SCP-169-JP
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アイテム番号: SCP-169-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-169-JPは敷地を覆う形で建設された専用サイトによって収容します。SCP-169-JP-1群を積載地点から移動させる行為は実験を行う場合を除いて許可されません。実験は研究チームに計画書を提出し、承諾されたものだけが行われます。実験に使用したSCP-169-JP-1は適切に処分してください。
専用収容サイトおよび管轄地域周辺には専用の侵入対策を布いて、収容違反に繋がる有害動物の侵入を確実に防いでください。

説明: SCP-169-JPは[編集済]に存在する█████社の製造工場跡地です。異常性は範囲が特定された敷地とSCP-169-JP-1に指定された製造品にのみ存在するため、収容にあたって建屋と製造機器類は破棄されました。
SCP-169-JP-1はかつて█████社が試作・製造していたリクライニングタイプの座椅子です。550×1330×610mmの規格で製作されており、カラーバリエーションはホワイトとブラックです。SCP-169-JP敷地内の一角に現存している███台がSCP-169-JP-1に指定されています。最新の記録上では市場への流通が決定していました。

SCP-169-JPの異常性は主にSCP-169-JP-1に集約されます。
SCP-169-JP-1の座面に動物が乗った時、SCP-169-JP-1は動力不明の極めて低空を浮揚する移動能力1を獲得します。同時に座面の動物(以下、搭乗者)は体重移動による操作技能を獲得し、SCP-169-JP-1で走行することへの強い衝動に駆られます。これらは自主的に、あるいは他者からの物理的強制によってSCP-169-JP-1の座面から離れることで解消されます2

ヒトが搭乗者となった場合にはSCP-169-JPを中心とする周回を前提としたルートを想起することが確認されています。ヒトが搭乗者となった時に引き起こされる走行への強い衝動は、想起されるルートに対してのものだと考えられていますが、ヒト以外の動物が搭乗者となった場合にもルートを想起しているかについては研究チーム内でも意見が分かれています。

収容違反記録: 専用収容サイト建設中の20██/██/██未明に全53台のSCP-169-JP-1が活性化し、SCP-169-JP内が広域に渡って物理的な破壊を受け、研究チームメンバーを含む職員9名が死傷。SCP-169-JPを中心とした半径██.█km内のいくつかの建屋に損傷をもたらしました。
事案沈静後、調査チームは異常性を失ったいくつかのSCP-169-JP-1の傍にドブネズミ(Rattus norvegicus)の死骸を発見し、当該事案の原因であると推定されました。
この事案によって発生した民間での2件の目撃例に対し、記憶処理と住居移転が行われました。伴って収容手順の見直しが行われ、専用の有害動物対策の布設と不要な設備の撤去が行われました。

補遺1: SCP-169-JPを含む敷地を所有していた█████社は200█年の急激な業績悪化により経営破綻し、同年に当該工場を含む全資産を売却しています。買い手がつかなかった結果として当該工場の雇用需要に経済を依存していた管轄自治体は破綻し、多くの住民が離散しました。20██年に自治体の再建が試みられましたが、事業に携わった多くの工員が行方不明になったことを受けて半年で凍結されました。

補遺2: █████社の業績悪化の要因として、経営破綻時に代表を務めていた████ █████氏が"エリア51"、"ロズウェル事件"、"レプリティアン"を主とした陰謀論を極度に信奉しているとの噂が株主の間に走ったことが挙げられています。事実、それらに関する多くの書籍を████氏は所蔵していました。しかしながら直接の原因は新製品開発への資金の極端な注入と、宇宙事業への参入失敗によるものです。
████氏は現在、当該工場へ自家用車で向かったのを最後に消息が不明であり、遺留品も発見されていません。

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