SCP-1629
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アイテム番号: SCP-1629

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1629-1は改良された4m×3m×4mの収容庫に保管されています。収容庫にはビデオ監視装置が備え付けられており、SCP-1629-1は常時監視下に置かれなければいけません。直径30cmの鋼鉄製シャフトで、この収容庫とサイトの外部は接続されています。SCP-1629-1は常に開いたままの状態にしておかなければいけません。自動的に閉まった場合、SCP-1629-2の入場を円滑にするため、収容庫に繋がるシャフトを開放します。SCP-1629-2自体は進路を妨害されるべきではありません。

説明: SCP-1629-1は、寸法41×38×38cmの、オーク材で構築されたドア1枚型キャビネットです。研究チームが製造年を特定するうえで妨げとなっている酸化状態の変則性を除き、実験では組成や構造に異常性が見つかりませんでした。開くと、SCP-1629-1は一貫して空の状態です。キャビネットには如何なる種類の識別マークも存在せず、どのような経緯で作られたかは不明確です。SCP-1629-1はアメリカ合衆国ウェストバージニア州の放棄されたディーゼル列車駅から回収されました。

8~17週ごとに1回、SCP-1629-1は内部に入っている全ての物品を強制的に排出(仕組みは不明)して閉まり、開けることが不可能になります。20~30分後、1枚の紙飛行機(以下、SCP-1629-2とする)がSCP-1629-1の位置へと到着し、この時点でSCP-1629-1は僅かに開きます。SCP-1629-2はその後、展開して平坦な状態になり、SCP-1629-1の中へと入っていきます。さらに20~30分ほど経過した後(この間、SCP-1629-1は開かない状態を維持しています)、SCP-1629-1は再び開いてSCP-1629-2実例を排出し、SCP-1629-2実例は直ちにその場を飛び去っていきます。

SCP-1629-2は普通の白いプリンター用紙で作られているように見えますが、数多くの異常特性を示しています。SCP-1629-2は1996年、商用旅客機がSCP-1629-2実例との衝突によって破損し、墜落した事件をきっかけに発見されました。この事件は後日、落雷の直撃によって起きた事故であると宣言されました。SCP-1629-2実例は、地球の大気圏に突入した時点で初めて検出が可能になり、惑星表面に近づくにつれて徐々に減速していきます。SCP-1629-1への進路が何らかの形で妨害された場合、SCP-1629-2は問題の障害物を貫通するために大気圏突入時の速度をある程度保ち続ける場合があります。SCP-1629-2の捕獲には一度も成功例が無いため、なぜ実例群が突入時の熱や高速衝突によって破壊されないのかは明らかになっていません。SCP-1629-1から飛び立ったSCP-1629-2は急加速して地表面を離れ、大気圏外への脱出速度に達し、最終的には観測不可能になる前に光速の0.01%の推定速度にまで至ります。SCP-1629-2の突入/脱出時の軌道は幅広く変化しており、宇宙空間上において一貫性のある発射元は特定されていません。

補遺 [1629-001]:

2008/7/21、ハイスピードカメラを用いた実験により、展開してSCP-1629-1の中へ入ってゆくSCP-1629-2実例の表面映像が捉えられました。表面には、以下のように読み取れる文章が書かれていました。

わかったよ、こうさんです、こんかいはきみのかち。どこにいるの?ママもパパももうすぐうちにかえってくるよ。

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