SCP-1671-JP
評価: +111+x
blank.png
%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%88%E3%82%93%E3%81%B4%E3%81%A4

SCP-1671-JP-a。

アイテム番号: SCP-1671-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1671-JPはサイト-81██の物品保管室にある、レベルS小型オブジェクト用ロッカーの中に保管されています。SCP-1671-JPを用いた実験を行うにはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得る必要があります。使用後は必ずSCP-1671-JP-bにシリコンゴム製のバンドをはめ、蓋を固定した状態でロッカーに戻してください。

説明: SCP-1671-JPはドイツの███████社製である24色色鉛筆(SCP-1671-JP-a)と、それを収納するための金属製ケース(SCP-1671-JP-b)の総称です。SCP-1671-JP-bの蓋の表面には、SCP-1671-JPと同型の商品同様に、商品名である「███████社 24色色鉛筆」という文章がドイツ語で大きくプリントされており、その下に

あなたの見ている鮮やかな世界を、この色鉛筆で描いてみましょう!

という内容の文章がドイツ語・英語・フランス語の3ヶ国語でプリントされています。SCP-1671-JPと同型の製品は19██年に生産終了されていますが、SCP-1671-JPは発見・収容当時から現在まで劣化の兆候を示していません。

SCP-1671-JP-aを使用して描画・着彩等を行った人物は、色に対する知覚能力を徐々に失っていきます。なお、SCP-1671-JP-a本体とそれを用いて描かれた“使用者自身の作品”には、SCP-1671-JP-aによる色覚異常の影響が発現しません。 通常、この色覚異常はSCP-1671-JP-aを用いて線を引いた長さ(≒色を塗った面積)に概ね比例するように進行します。しかし、使用中にSCP-1671-JP-aの芯を折ってしまうと、使用者は数分間から10数分間ほど意識を失い、目覚めた後には“自身が破損させたSCP-1671-JP-aとRGB値が概ね近い色”を全く知覚できなくなっています。1

また、作品を仕上げた(と認識した)使用者は、自身が使用していた全てのSCP-1671-JP-aをSCP-1671-JP-bに戻し蓋を閉めます(以後、この動作を“片付け”と呼称します)。 使用後に“片付け”られることによって、磨耗・破損した部分の修復が行われ、SCP-1671-JP-aの状態が保たれていると推測されています。SCP-1671-JP-bの状態も常に新品同様ですが、その理由は判明していません。

SCP-1671-JPは20██年、[データ削除済]県[データ削除済]市の自宅で焼死した███ ██氏の遺体と共に、███氏の腕にきつく抱きしめられているような状態で発見されました。 調査の結果、特に███氏の遺体の周りが激しく燃えていたことが判明しましたが、SCP-1671-JPは少量の灰や煤が付着しているのみで全くの無傷でした。 警察内部に潜入していた財団エージェントがこの事実を財団に報告したことにより、SCP-1671-JPは直ちに回収され、財団エージェント以外の捜査関係者・事件関係者ら全員にAクラス記憶処理、及びカバーストーリー「動機不明の焼身自殺」の流布がなされました。

SCP-1671-JPの回収当初は「火災に巻き込まれたにも関わらず、高温による溶解・燃焼等の劣化が全くみられない」という点以外の特異性は不明でしたが、██博士が行なった実験により“色覚異常を引き起こす”等の新たな特異性が判明したため、正式な収容が決定しました。

実験記録1671-JP-001 - 20██/02/13

対象: D-64419(健康な成人男性)

概要: A4サイズの画用紙に、SCP-1671-JP-aを用いて自由に絵を描くよう指示。

結果: D-64419はSCP-1671-JP-a-4(赤)を使用し、画用紙いっぱいに赤いリンゴの絵を描いた。実験終了後、D-64419が視界の異変を訴えたため視力検査・色覚検査を行ったところ、視力に異常は見られなかったが、D-64419が赤い色をほとんど知覚できなくなっていることが判明した。

分析: どうやら、彼自身が使用していたSCP-1671-JP-aの色が知覚できなくなっているらしい。-██博士

実験記録1671-JP-002 - 20██/02/14

対象: D-64419(前回の対象と同一人物)

概要: A4サイズの画用紙に、あらかじめ取り出しておいた7本のSCP-1671-JP-a(赤、橙、黄、黄緑、緑、青、紫)を用いて、大きな「虹」の絵を描くよう指示。

結果: D-64419は7本のSCP-1671-JP-aを使用し、画用紙いっぱいにアーチ状の虹を描いた。実験終了直後に視力検査・色覚検査を行ったところ、視力に異常は見られなかったが、D-64419は赤、橙、黄、黄緑、緑、青、紫の7色をほとんど知覚できなくなっていた。特に赤色については、全く知覚・識別できなくなっていた。

分析: この色覚異常はSCP-1671-JP-aを使用すればするほど進行することがわかった。異常の進行度合はどの色を使用したかだけでなく、その色をどの程度使用していたかにも依存するようだ。-██博士

備考: 前回の実験でSCP-1671-JP-a-4(赤)を多量に消費していたにもかかわらず、今回の実験前に点検を行なったところ、SCP-1671-JP-a-4は新品そのままの状態に戻っていた。

実験記録1671-JP-004 - 20██/02/20

対象: D-16240(健康な成人女性。軽度の近視である)

概要: A4サイズの画用紙に、SCP-1671-JP-aを用いて画用紙いっぱいに絵を描くよう指示。

結果: D-16240はSCP-1671-JP-aをいくつか使用し、画用紙いっぱいに風景画のようなものを描いていたが、途中でSCP-1671-JP-a-16(緑)の芯を折ってしまった直後に失神したため実験は中止された。失神してから10分後にD-16240が意識を取り戻したため通常通り視力検査・色覚検査を行ったところ、視力に異常は見られなかったが、D-16240は緑色を全く知覚できなくなっていることが判明した。

分析: 破壊した場合は即座に色覚異常の症状が進行するようだな。自己修復するオブジェクトとは言え、取り扱いはもっと丁寧にさせるべきだろう。-██博士

実験記録1671-JP-006 - 20██/03/01

対象: D-39783(1型2色覚2である成人男性。視力は正常である)

概要: A4サイズの画用紙に、あらかじめ取り出しておいたSCP-1671-JP-a-4(赤)とSCP-1671-JP-a-16(緑)を使用して自由に絵を描くように指示。途中、他のSCP-1671-JP-aも自由に使用してよいことにした。

結果: D-39783は最初SCP-1671-JP-a-16で緑色の花を、SCP-1671-JP-a-4で花の茎と葉を描いていたが、途中で指示変更があった後、背景にSCP-1671-JP-a-12(青)で空を、SCP-1671-JP-a-18(黄土色)で飛行機を描き足した。実験終了直後に視力検査・色覚検査を行なった結果、D-39783の視力・色覚能力は実験前と差異が無いことが判明した。

分析: もともと特定の色が知覚できない人間には特に害がなく、正常色覚3である人間にのみ色覚異常の症状が発現しているようだ。-██博士

補遺一覧:
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。