SCP-164-FR
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-164-FR

脅威レベル:

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-164-FRは保管サイト-キビアンの、適切な換気が施され、湿気・熱・カビから保護された安全な金庫に収容されます。

SCP-164-FRの全ての実験はアルファ級安全性環境で実施し、保安プロトコル・ヨッド-9に従う必要があります。全ての被験者は実験後直ちに終了しなければいけません。実験は無期限に中止されています。

説明: SCP-164-FRは正則アラビア語で書かれたクルアーンの本です。標準的な印刷用紙に印字されており、ごく最近発行されたようですが、美観のために金メッキ加工された茶色の革表紙を備えています。1

SCP-164-FRには標準的なクルアーンと同様に114のスーラ(章)が収録されていますが、出版社・出版場所・出版日時に関わる情報を全く帯びていません。文章の綿密な研究によって、この本の内容は標準的なクルアーンの文章の低品質コピーであり、頻繁な綴りの間違いや抜粋部の改変/欠落が含まれていると判明しました。

SCP-164-FRの異常効果は人間が内容を読み始めた時に発現します。読んでいる間、対象者は皮膚への鱗の出現、骨格の再形成、筋肉量・生命維持器官・生殖系(胎生から卵生へ)の重大な変化などといった一連の生物学的変異に曝されます。このプロセスは文章の長さに関係なく、スーラを読み終えた時点で完了します。スーラを読み終えた対象者はDinosauria上目、より一般的には恐竜と呼ばれる生物種の一個体へと完全に変異します。

SCP-164-FRを使用した一連の実験の後、各スーラはそれぞれ異なる恐竜種への変異を引き起こすと証明されました。

例として、最初のスーラ“開端”はステゴサウルス(Stegosaurus armatus)、第2番目の“雌牛”はアロサウルス(Allosaurus lucaris)、最後の“人々”はトリケラトプス(Triceratops horridus)、第57番目の“鉄”はヴェロキラプトル(Velociraptor mongoliensis)への変異をそれぞれ引き起こします。

特筆すべきは、読者は如何なる形式でも文章を読むのを強制されておらず、妨害を受ければ読書を止められるという点です。しかしながら、読者は自身に起きている変化や聴衆の異常な反応に気付かず、SCP-164-FRを読み続ける傾向があります。

SCP-164-FR-1と指定される変異した読者は、身体の変化に関わらず、読書を通して人間の声と知性を維持します。しかし、読書を終了すると、これらの残存する人間的な特徴は即座に薄れ、恐竜としては“正常”と見做される動物的挙動に置き換えられます。

第二の異常効果として、読者はSCP-164-FRを音読する必要性に駆られます。半径10m以内で音読を聴取する全ての人間は、読者と同じ変異を半分の速度で経験します。プロセスの終了時までに、聴取者はSCP-164-FR-2と指定される人間/恐竜の雑種生命体に変化し、人間の声と知性を維持し続けます。

変異が完了していない雑種が72時間以上生存する可能性は殆ど無く、典型的には内出血や体温調節の問題によって死に至ります。中断された箇所からスーラを改めて読み始めても変異は完了しません。スーラを最初から読み直す行為は変異を引き起こすものの、既に存在する雑種の特徴が強調されます。別のスーラを読み始めると異なる恐竜種への変異に繋がり、結果的に複数種の特徴が入り混じった雑種が誕生します。

全ての事例において、身体構造への新しい改変が加えられるごとに、雑種の生存率は劇的に減少します。

加えて、SCP-164-FR-1およびSCP-164-FR-2個体は、33%の確率で変異から24時間以内に急速な細胞崩壊を起こします。このような場合、対象は速やかに死亡し、4分かけて完全に腐敗して骨格のみを後に残します。この細胞崩壊の原因は未だ不明です。

回収ログ: SCP-164-FRは████/██/██、礼拝堂の中から人間や動物の叫び声と何かが壊れる音がするという地元住民の通報に続き、フランスの██████████にあるモスクの内部から発見されました。

現地警察部隊の到着前に、機動部隊が直ちに対象エリアへ派遣されました。到着時点で生存していたSCP-164-FR-2個体は僅か5体であり、残りの聴衆はタルボサウルス(Tarbosaurus bataar)の姿をしたSCP-164-FR-1に殺害されていました。SCP-164-FR-1は屋根の一部の崩落に巻き込まれて死亡していました。

財団エージェントが発見した際、SCP-164-FR-1は既に急速な腐敗を経て骨格だけになっていました。

この出来事が起こる前、モスクはイマーム・ムハンマド・バーラマニーによって運営されていました。彼は事案発生直前、地元紙や全国メディアを介して広まった創造論に関する過激な演説が物議を醸していました。イマーム・バーラマニーの私邸からは以下のようなメモが発見されました。

イマーム・ムハンマド・バーラマニーへ

我々は最近、創造論から進化論への動きに反対する貴方の熱烈な説教について知りました。我々としては貴方のイニシアチブの勇気に敬意を表することしかできません。

我々の委員会は、貴方と同じく、この議論に深く関与しています。

かつて真実が今日よりも遥かに広く知られていた時がありました。
このささやかな贈り物が、貴方と信者たちがこの神聖な時代を迎える助けとなりますよう。

最初の者、受け継ぐ者、力強き者、裕福なる者、アッラーに誉れあれ。2

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。