思疎通が可能です。
SCP-1596-JP-Bは出現後、以下の段階的な行動を行います。

整列・点呼: SCP-1596-JP-A内に転移した対象を横1列に並ばせ、人数の確認を番号の点呼により行います。
 
案内: 並ばせたまま転移した対象達を平均4分弱歩かせ「本日の作業場」へと案内します。「作業場」は土木建築に必要な作業道具の形状を模した菓子類が配置されている空き地、または建築途中の家を模した菓子等です。
 
作業指示・説明: 単独、または2~8人に分けたグループを人物内で振り分け、それぞれに本日行う作業内容を指示及び作業の説明を行います。これまでに確認された作業及び内容は以下の通りです。
作業名 作業内容
運搬 素手或いは焼き菓子及び飴で作られた猫車を用いて、巨大な麩菓子や棒状の飴、粉砂糖やチョコチップ等を指定された位置まで運ぶ。SCP-1596-JP内に最初に入った対象や他の作業が不得手であると見なされた対象が回される。
塀組み ガムベースを塗布した床面に立方体状の飴・チョコレート等を隙間なく並べた後上面にガムベースを塗る行為を指定された高さまで繰り返す。
塗装 焼き菓子製のコテを用いてアイシング・チョコレート・マシュマロ等の素材を壁面や上記の作業により制作した塀に塗り広げる。
壁練り立て 柱状の菓子に絡ませた飴を練りながら均一の厚さになるよう引き延ばす。
屋根作り 焼き菓子を格子状に並べた上にチョコレートを塗り広げる、マシュマロを分厚く平坦に盛る、粉砂糖を塗した上から熱した飴を塗る等のバリエーションが確認されている。

 
作業開始: 事前の説明通りの作業を開始します。作業中の飲酒及び喫煙等は容認していますが、空き瓶や吸い殻などは地面に埋めて処理する様に忠告します。約10分以上の休憩を人物が行った場合厳しい警告を行い、場合によっては作業「運搬」を行う様に指示します。平均作業時間は約250分です。
 
休憩・食料配布: 光源となる天体が頂点に達した時に休憩が指示され、SCP-1596-JP-A内部に存在する人物につき一人ずつ500mlの水が封入された瓶を模した飴及び焼き菓子製の容器に詰まった菓子の詰め合わせを提供します。休憩時間は平均約50分であり、この時に限りSCP-1596-JP-Bに対するインタビューが可能です。
 
作業再開: 作業再開を宣言後、各グループおよび個人に休憩前に行ったものとは別の作業に回る様指示する場合があります。平均作業時間は約140分です。
 
作業終了・報酬配当: 光源となる天体が地平線に完全に沈んだ時に本日の作業終了を宣言、「日当」として各人物に物品が支給されます。物品を受け取った直後にSCP-1596-JP-A内部に侵入した人物はSCP-1596-JP前に転移します。以下の様な物品がこれまでに確認されています。

  • 旧500円玉が内部に封入されたメダルチョコ8~14枚
  • 煙草の箱を模した飴細工と煙草を模したガム入りの飴6組
  • 350mlのビールが内部に封入された缶を模したチョコレート6本
  • 敷紙に5000円札紙幣を用いたカステラ
  • 金属製の鍋と同等の耐久性を有する焼き菓子製の鍋
  • 1円玉が封入された塩味の飴5個。作業に著しく不真面目な態度を取ったDクラス職員にのみ支給された。

SCP-1596-JPは「食うには困らない方法」としてSCP-1596-JP近隣の住民及び路上生活者から認知されており、200█年7月にSCP-1596-JP-A内部に潜入したエージェント・塩原によって異常性が発覚、周辺住民及び当時SCP-1596-JP-A内部に存在・帰還した対象から可能な限りのインタビュー後に記憶処理を施しました。インタビュー記録によれば198█年からSCP-1596-JPは存在しており、当時の路上生活者及び浮浪者によって継続的に使用され、発見されるまでに600人以上の人物がこれまでに使用したと推測されています。

追加情報: 200█年5月16日未明、エージェント・塩原の自室内に張り紙が出現したのが確認されました。当時エージェント・塩原はSCP-1596-JP-A内への侵入及び作業を合計14回行っており、SCP-1596-JP-Bに対して一定の信頼を得ていたと予想されています。張り紙の文面は時間のみが記載され、発見後約1時間で同質量の炭化した砂糖に変化しました。
以下はエージェント・塩原の衣服内に装着したカメラにより撮影されたSCP-1596-JP-A内部の映像記録です。

<開始>

<00h-01m-03s>: (エージェント・塩原がSCP-1596-JPを通りSCP-1596-JP-A内部に到達する。恒星は既に落ち切っており、著しく暗い)

<00h-02m-15s>: (SCP-1596-JP-Bが前方に出現、エージェント・塩原へ目出し帽と手袋、麻袋を手渡し、身振り手振りで目出し帽と手袋を装着する様に指示する)

<00h-05m-08s>: (エージェント・塩原が目出し帽と手袋を装着終了後、SCP-1596-JP-Bは手招きをしてエージェント・塩原を菓子によって造られた民家へと案内する)

<00h-08m-37s>: (ガスライターを用いてSCP-1596-JP-Bが飴細工製の窓の一部を破壊、施錠を破る。エージェント・塩原の意見は口元に手を添えられ封殺される)

<00h-10m-54s>: (建物内部に侵入後、SCP-1596-JP-Bは可能な限りの物品を麻袋に詰め込むようにと身振り手振りで指示する。この時ブラウン管テレビと思わしき物品を自分の麻袋に、ビデオデッキらしき物品をエージェント・塩原に手渡した)

<00h-12m-11s>: (SCP-1596-JP-Bの先導により寝室と思わしき部屋へと侵入する。常夜灯が点灯しており、ダブルベッド上には男女1人ずつの人型実体を確認。どちらの頭頂部からはアリ科(Formicidae)のものと思わしき触覚が2本突き出している。SCP-1596-JP-Bはベッドの脇に置かれた棚から指輪を取り麻袋の中に突っ込む)

<00h-16m-43s>: (ほぼ麻袋が満杯になるまで物品の収集を終え、窓からSCP-1596-JP-Bが脱出する。エージェント・塩原も後を追い、暫く小走りでの走行を続ける)

<00h-24m-01s>: (SCP-1596-JP-Bが地面に麻袋を置く。エージェント・塩原も同じく麻袋を置くのを確認した後、膨れた茶封筒をエージェント・塩原に差し出す。エージェント・塩原が封筒を受け取った直後にSCP-1596-JP-AからSCP-1596-JP前に転移した)

<終了>

補遺: この時エージェント・塩原が受け取った封筒内には、大麻が練り込まれたチョコレート製の箱の中に1万円紙幣が23枚封入されていた。

今映像記録に関して5月29日、エージェント・塩原がSCP-1596-JP-A内での休憩時SCP-1596-JP-Bに対してインタビューを行いましたがSCP-1596-JP-Bは著しく激昂した反応を見せ「知らない」「分からない」「その時会っていない」「仕事しろ」以外の明確な返答を行いませんでした。今後の調査に差し支える可能性を考慮し、SCP-1596-JP-Bに対して今情報に関連する内容を尋ねない事が決定されました。
200█年6月から2010年現在、類似する張り紙の出現及びSCP-1596-JPの活性化がSCP-1596-JP-A内に10回以上侵入・作業を行ったエージェント間で合計76回発生しています。発生頻度の上昇から該当するエージェントを中心に探索部隊て-14("角砂糖")が設立される予定です。

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