SCP-1606-JP
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自動監視装置より送信されたSCP-1606-JP内部の概観

アイテム番号: SCP-1606-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1606-JPと接続する全ての道路は迂回経路が整備され、封鎖されています。SCP-1606-JP周辺の地図を始めとする全ての公的情報は、標準的な集落喪失プロトコルに従って介入と編集が行われています。SCP-1606-JP外周限界から200m離れた地点には監視境界線が確立され、民間人による領域内への立ち入りを制限します。

SCP-1606-JP内部の有人探査試行は、現在では中止されています。研究用サンプルの回収、SCP-1606-JP-1群の監視・観察には、自動監視装置と無人機が用いられます。

説明: SCP-1606-JPは京都府██市北西部(旧██郡)に位置する地区で生じている空間異常であり、かつて公的に定められていた███村の区域全体を覆う形で存在しています。

この空間内での特筆すべき要素として、村役場の建屋内で発見された儀式的痕跡と、後述するSCP-1606-JP-1の存在が挙げられます。しかしながら、儀式跡から回収された全てのオブジェクトには一切の異常性が確認されておらず、SCP-1606-JPとの因果関係の有無も依然として不明のままです。以下は、儀式跡より発見・回収されたオブジェクトの一部抜粋です。

  • 多数の松明、ランタン。発見時には、儀式跡周辺に散らばるようにして残されていた。
  • 催眠/鎮静剤であるアモバルビタール(Amobarbital)の粉末。建屋内の複数箇所でその痕跡が発見されている。
  • 2本の草刈り鎌。刃には血液が付着しており、解析の結果は身元不明の人物のものであることを示した。
  • フクロウ(Strix uralensis)の羽根をまとめて束にしたもの。それ以外のフクロウの痕跡は、周辺からは発見されていない。
  • 複数種からなる魚のウロコ。その大半は、床に残された何かが這ったような跡から発見されている。

SCP-1606-JP-1は███村の住民であり、現存する全実体が永続的な昏睡状態下にあります。その半数近くは上述した村役場内の床に横たわる形で存在しており、それ以外は自身の家か道端で無造作に転がっている姿を多く発見できます。これら実体からは一切の加齢の兆候が見受けられず、食事や排泄を必要としている様子も確認できません。また、外部へと運び出された実体は、日付変更とともにその場から消失し、元々存在していた場所に元の状態で再出現します。

空間内部の環境は19██年代における同区域の夏期を完全に再現しており、区域外周辺地域の環境・天候とは一切の相関性を示しません。それに加え、その内部に元から存在するあらゆるオブジェクトには、見た目上、経年劣化の兆候が確認されていません。また、不明な理由により、如何なる生物も空間内部への侵入には成功しません。全ての有人・動物探査の試みは、人員及び装備の喪失、もしくは区域外周辺地域へと転移されるという結果に終わっています。その一方で、SCP-1606-JP-1以外のオブジェクトは空間内から問題なく運び出すことが可能です。

32日周期ごとに、空間内ではイベント1606-JPと指定される現象が発生し、1体のSCP-1606-JP-1に重度の睡眠随伴症状が引き起こされます。この症状の結果、対象となった大半のSCP-1606-JP-1は数分間から数十分程度の反復的な激しい痙攣・絶叫を継続した後、不明な要因によって必ず脳死を遂げます1。この脳死から数分後、上記の儀式跡周辺にSCP-1606-JP-2が出現します。

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SCP-1606-JP-2の出現例

SCP-1606-JP-2は不特定な人型実体の死体であり、必ず外傷による致命傷を負った状態で出現します。見た目上、出現する実体に性別・年齢・体格等の外見的な共通性はなく、同じ外見をした死体が再出現した事例はありません。また、直前に脳死したSCP-1606-JP-1と概ね一致する外見の死体が出現したケースも複数確認されています。出現後、各実体は1分~10分程度の時間経過で、一切の痕跡を残さずに霧散するようにして消失します。

多くの場合、SCP-1606-JP-2が着用している衣類や口腔内からはアモバルビタールの痕跡が頻繁に発見されるとともに、その身体に残されていた一部傷跡の形状は、儀式跡より発見された草刈り鎌の刃の形状と度々一致します。また、実体をリアルタイム映像で観察した職員の極少数からは、実体に対する漠然とした違和感の想起と、生きている状態の実体が登場する白昼夢の経験について報告されています。

イベント1606-JP時に対象となるSCP-1606-JP-1は、生存している年長者から選出される傾向にあります。ただし、村内での重要な役職に就いていた人物はこの限りではなく、極稀に年少者から選出されるケースも確認されています。また、基本的にイベントは午前0時から3時の間に集中して発生していますが、現在までに14回、午前3時から4時の間にイベントが発生したケースも確認されています。上記のようにイベント発生時刻が午前3時を超過した場合、SCP-1606-JP区域内より継続的な地鳴りが発生し、SCP-1606-JP-2の出現とともに停止します。

SCP-1606-JPは19██/09/01に発見され、財団へと引継がれるまで██年に亘って蒐集院の管理下にありました。20██/██/██現時点において、空間内に残存するSCP-1606-JP-1の数は、全1160体から村役場内で昏睡状態にある100体を残すまでに減少しました。近い将来、全実体が脳死状態へと陥ることが予想されます。その結果として発生する影響は一切不明であり、監視境界線の広域化に加え、周辺地域からの民間人及び職員の退避実施が決定しています。

補遺: 20██/██/██、空間内に残存するSCP-1606-JP-1の数が、最後の1体となった状態でイベント1606-JPの発生日を迎えました。しかし、午前3時を超過した時点でもイベントは発生せず、他のケースと同様にSCP-1606-JP区域内では継続的な地鳴りが発生し始めました。そのままの状態で約1時間が経過した午前4時12分、突如として███村北部の地下を震源地とする大規模な地震が発生しました。その影響により、SCP-1606-JP内に位置する山間部より大規模な土石流が発生、空間内に存在する全ての家屋が土砂によって覆われました。

村役場が土砂に埋まってから数分後、その内部に残されていた自動監視装置は、昏睡状態から覚醒するSCP-1606-JP-1の姿を捉えました。以下は、村役場内の自動監視装置によって記録された映像ログからの抜粋です。

0415: 床に横たわっていた対象が不意に起き上がる。対象からは、明らかに混乱と恐慌の反応が見受けられる。

0418: 依然として恐慌状態が続いているものの、対象は立ち上がると役場内の各部屋を見回り始める。これが完了するまでの間、対象は知り合いや友人、家族等の複数人の名前を繰り返し叫び続けていた。

0426: 全ての部屋を見回った後、対象は最終的に儀式跡へと戻り、部屋の中心に座り込んだ。そのまま俯いた状態が続き、軽度の虚脱状態にあると推測される。

0430: 時折口から発せられるようになった嗚咽や不明瞭な言葉を除けば、対象に動きが一切ないままの状態が更に継続する。

0435: 新たな動きが見られる。対象は這って移動し始め、部屋に残されていたアモバルビタールを拾うと、それを自らの口に含んだ。

0437: 対象は再びその場に座り込む。それ以降に動きは見受けられず、時折"夢になれ夢になれ"という言葉を口にする様子のみが観察された。

0442: 対象は意識を喪失する。

0449: 村役場の建屋が土砂の重みにより崩壊し、自動監視装置からの映像が途絶える。

この土砂災害以降、SCP-1606-JP内への侵入が可能になっており、その他特筆すべき異常性も確認されていません。また、土砂に埋まったSCP-1606-JP-1の遺体は現在も回収されていません。

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