SCP-1601-JP
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アイテム番号: SCP-1601-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1601-JPは現在起動中です。SCP-1601-JP-1、SCP-1601-JP-2と共に標準人型収容房に収容し、常に1人以上の職員による監視が行われます。SCP-1601-JP-1及びSCP-1601-JP-2への食事の支給は不要です。

この収容プロトコルは2656/11/05になった時点で破棄され旧収容プロトコルへの差し戻しが行われる予定です。

説明: SCP-1601-JPは日本光電製の自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator、以下AEDと表記)です。外観は他の同機種の製品と比べても大きな違いはありません。また、後述の異常性発現段階に移行するまではAEDとして正常に使用することが可能です。 財団が行った実験により心臓が正常な状態にある人間に使用すると心臓の動作を止める働きがあることが判明しました。

SCP-1601-JPの異常性は通常の手順の通りに除細動を行った1後に発現します。SCP-1601-JPを使用して除細動を行うと異常性発現段階に移行し、それまでとは異なった音声で指示が行われます。解析の結果その音声は20代〜40代の男性であることが判明しましたが身元の特定には至っていません。

指示の内容自体は胸骨圧迫2を推奨するものであり通常のAEDと変わりません。この指示を聞いた人間は異常性の影響下となり、聞いた時点での立場に合わせて行動を取ります。行動のパターンは3種類存在し、以下それぞれをSCP-1601-JP-1、SCP-1601-JP-2、SCP-1601-JP-3とします。指示が終了するとSCP-1601-JPからSCP-1601-JP-1が最後に強く想起した事柄に関わりのある楽曲3が流れ始めます。そして異常性の影響下にある人間はそれぞれ別の行動を取り始めます。この楽曲が流れ終わった時点で異常性は終了します。

SCP-1601-JP-1は胸骨圧迫を受ける人間です。その生死は異常性の影響下に入る条件に含まれません。指示が流れた時点で胸部に除細動パッドが貼られているとSCP-1601-JP-1となります。SCP-1601-JP-1は楽曲が流れ始めると同時に頭部以外を動かすことが不可能になります。また、楽曲が流れ終わるまで如何なる身体的、精神的損傷を受けても死亡することはありません。しかし、楽曲が流れ終わった時点で心臓の破裂によって死亡します。

SCP-1601-JP-2は胸骨圧迫を行う人間です。SCP-1601-JPの電源ボタンを押した人間がSCP-1601-JP-2となります。SCP-1601-JP-2は指示が終わった直後にSCP-1601-JP-1に対して胸骨圧迫を行います。胸骨圧迫は楽曲の盛り上がりに合わせて強弱が変化します。SCP-1601-JP-2は楽曲が流れ終わるまでその行動を続け、終わった時点で異常性の影響下から解放されます。それまではSCP-1601-JP-1と同様にあらゆる身体的損傷を受けても死亡することはありません。解放された後も自身が行ったことを記憶していることが初期収容時に判明しています。

SCP-1601-JP-3はSCP-1601-JP-1とSCP-1601-JP-2の周囲にいる人間です。前述2種と違いSCP-1601-JP-3は複数人発生する可能性があり、またAクラス記憶処理によって異常性の影響下から解放することが可能です。SCP-1601-JP-3は指示が終わった後もその場に留まり、胸骨圧迫の様子を観察し続けます。SCP-1601-JPによる軽度の認識災害によりこの様子に何らかの疑問を持ったり、この行動を止めようとしたりすることはありません。また、楽曲を聴いている間はSCP-1601-JP-1やSCP-1601-JP-2のことを応援することがあります。その後楽曲が流れ終わるとSCP-1601-JP-2と同様に記憶を保持したまま異常性の影響下から解放されます。

SCP-1601-JPは北海道富良野市の███幼稚園で5歳の男子児童に対して使用されたことで異常性が発覚、警察への通報から財団に認知され、その後問題なく収容されました。███幼稚園への聞き取り調査では購入時に不審な点はなかったことが確認されています。財団は███幼稚園の児童██名、職員█名にAクラス記憶処理を行い、カバーストーリー「AEDの故障」を流布しました。現在SCP-1601-JPがどのようにして配備されたのか調査が行われています。

映像記録2017/07/30

当実験はSCP-1601-JPの異常性を確認するためのものです。SCP-1601-JPの異常性により音声の記録は行われていません。

被験者: D-16011 D-16012 D-16013

概要: D-16011をSCP-1601-JP-1、D-16012をSCP-1601-JP-2、D-16013をSCP-1601-JP-3にする。実験に参加するDクラス職員にはSCP-1601-JPの起動までの手順を事前に説明している。また、D-16011には起動直前に何を思い浮かべるかを指示し、右手首に心拍数を測定する装置を取り付けた。

想起内容: ヒーロー

流れた楽曲: アンパンマンのマーチ(アニメサイズ) / ドリーミング

<記録開始>

<00:52> D-16011、D-16012、D-16013が実験室に入室する。

<02:25> D-16011が手順通り床に横たわる。

<03:30> D-16013がD-16011の横に立つ。同時にD-16012がSCP-1601-JPの電源を点ける。

<06:50> D-16011にSCP-1601-JPが問題なく使用される。電気ショックが流れた際D-16011の心拍が止まった。

<10:14> D-16012がD-16011に対して胸骨圧迫を行っている。測定機器によりここで楽曲が流れ始めたことが確認されている。

<10:17〜10:26> 最初のサビ。突然胸骨圧迫の勢いが強くなる。ここでD-16011の心拍が正常な状態になると共にD-16011は意識を取り戻す。D-16011は身動きが取れないことに困惑しているように見える。

<10:27〜10:47> イントロとAメロ部分。胸骨圧迫は公的に推奨されている強さで行われている。D-16011が困惑の表情を浮かべながら何かを叫んでいる。それまで静観していたD-16013がD-16011やD-16012に対して何かを呼びかけている。

<10:48〜10:57> Bメロ部分。胸骨圧迫の力が弱くなる。D-16011はやや安堵の表情を浮かべている。しかし後半になるにつれ力が強くなり、D-16011は再び叫び始める。

<10:58〜11:17> サビ。D-16012がD-16011の胸部を曲のリズムに合わせて10cmほど凹ませている。D-16011は押される度に吐血し、圧迫の勢いで四肢が大きく持ち上がっている。また、身体の至る所から出血していることがわかる。

<11:24> 楽曲が終了する。最後の音が鳴ると同時にD-16011の心拍が止まる。後の解剖によって心臓が破裂していたことが確認された。D-16012とD-16013は酷く困惑している。

<記録終了>

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